といっても2日目の続きからです。
部屋にハンガーが足りないので、
夕方、ふと窓の外を見たら
向かいに超絶安売り(でもカワイイものばかり)の
TIGERがあるじゃないですか。
昼寝でもしようと思ったけど出かける。
(道路を渡るだけだけど。)
店内は人でぎっしり。少女とおばさんとおばあさんでいっぱい。
安くてかわいくてこわれそうなもの、
みんな好きなんですね。
ハンガー、あったあった。
5本で3€のセットを2つ。
それから1€のカラフルな紙ナプキンを3つ、
3€のガラス瓶(コーヒーの粉を入れたい)をひとつ。
レジのあんちゃんが3色の紙ナプキンを見て
「国旗の色? どこの旗? エクアドル?」
(と、たぶん、イタリア語で)。
正解。
夜になって、先に東京を発ち、
フランクフルトとアムステルダムで
営業の仕事をしてきた
築地の海苔問屋の大将であるAさんがミラノに到着。
コーディネーターのミラノ在住Yさんは
ぼくのこの宿を探してくれたひとで、
Yさん宅も、Aさんの宿も、徒歩2分くらいの距離。
Yさんはくたびれたということで不参加だったけど
Aさんは元気で、一杯飲みましょうとお誘い。
TIGERとは90度方向のちがう道路を渡ったところの
猫がモチーフのバールで二杯飲む。
つきだしはポテトチップス、
頼んだおつまみは生ハム。
ほどよく酔っ払ううちに眠くなったので解散。
明日、朝ごはんを食べにどうぞとお誘いする。
ということでday 3。
6時半に起きて、グダグダしていたらAさんから電話、
8時を目処に朝食を食べに来ることに。
といっても朝ごはんらしいものはないので、
例によってパスタ。
きのうと違うのは、パンチェッタがあること、
パスタはぼくの好きなRUMMOの11分茹でがあること。
RUMMOの製品は日本にも入っているんだけれど、
ほとんどがレストラン用で、
この11分という茹で時間が「長い」ということで
使われないものだから、
この製品に限って輸入されていない。
RUMMOのどこがそんなに違うのかというと、
茹でるとわかるけれど、香りである。
立ち上る蒸気に、ああ、小麦の香りって
こんなに芳しいものなのか、と思う。
そして八百屋で買ってきた葉野菜とすももを和え、
ツナを添えてサラダに。
食後にコーヒーをモカポット(モカエキスプレス)で。
シチリアで味をしめて以来、
東京のぼくの部屋でもコーヒーといえば、これ。
手軽に、あのコクのあるとろりとした
イタリアンコーヒーが淹れられる。
エスプレッソほどの圧力はかからないけれど、
普段用にはこれでじゅうぶん。
ちなみにイタリアのひとはこれを洗剤で洗わないそうだ。
それどころか、次に使うまで
出がらしのコーヒー粉を入れっぱなしの人もいるらしい。
洗剤で油分をとばしてしまうと
金属臭がコーヒーにつく、だとか、
洗剤臭が残る、だとか、
いろんな理由をきくけれど、
金属臭についてはアルミ製についてのことで、
ステンレスは関係ないようにも思う。
洗剤臭はそもそも洗剤の匂いがきついのと同時に
ちゃんとすすいでいないからという気もする。
が、こういうことに反論すると叱られるのが
世の中の常である。
ちなみに淹れ方はシチリアでダリオ君に教わった
いにしえの役者さんのスタイルです。
あの旅で道具を買って帰り、
それ以来3日に一度くらい淹れてるんだけど、
毎回微妙に違うものができあがるので、
こういうことは奥が深いのでしょうね。
コーヒー豆はスーパーでいちばん高級だった
ラヴァッツァのクオリタ・オーロ。
すばらしく安定しておいしい。
そういえば昨夜のバールで最後に出てきたクッキー。
その場で食べなかったので持ち帰ったのがあったと
出してみたら、これがおいしい。意外なくらいおいしい。
ダイジェスティブビスケット的な食感で、
入っているジャムも甘すぎなくてフルーティ。
あとで在住のYさんに聞いたら
「そうなんですよアレ、おいしいんです。
スーパーで適当に買ってもおいしいです」
とのことでした。
Aさんは仕事へ。
今夜ローマからAさんの友人でぼくもよく知っている
和食店経営者のOさんが
Aさんとぼくがミラノにいるなら合流しますよ、とやってくるので
夕飯をうちで一緒にしましょうということに。
ご近所食材しかないけど、つくりますよ〜。
食洗機にマキネッタ以外を放り込んで、
しばらくパソコンに向かう。
いろいろやることがある。
しばらくそんなことをしていたら昼を過ぎていた。
早い。
どうしようかなあ、
ポモドーロでスパゲッティでも食べるかな、
と思案していたら、着電。
午前中の仕事を終えたAさんとYさんが
ご近所のチーズ屋でランチをしませんかと誘ってくれた。
行きます行きます。
ご近所ならすぐ行けます。
ということでつづく。