バルセロナ2日目。
友人たちの泊まっているホテルに
朝食を食べに行くことに。
ここは「カーサ・フスター」という
由緒あるホテルなんだけど、
なぜか朝食は地下のクラブっぽい照明のホール。
まずくはないけど、うまいわけでもないので、
人にはすすめにくいけど、
おもしろいことはおもしろい。
朝食後、カタルーニャ美術館へ行く。
地下鉄で行こうとしたら、門番のアントニオ君たちから、
「乗り換えで時間がかかるし、
地下鉄にはスリやかっぱらいがいるから、
タクシーにしなよ!」
と説得される。
たしかにほんとにいるんだろうし、
いいホテルを使うお客さんに何かあったらと思うんだろうから
ありがたいアドバイスではある。
大丈夫でしょ、と思ったけど、いちおう言うことをきく。
それにしてもスペイン人はこういう軍テイストの制服が似合うね。
さてカタルーニャ美術館。
独自の言葉を持ち、独立運動が起こるこの地域。
その都であるバルセロナには
カタルーニャ美術を収蔵する
立派なカタルーニャ美術館がある。
これがでかい。丘ひとつまるごとの威容で
(ムンジュイックの丘、といいます)、
階段をひいこら登った上に、
どかーんと巨大な建造物がある。
ロマネスク美術・ゴシック美術・近代美術という三本柱だが、
この日、午後からちょいと遠出するつもりがあったので、
ちょうどやっていたベルメホ(Bartolomé Bermejo)の
企画展をメインに観ることに。
残念ながら写真撮影は禁止されていたんだけれど、
いやあ、ベルメホ、すごかった。
15世紀にコンピュータとPhotoshop使ってたんじゃないの、
というくらいすごい。
キリスト教絵画だから主題がはっきりしているわけで、
でも、その細部にはまた別の神が宿る、というか。
風景部分、とるにたらない部分を執拗に描くのです。
主題の聖人が着けている甲冑に遠くの風景が写り込んでいるとか、
遠景の山に人がいるとか、それがあまりに巧みなので、
ベルメホが雇っていたというかチームを組んでいた画家たちの画力と
あまりにも乖離していて、
同じ絵のなかでちぐはぐになっていたりもする。
たいして点数はなかったものの
ここで時間をつかってしまったので
もともと1日では見切れないといわれている常設展は
ロマネスク~ゴシックを早足で駆け抜けて終了。
教会の壁画を壁ごと移築して展示するスタイルが延々と続き、
つまり館内にいくつも古い教会があるような状態で、
カタルーニャ人の「陽気であるが宗教には厳格」で
「個性的な人の多いスペイン人の中でも特に個性的な人が多い」
という個性をよくあらわしているような気がする。
さて、午後からは奇岩の景勝で知られる聖地モンセラートへ。
バルセロナチームが行くというので、
市内散策とどっちにしようか迷ったが、
こういう機会でもないと絶対に行かないので行くことにする。
電車をいくつか乗り換えて1時間半くらいだったかな。
でもまずごはん。
ホテルの食堂があったのでそこで済ませたが、
意外なことにとてもおいしい。
山の上で魚介を食べたんだけど、
それでもひじょうにおいしい。
どういうことなんだ。
そして教会を見る。
ミサをやっていて(そうか、日曜日だ!)ものすごく混んでいる。
他所者がすみません。という気分だ。
黒いマリア像が有名なんだけど、
それを見る行列があまりに長いので、
あきらめて、登山電車で山の上に行くことにする。
しまった、高所恐怖症(軽いやつ)じゃん!
と、乗ってから思っても遅い。
山頂は散策路などがあったが、
怖いのでじっとしてました。
この日はこれでおしまい。
バルセロナにもどったら遅い夕刻で、
明るいもののくたびれ果てていたので、
サンドイッチを買って帰ってもそもそと済ませて就寝しました。
日に焼けた気がするな。