9時45分にアパートを出て
ドノスティア/サンセバスティアンの
川沿いにあるバスターミナルまで行く。
ゆっくり歩いておよそ20分ほど。
タクシー代、けちりましたよ。近いしね!
ターミナルの自販機で水を買って、
バイヨンヌ往きのバスに乗り込む
PESA社の運行のバス。10時半の定刻出発でした。
途中、国境でパスポートのチェック。
スペインに入るときはなかったんだけどなあ。
そしてビアリッツの停留所(最初に乗ったところ!)で
しばらく停車。予定の時刻を過ぎても発車しないので
どうしたことかと思っていたら、
ちょっと遅れて来たバイヨンヌからドノスティア往きの
バスが来るのを待って、運転手が交代するのでした。
つまりスペイン側の運転手さんとフランス側の運転手は、
基本、自国内の運転を(主に)任せられている、というわけ。
スペインの運転手さんはすごく上手な運転だったのだけれど、
フランスの運転手になったとたん、
急停車と発車を繰り返して、がったんごっとん、
なんだかあぶなっかしい。
でもまあなんとかバイヨンヌに着く。
バイヨンヌのバス停は、
バスク広場というところにあって、
ごくちいさな屋外ターミナル。
車窓から見た限り、街の規模もとても小さそう。
バイヨンヌには退屈しに行くんだよ、
なんて嘯(うそぶ)いてたけど、
ほんとに、ここ、退屈するんじゃないかなあ。
何日いるんだっけ。
29,30,31,1,2‥‥そして3日に移動だから、
5泊もするんだった。
よく考えずに手配したなあ自分。
さて、宿のチェックインは、
メールによると12時から14時まで昼休みだという。
バイヨンヌでは、キッチンつきの
アパートホテルを借りたので、
フロントがあるんだけれど、
そのフロント業務は平日の定時のみらしい。
「時間外にチェックインなさる場合は
暗証番号うんぬんぬん、
隠し場所に鍵をうんぬんかんぬん」
と書いてありましたが、
昼休みは、それは適応されないみたい。
そもそもバスが定刻で着けば
ぎりぎり午前中に間に合ったのに!
でも運転手交替のロスで
ここに到着したときは12時を過ぎていたのです。
ということで広場にあった
インフォメーションセンターで相談をしてみる。
「チェックインまで2時間あって、
しかも、こんなでかい荷物があるんだけど、
どこか預かってくれるところないかな?」
と訊くと、どうやらそういうのはないらしい。
まあ、テロ警戒中のヨーロッパ、
どの街も荷物預かりは減っているようだし、
そもそもこんないなかの小さな街にあるとも思えない。
で、あんちゃんは、ホテルに行ってみれば
いいんじゃないかと言うんだけど、
12時から14時までは不在って書いてあるし。
「でもまあ、ちいさな街だから、
うろうろしているとすぐに2時になるよ」
と、地図に、見どころに印をつけてくれた。
でもなあ、5泊もするから、
そういうのは急がないんだけどなあ‥‥。
でもまあともかくトランクを引きずって
街に出てみることにする。
あんのじょう、ほぼすべての道が石畳なので、
重たいトランクと相性のわるいこと。
きわめてゆっくり移動したものの、
がったんごっとん言うのでタイヤが心配。
そして迷わずに(珍しい)ホテルに着いたけれど、
やっぱりフロントは閉まってました。
2時までどうするかな。
そんなに腹は減っていないけれど、
トランクもあるし、レストランに入るのがよさそうだ。
目の前にスペイン料理屋というか
バスク料理屋があったので、
ランチにはちょっと早い気がするけど、入ってみる。
店名がE; Asadorだから、焼き系が得意なんだろうな。
まだ誰も客がいない時間だったけれど
どうぞどうぞと入れてくれた。
料理を見ると、アラカルトがあんがい高価。
1品20ユーロから、というかんじ。
18ユーロのセットメニューを頼む。
といってもメインディッシュとデザートの2品です。
高いですよねえ。仕方ない。
今晩から自炊にするから、よし。
料理は、焼いた鱈とゆでたじゃがいも。
たっぷりオリーブオイルがかかっていて、
ピメント‥‥じゃないや、
ここはフランスだからピモンデスペレットか、
が、かかってました。あと揚げたししとう。
この構成がとってもバスクっぽい。
味はとっても品がよくて、塩はきつくなく、
鱈がぷりっぷりでおいしかったです。
デザートはフォンダンショコラ。
これも軽くて甘すぎなくておいしかったなあ。
と、このブログはそのレストランのテーブルで書いてます。
そろそろ2時なのでチェックインできるかな。
★ ★ ★
無事チェックイン、部屋に入りました。
部屋はコンパクトなワンルームという感じ。
荷物を広げていくと、ちいさな巣ができるので、
最初のよそよそしさはすこし薄れるものです。
キッチンは最小限でコンパクト。
シャワーはやや心もとないが、お湯が出ればいい。
なるべく外食をしたくないので、
まずは食材を買いに行こう。
しかし‥‥アレだ、
いざ「自分だけのため」に料理をするとなると、
どこにモチベーションをもっていればいいのか
よくわからなくなるものですね。
でも、最初はこういう旅だった(ひとり旅だった)し、
ずっとそうやって料理をつくってきたのだけれど、
日常生活をふくめて「だれかのために」ということって
すごく高いモチベーションになるんだなあと思う。
すぐ近所にRue d'Espagne(エスパーニュ通り)という
ちいさな商店街があり、
ハム屋、チーズ屋、ワイン屋、パン屋、
少量の野菜を売るよろず屋などがある。
スーパーマーケットは見当たらない。
ひとまず‥‥といいつつ、けっこう買う。
食材店はどこも親切。観光客が多いからみたい。
生ハムやチーズを試食させてもらって、
よさそうな店には、アパートホテルに5泊するから
また買いに来るかもしれませんと挨拶。
でも3食自炊で5日間、商店が休みの日
(日、月みたい)が入るから、
ちょっと多めにしました。
チーズは余ったら持って帰ります。
ハムは持って帰れないのが悔しいなあ。
ちょっと疲れたな。
きょうは夕飯食べずに寝ようかな、
それともワインだけちょこっと飲もうかなあ。
迷いつつバイヨンヌの日が暮れてゆく。