はじめてアーティーチョークを買った。
客人があるので伊勢丹とタカシマヤに食材買い出しに行き
同行者が「わ、アーティーチョーク!」と発見、
買ったこともないしもちろん調理したこともないけれど
このネット時代、調理法くらいわかるだろうと購入。
伊丹十三さんの『ヨーロッパ退屈日記』によれば
伊丹さんが滞在していたイギリスではアーティショーと言い
ゆでて、冷蔵庫で冷やし、
1枚ずつ萼をはがし、
オリーブオイルとレモンとクロコショウのドレッシングにつけ
歯でしごいて食べる、とある。
それなら簡単ではあるのだが
もうひとりの来客の時間までに冷蔵庫で冷やすというのは
ちょっと難しい。
同行者がネットで調べたところ
まあじつにいろいろ調理法があるみたいだが、
下処理をして1時間ゆでてからバルサミコをかけ
萼をはがして耐熱皿にならべ
オリーブオイルとバルサミコを塗って180度で15分、
という方法がいいんじゃないかということになった。
いやはやまずその下処理に格闘30分。もっとかも。
なにより硬い繊毛を外すのにひじょうに手間取った。
たぶんもっと新鮮なものなら簡単なのではないかと推察する。
デパ地下とはいえ売れ残りぽい感じだったから
硬くなっちゃったんじゃないか。
大人の男が二人がかりで汗かいてなんとか下処理完成、
次は「1時間ゆでる」だけど、
ネットの意見では10分も20分も30分もあって
塩を入れる入れない、レモン汁を入れる入れないなど
諸説あってややこしい。
まあようするにアクがあるということで、
塩とレモンを入れて30分という我流にすることに。
(塩を入れると温度が上がるので、短くてもいいだろうと。)
ゆであがってバルサミコをかけ、解体してオーブンへ。
ついでにホワイトアスパラも並べて焼きました。
結果、萼の部分はほんとうに食べるところが少ないけれど
たしかに歯でしごいてみると、ほんのちょっと、
香り高い花托の部分のはしっこが口に入る。
そして花托そのものはふんわりやわらかくて
初めての食感と味でした。
たしかにおいしい。
さらにこのオーブンでバルサミコとオリーブオイルを塗って
野菜を焼くという調理法もナイス。
ほかのいろんな野菜で試してみよう。
●
さてさて、客人はご近所のテソーミのマーコさん。
ぼくの引っ越しにさいし、たいへんお世話になったので
そのお礼と、引っ越し完了のおひろめってことでご招待。
つくったものは、さっきの
【アーティーチョークとホワイトアスパラのグリル】のほかに
こんなかんじでした。
【セビーチェ】ペルーのリマで食べておいしかったサラダ。
青唐辛子とライムと塩でマリネした
白身魚や貝、イカなどを
レッドオニオンとコリアンダーで和えます。
【洋肉じゃが】煮込み用の和牛を焼いて、
白ワインと鶏スープ、
バスクの調味塩で1時間煮ました。
乱切りのじゃがいもとたまねぎを入れて
さらにくつくつ煮てできあがり。
これは適当オリジナル。
【空豆グリル】空豆を莢ごと直火焼き。
こんがり焦げるくらいまで両面を焼くと
中が蒸し焼き状態になるので
外して藻塩で。皮ごと食べられます。
【あさり蒸し】あさりをにんにくのみじん切りと
シャンパンで蒸し焼きにしました。
仕上げに「わさび菜」を細かく刻んだものを
イタリアンパセリがわりにかけたら美味でした。
【スパゲティ】ペペロンチーノに、あさり蒸しの残り汁と、
アッラ・ガルムという、ひこいわしの魚醤を加えて
和えただけのパスタ。
いずれもおいしくできました。
お酒は、シャンパン1本、ブルゴーニュ赤1本。
高橋禎彦さんのデキャンタ、
ぴったり1本750ミリリットルが入ってびっくり。
フルートグラスも赤ワイングラスもすばらしかった!
マーコさんが帰られたあと、
甘いものが食べたいねとアイスクリームを買ってきて、
さくらんぼと、アイスと、コーヒーで〆。
コーヒーは、デヴィッド・リンチ・コーヒー。
酸味がなくって香ばしくておいしかったです。