広尾の「ギャラリー旬」で
浜野マユミさんの個展が始まった日、
霞町の「桃居」では三谷龍二さんの個展を開催中ということで
2つのギャラリーをハシゴしてきました。
浜野さんは有田の白磁への「染付」をする作家。
三谷さんは木を削り出して器をつくる木工作家。
おふたりとも、「日用食器」の作り手です。
実用品であること。普通であること。
それがふたりの共通した姿勢です。
なーんて、わかったように書いてますが、
じつは三谷さんを知ったのは、今日。
それも浜野さんの個展に偶然居合わせた年長の友人が
「三谷龍二さんという木工作家の個展を、
いまやってるので、ぜひ見てくるといいよ。
きっと好きだと思うよー。
ていうかスプーン1本でもいいから、買ったほうがいい!」
と、やけに強く言うので、
そこまで言うんなら行ってみるかと出かけたのでした。
そして、友人のカン、ビンゴ。
三谷さんの作風は、たいへんぼくの好みでした。
栗、山桜、楢、胡桃、楡。
堅い丸太から削り出してつくる、
でも武骨というより繊細な器たち。
銘々皿からパン皿、パスタ皿、茶筒、カトラリー、片口、
サラダボウル、角盆、
そしてお盆くらいの大きさのプレート。
そのでっかいプレートに目を奪われちゃいました。
いわゆる「お盆」として使ってもいいし、
平たい大皿としても使える、直径31センチ。
材質はウォルナット(胡桃)。オイルフィニッシュ。
ていねいな手彫りのあとがのこっています。
ああ、何をのせたら、うまそうになるかなあ、
野菜だろうか、チーズと生ハムもいいなあ‥‥と、
3枚あった同じシリーズの木目を凝視していたら、
ちょうど会場にいらした三谷さんがぼくを見て
「‥‥食いしんぼうですか?」と。
すごい質問ですね。わははははは。
ハイ、たいへん食いしんぼうです。
バレましたか!
と、なんだかなごんでしまいました。
結局、いちばんクセのない感じの木目のにしました。
写真に撮ると、和風、民芸風ですけど、
じっさいは、もっとモダンな印象なんですよー。
今回は『三谷龍二の 木の器』という書籍の
出版記念の会ということで、
その本が置いてあったんですが、
その写真が、料理を盛って、
生活のなかで使われているようすを写していて、
ふむ、こうやって使うのか、とか、
じゃあ、家に来たら、どうなるかなあ、
という想像をかきたてて、それもよかったです。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「三谷龍二の木の器」出版記念木工展
2008年10月13日(月)-18日(土)
11:00-19:00
@桃居
東京都港区西麻布2-25-13
03-3797-4494
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
話が前後しましたが、浜野マユミさん。
こちらは広尾の、いまはなき「ギャラリー介」で知って、
ファンになった作家さんです。
日本画から、実用品をつくりたいと陶芸の世界に行った人。
古典的・伝統的なモチーフをもとに、
日本画で培った圧倒的な技術をいかしてのびのびとアレンジした、
現代っ子ぽい、気負いのない感じがとてもいいです。
新作ではないと思いますが、
「蛸」の蕎麦猪口と、
「因幡の白兎」の五寸皿を。
以前、「蝙蝠」の蕎麦猪口と、
もうちょっと小さい(三寸かな?)揃いの皿を買ったので、
仲間が増えた感じです。
蛸は何を盛ったら活きるかなあ。
やっぱりシーフード系かなー。
毎日の自炊がいっそうたのしみになりました。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
浜野マユミ作陶展
「日本の文様 染付」
2008年10月15日(水)-19日(日)
12:00 - 19:00 / 月・火休廊
@ギャラリー旬
東京都港区南麻布4-2-49 サンパレスビル1F
03-3444-7665
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥