10月18日の土曜日、
鈴木弥平さんの料理を食べに行きました。
何度も同じことを書いている気がするけど
ぼくにとって鈴木さんの料理はほんとうに特別です。
いたずらには行けません。
特別な理由をつけて、行く相手を選んで、
行く日を選んで予約して、体調万全にして、
よし行くぞ、と意気込んで行きます。
これまでも、このぼくのたいしたことない毎日のなかの
節目、節目をここで祝ってきましたが、
こないだのことがあって、
さらに、特別な店になっちゃいました。
こんなふうに思いが重なっていく料理店と巡り合うって、
なかなかあるものではないのでしょう。たぶん。
同じ席、同じ時間。
ちょうど四十九日だけどさ、28歳の誕生日おめでとうって、
そのほうが楽しいよな。と、つきあってくれたのは、
この店の大食い記録保持コンビ、胃袋の相棒Kくん。
同じジムに通ってます。
何にも言わなくてもなんでもわかってくれるやつです。
めそめそすることなく、楽しくしゃべって、
楽しく食べる日になりました。
ありがとう。
さて、料理。
今回は、前回同様「おまかせ」にしました。
「おまかせ」にすると、鈴木さんも、
よっしゃ、と、材料とメニューを考えてくれるわけで、
それからして楽しいものね。
そして、どうも不思議なんだけれど、
なんでこちらの食欲や気分や「満タンの量」が
ちゃんとわかっちゃうんだろう、鈴木さんは。
こないだの「最後に肉がふたりで5人前」で
デザート2品がひとり2人前出てきた、
あの半端じゃない量(ゴリちゃん曰く、
「一皿が定食屋みたいな量!」)のときと、
今回は、やっぱり体調がちがうわけで、
年齢も気分もちがうわけで、
「たぶんそんなに食べられないよね」という
それでも大食いのふたり、というのを、
そんなこと言ってないのに、
きっかり満足・満タンにさせるんだもの。
不思議だなあ。
今回は一皿の量が前回より抑え目で、
そのかわり皿数が食べられるようになってました。
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小さなコロッケ(アミューズ)
前菜盛り合わせ
・鯵のシャンパンビネガー〆
・スミイカとじゃがいもの温製
・蒸しアワビの肝ソース
温かい前菜
・詰め物をした白イカのトマトソース
・生のポルチーニとジロール茸のソテー
パスタ
・トマトと甘エビの冷たいカッペリーニ
・手打ちのガルガネッリのジェノベーゼ
・イワシとウイキョウのタリアテッレ
魚・アイナメとエビのニンニクソース
肉・詰め物をした兎のロースト
・子羊のロースト
デザート
・栗のロールケーキ
・柑橘のすっぱいジェラート
そして食前酒、パン、オリーブとピクルス、
コーヒー、クッキーも。
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記憶を頼りに並べてみたけど、
‥‥けっこう食べてんじゃーん!
でもたぶん、前回の、半分とは云わないけど、
5分の3くらいの量ですよ。
前回がいかに「体育会系の定食屋の量」だったかということだな。
毎回、食べるたびに思うんですが
「今回がいちばん」っていうことは、ないなー。
「どの料理が最高」ということも、ないです。
この考え方は、あるかたからの受け売りなんですが、
その場すべてが、おいしかったんだから、
どれがどう、あれはだめ、みたいに言うのって、野暮なんだろうなあと。
じっさい、だめなものなんてないですし、
そのときの気持ちとして、ぜんぶが最高においしかったです。
前回も、今回も。
おまかせで食べるたのしみは、
異国の景色に、どんな地に行っても感動があるみたいなもので、
ちょっとした好みの差はもちろんあるだろうけど、
ちゃんとあたらしい驚きや感動があります。
前回のことがあって、あの食事がぼくにとって
人生でひとつしかない「特別」になったのは確かだけれど、
それとこれとは、比較のしようがないものね。
なんでもそうなんだろうけど、
気合いの入った真剣勝負の思い出だもの。
再現することは二度とできないけれど、
あとからいつでもくっきりと思い出せる。
という前提で今回「初体験」の驚きがあったのが、
じつはジェノベーゼ。
や、食べ慣れてるといってもいいソースだし、
じぶんでもつくれるはずのこれが、
この人がつくるとこうなるんだ! という
爆発的な驚きがありました。
まいったー! これは食べさせたかったなぁ。
おいしいんだぞ〜、知らないだろ。
今回も写真は撮りませんでした。
ほんと、レストラン(それも夜の)で
一眼レフ出すのはいかん、
と、このごろ強く思うようになっちゃった。
‥‥明るいレンズのコンパクトカメラ買おうかな?