日曜日が仕事だったので
月曜日が祝日なのはありがたいです。
ちょっと風邪っぽいし腰もなんだか重い(軽く痛い)んだけど、
ぐうたらしてると終わっちゃうよなと、出かけることにしました。
気候もいいし、今日は歩く!
いくつか用事もあります。
まず、メガネの鼻あてパッドが片方とれちゃったので
これを買った青山一丁目ちかくのメガネやで修理すること。
それからこないだ買ったコーヒーがあまりにうまくて
ほとんど飲んじゃったので、豆を買い足しに、
麻布十番の麻布珈房に。
「スペシャルなコンバースが入荷しましたよ」
と聞いていたのにまだ行ってなかったコルソコモに。
牛肉と豚肉と鶏肉を買いに伊勢丹のデパ地下に。
さあこれを、点移動にしたらつまらないので、
ぜんぶ歩くことにいたしました。
自宅から大京町の裏道を慶應病院脇へぬけ、
神宮外苑の中に入ります。
日曜日なのでけっこうな人出。
こどもの自転車教室をやってて、
乗れるようになりたいこどもたちがいっぱい。
もうイヤだ、転ぶのイヤだと泣く子に
「あなたが乗れるようになりたいって言ったのよ?」
と詰め寄る母親。
「いいじゃないか、もうやめてもさぁ」
と甘い父親。
‥‥母親がんばれ、こどもがんばれ、
お父さん甘やかしすぎ。という意見にする。
犬連れも多い。「セラン」の前で、
言うことを聞かないのか、
ひっぱっても動かないジャックラッセルテリアを
いきなり足蹴にしたガキがいて、
そのあまりの暴力的なムードに周りが凍りつく。
親は? ‥‥周りのどれが親かわからない。
なんにも言わないのか‥‥
でもこういうときに「コラッ!」と、躊躇せずに言える他人、
‥‥というものに、なりたいのか、なりたくないのか、
やりたくないけどすべきなのか、いまの時代はどうなのか、
なんてぐずぐず(一瞬だけど)考えて通り過ぎてしまう。
結局、無関心なのは自分だ。
イヤなもの(自分も含めて)が目に入るなあ。
‥‥歩くのやんなってきたな。
と思ったけど、歩きましょう。
犬は、ぜんぜんへっちゃらそうだった。
慣れてるんだろうか。と思うのも悲しい。
いちょう並木を抜けて青山通りを渡ると
「リュネッタ・ジュラ」というメガネやがあって、
ぼくがいま使っている近眼用のメガネはここで買いました。
テオというベルギーのメーカーだったかな、の、チタン製の
左右非対称のちっちゃいメガネ。
修理をしてもらう間、店内をぶらぶら。
この店はかなりキテレツなフレームばかりなんで、
試しにつけてみるのは楽しいです。
いま、メガネを買おうと思ったらここは選ばない気がするけど、
これを買った当時は、ここの気分、だったのだな。
10分ほどでできあがる。
修理代はいらないとのこと。ありがとうございますー。
方向はこっちだろうと、知らない路地を進む。
墓地に出る。これ青山墓地の端っこかなあ?
わからないので迂回したらまた青山通りが見えてきた。
ありゃ。戻っちゃった。そこからさらに迂回してみたら、
青山一丁目の交差点近くに出ちゃった。
最初から大通りをゆくべきでしたね。
閉店した「麺屋武蔵青山」の前を通って、
青山斎場前を通って、国立新美術館の前を通って、
六本木通りの材木町の交差点あたりに抜ける。
地下道をくぐって六本木ヒルズに入り、
中を抜けて、TSUTAYAのところから右へ。
この先が麻布十番商店街。
目的地の麻布珈房はけっこう先なので、てくてく歩く。
この商店街はいいなあ。
地下鉄が通ってからうんとにぎやかになったけど、
通る前から好きでした。
「KY堂」っていう靴屋があったけど
あれいったいなんの略だろ。
麻布珈房。
こないだの「ヨーロピアンブレンド」より
ちょっと甘めがいいですと伝えると、
「十番ブレンド」をすすめてもらう。
それにします。
ちょっと深めに炒ってもらうあいだに、
店主のかたと立ち話。
この店を教えてくれたゴリちゃんのことを話す。
事情を話すと、とてもとても驚かれていた。
あいつ、ここの豆のこと、何度も話してましたよ。
どんなコーヒーが好きでした?
とたずねたところ、オークションものと呼ばれる、
そのときどきで評価が高いものが入荷されると、
それをすこしずつ買って飲むのが楽しみだったそうだ。
お母さんへの手土産も相談して買ってたみたい。
お母さんは「あの子、お金がないから、100グラムの、
ちーっちゃいパックを、くれたりしたのよ。母の日に!」と
おっしゃってたけど、それはちがうんですよお母さん。
このお店、炒りたてを、
1週間くらいで飲みきってもらいたくて、
少量で買うのをおすすめしてるんですよー。
いろいろと話しているうちに、うっかり、涙。
まだ出やがるか、涙。
で、ぼくもその「オークションもの」の豆を追加で買いました。
どんなだろうな、たのしみだ。
さて! 泣きべそかいてもしょうがない、
元気に歩きましょう。
いい匂いのする炒りたてのコーヒー豆を持って、
商店街を戻って、なんだか腹が減ったので更科堀井に入る。
満席。
でも、大きな相席テーブルの1席があいていた。
「大もり」を注文。
文春が出している、食のエッセイが載ってる
月刊の小冊子(なんか歴史のあるやつ)が置いてあるので、
それを読みながら待つ。
この月刊誌はいわゆる「随筆」というものが多いんだけど、
どれもしっかり書かれている‥‥んだけど、
「美食ものの随筆文体」の、パロディみたいに思えてくる。
そういう文体で書くと、
内容も、なんだか、今どきらしくなく思える。
「日本人は魚は塩で焼いて食うべきである。
あの、油だのトマトだので
くたくたに焼いた西洋風の魚なぞ、
とても食う気にはならないのである」
みたいな。
昭和か。
おれは食いたいぞ、どっちも。
そば湯もいただいて、ほどよくおなかが落ち着いたので、
ヒルズ方向へふたたび歩き出す。
ふと、かっこいいTSUTAYA六本木ヒルズ店に寄ったんだけど、
商店街、そば、旧態依然の食エッセイ、
というムードとかけ離れすぎてて、
これはこれで、なんというか、うまく気分に乗れない。
あっちがどう、こっちがどう、ってわけじゃないんですが、
「きょうは、いいやぁ」という感じになりまして。
ということで、すぐに出る。
けやき坂通りをのぼって、霞町の交差点を右折。
「豚組」のある裏道をてくてくと進むと、
根津美術館脇に出ます。そこはもう青山。
オシャレな人がいっぱいいます。
いつもと反対側の道からコルソコモへ。
それだけでちょっと新鮮。
黒い革で、ビブラム底の、ハイカットのオールスター、
なかなかかっこよかったですよ。
甲高幅広のぼくには、細すぎですが。
そのまま表参道に出る。
地下鉄乗っちゃおうかな、と、階段を下りかけて、
やっぱり歩こう、と思い直す。
明治通りまですすみ、ラフォーレ前を右折。
すごい人。若い人。観光の人。
でもその人波は、竹下通りと明治通りの角から先、
まったくいなくなる。急に人が消えるので不思議。
夜の高速道路でベルギーからオランダに入ったときのように
(わかりにくいですね。でもそういう感じ)
ものすごく静かになる。
ぼくはこっちのほうが好きですけど。
そのまま明治通りを進む。
マンジャ・ペッシェを過ぎて、
代々木近くに入ると、ぜんぜんおもしろくない。
悪い空気のなかをただ歩いているだけ、という状態に。
新しい地下鉄で1駅だけ乗っちゃえばよかったなぁ。
ま、いっか。
新宿タカシマヤに着く。
トイレで手を洗って、7階にあるジューススタンドに。
FUSHIっていう、イギリスの、なんだろう、薬草系? の、
ジューススタンドがあるんです。
でもべつに薬を煎じて飲ませるわけじゃなくて、
フルーツ・野菜のジュースに、エッセンスを入れるもの。
バナナベースで「モチベーター」というエッセンス入りの
ジュースを飲みました。おいしかった。
そのあとコム デ ギャルソンでおしゃべりして、
買わないけど試着させてもらって
(薄手の縮絨ウールの丸襟ジャンパーよかったなぁ)、
伊勢丹の地下へ移動。
べつにタカシマヤでもいいんだけど、
牛肉の売り場のおじさん、
豚肉の売り場のおねえさん、
鶏肉の売り場のおねえさん、と話して買いたいんです。
毎週まったく変わらないものを買うんです。
牛は切り落とし、豚は肩ロース、
鶏は脂をとったモモと皮をとったムネ。
たぶんぼくにとって、ここが、地元商店街なんだよなあ。
あと、豆腐だとか調味料をちょこちょこと買い足す。
今週は出張があって自炊回数が少ないので
いつもは買う「ちくわ」と「しらすぼし」はパス。
登り階段で腰がちょっと痛む。
さすがに疲れたかな。
ということでここから自宅までは、ワンメーター。
ここまで来てタクシー!
というのも、ちょっとぜいたくでいいです。
ああよく歩いた。
風呂わかそう、風呂!
そのあとコーヒー飲もうっと。