●月曜日のあさめし。
えんどうまめのごはん、
かじきまぐろと木綿豆腐の照り煮、
野菜の炊き合わせ、納豆であさごはん。
●火曜、「グ」の引っ越し。
ここ、98年から細々と続けている「グ」といいますが、
もともと「グッドマン」というハンドルだったので「グ」。
愚とか具とかもかけてる。GOODSとか。
それなりに長く更新してると、
ちょっとは読んでくれてる人もいるみたいで
たまーに知らない人からメールをいただきます。
この日も2通、いただいた。
ありがたいことです。
しかしこのHP、
契約していたkcomがDIONに合併吸収とやらで
なくなっちゃったもんだから、引っ越すことに。
そのさい、あまり意味がなくなった
アクセスカウンターを廃止。
それから、BBSも、mixiあるんだからいらない。
ということにしました。
これだけどうでもいいことを書きまくってると
自分のすべてをさらけ出しているような錯覚を起こしますけど、
んなこたぁ、あるわけないんだ。
どこまで書いたって、
事実をすべて並べたって、100%これがおれだ、
ということには、ならないんだものな。
文字を通した私、これは虚像です!
人生のほんの100分の5くらいのものです。
そのほかはとんでもなく間抜けでくだらない日常なのです。
●火曜夕方、突然の発熱!
夕方、突如、熱が!
顔があついのは、暖房が強すぎるからかなー、
と思ってたけど、どうもこれは発熱ぽい。
「顔が赤いですよ」と言われ、
そういえばふらふらしてきた。
もうこれは効率悪いからやめよう。
タクシーで帰宅し、すぐ横になるも、
ふとんのなかで体がまったくあたたまらない。
手も足も冷え切ったまま。
そのまま数時間、震えながら横になる。
やばいなあ。風邪かインフルエンザか?!
(予防接種したのに!)
あさってだいじなごはん会なのに!
にしては、ほかの症状はまったくないし、
寝てりゃいいだろうとじっとしてたら
いつの間にか眠ってしまった。
どうしても風邪と思えなかったので
風邪薬はのまずに、ビタミン剤とお茶をいっぱいのんでからね。
風邪だったらここで汗をどっさりかいて熱が下がるんだけど、
汗もかかずに寝て起きて、熱を計ったら39度ありやがんの。
39度! びっくり! 症状的にはインフルエンザ?
でもなぜか「そうではない」という確信。
途中2度ほど起きて水分補給、
朝にはようやく微熱になりました。
このところ、はりきってたんで、
体がびっくりしたせいで発熱したかな。
あさめしは空豆とスナップえんどうとアンチョビのパスタと、
オムレツ。
腹が鳴る音は幸福の鐘の音。もう大丈夫。
●水曜、歯医者。
定期歯科検診。4〜5か月に1度行ってます。
うちの事務所に「歯科イメルダ」という異名をとる
歯には金かけてまっせ! という女性がいて、
彼女に紹介してもらった日比谷の
スウェーデン・デンタル・センターという、
北欧の最新技術をとりいれたクリニックで
2003年〜04年にかけて、親知らず3本を抜き、
(やっかいな1本は、大学病院で抜きましたが)
さらに歯周病の予防治療として、
すべての歯周ポケットを徹底的に掃除するという
かなり大げさな治療プロジェクトを組んだおかげで
たいへん丈夫な歯になりました。
あとはこうしてたまに歯石チェックと
クリーニングをしてもらうようにしているのです。
徹底的にやってよかったのは、
歯についてふだんから気をつけるようになったこと。
よく磨くし、歯間ブラシも常用するようになったし。
で、いままで使ってたソニッケアーのアドバンスという
電動歯ブラシがどうも使いにくい、と相談したら、
歯科医師用の新製品のトライアルが残ってるから
お分けしましょうか、と。
ソニッケアーのエリート7500っていうんだけど、
前のに比べてすごく細くて磨きやすくなってて。
でもまず安くなってない(2万円ちかい)から、
トライアルってことは安いんですか?!
はい、1万円です、というんで、買ってしまった。
結果、たいへん磨きやすいです。
●おかえりー。
水曜夜、ワークアウトに行ったらゴリちゃんがいた。
ってなんのことかわからないでしょうが、
鈴木さん(兄)はわかると思うが、
ジムの担当トレーナーだったゴリが大阪異動になり8か月、
突然戻ってきていたのだった。
なーんか、向こうでヘマをやらかしたのか?!
アパートまで借りたのにねえ。
なんの理由か知らないが、
突然の、しかも暫定的な辞令であることは間違いないだろう。
アパートはひとまずそのままに、
最低1か月はこっち(東京)にいると言ってたから。
そっか、また大阪に行っちゃうんだな。
でもまあ、われわれゴリ・ファンは、短い間とて、
また一緒にトレーニングしてくれることがうれしい。
彼は特定の(深い意味はない)人々に
強く訴えかける個性的な男なのでファンも多いのである。
いつも動物的でにこにこしていて屈託がなく、
誰からもかわいがられる男である。
もちろん「苦手」という人もいるだろうが(相性ってある)、
なかなかほかにいないタイプのトレーナーで、
馬が合うので、ぼくは大好きだ。
そんなゴリが突然の辞令で大阪に移動になり8ヶ月。
何度か、大阪から戻ってくると言われ、
ぬか喜びに終わった経験もずいぶんある。
だから今回「ゴリが戻ってきますよ!」
と言っても、
「ウソだ! 信じない」
というおじさんもいるらしい。
もうガッカリしたくないんだね。それはぼくも同じで、
「ま、いなくなっちゃうんでしょ」
なんてうそぶいたりしている。ほんとはずっといればいいのにと思う。
しかしきょうは「あ、戻ってきたんだ」とわざと冷たく言うほどの余裕はなく、
そりゃあうれしいですもん。目の前に現れて大声で喜んじゃいました。
そういう人がおおぜいいました。 ほかのトレーナーもうれしそう。
ま、ぼくはきみがいないあいだに、
すっかりダイエットを成功させ、
ほらごらんのとおり、腹はぺちゃんこだぜ。
「ぼくがいないほうがうまくいってますね‥‥」
ふん、その通りさ! と軽口。昔みたいだ。楽しい。
「なーんか、そんなに痩せちゃうと、
たけいさんじゃないみたいで、つまんないっすねー」
へへへ、ざまあみろ。
‥‥いつまでいられるかわからないから
こんな会話でも楽しいなあ。
短い間かもしれないけど、たのしくやろう。
ワークアウトしながら、やつの、大阪での恋の話をきいた。
かなりせつない話だった。
ま、そういう青春もある。
でもちょっとうらやましい、おじさんとしては。
リングに力が宿りますように。(←私信)
(というようなことをミクシイに書いたら
「わたしもゴリさんに会えてうれしかった!」
という、三田店に通ってる数人から書き込みをいただきました。
よかったねーゴリちゃん。)
●3月3日は双子でひなまつり。
木曜日夜、ピアット・スズキ。
旨いうえに、喋るの楽しくて写真撮るの忘れた。
(撮ったけど3枚だけで、
ぼくの料理写真のいつもの念“食欲”写が
まったく発揮できていないです、すみません)
なにしろ1ヶ月前から楽しみにしていたんですから。
ほんとーに楽しみにしていたんですから!
行ったら終わっちゃうから行きたくない!
次があるかどうかわかんないし!
と、出かける前にあやちゃん(ほぼ日の)に
駄々をこねたくらいなんですから!
わけがわからない。
結局5時間もいたんだな、
長居もほどほどにしろって感じだよな、
ぜんぜん喋り足りないんだけど、
おなかはいっぱいになったさー。
ぐてんぐてんになったさー。
この店、ぼくは大切に思うあまり、
心から大切に思う人としか
絶対に行かないともう決めたので、
ともだちの少ない武井としては、
じつはまだ3回しか行けてないんだけど、
ちゃんとスタッフが覚えていてくれてうれしい。
オーナーシェフのスズキさんも覚えていてくれた。
(Tボーンで泣いた男、として)
でも「かけい」じゃないですよ。
「たけい」です。
というわけで、すんません長いです今日は。
われわれの席はカウンター。
じつはカウンターに座るのは初めて。
キッチンが丸見えで最高の景色。
客同士の緊張感のあるテーブル席にくらべて
料理人のきびきびした緊張感の前は気持ちがいい。
緊張といっても、ぼくら、遠慮という言葉を知らず、
ばかみたいにきゃあきゃあ騒いでたんですけど、
それも許してくれる感じのいい席。
しかし、キッチンからは、
不思議な景色だったろう。
同じ背丈で同じ体重で同じ年齢で
同じような雰囲気の顏が
ふたつ並んでるわけだから。
いや、ほんとうはまったく別の顏だし、
細かく言うと1センチ、1キロの誤差があるし、
生まれた場所も誕生日も違うし、
(魚座と乙女座で見事なOPPOSITEだが)
もちろんまったく別の人生である。
根本的に決定的に違うはず。
なのに、なにもかもを乗り越えて、似ている。
はじめて会ったその日に
「ぼくらは似ている」とお互い思い、
「似ていますよね?」と確認した。
「別の人生を生きている、もうひとりの自分じゃないか?」
とでも言えばいいんだろうか。
メールの文章は、まったく「自分からの手紙」
としか思えない(内容も文体も語彙も)。
むこうも「たけいさんからのメールは
まったく自分からのメールみたいなんで、
返事をわざと変えたりしている」という。
そんなことしなくていいのに(笑)、
そしてそういうことをしてしまうところも、
まったくもって似ている。
いったい何をどうすればここまで同じになるんだ?
いったい、ぼくらは、なんなんだ?!?!
かんたんに言えば
「仕事を通じてのともだち」なんだけど、
ともだちには違いないが、
それだけじゃないなにかがある気がする。
この間柄を、どうしても言い表す言葉が
ないぞと思っていたところ
(といっても、会ったその日に考えたんですが)
「双子のおやじ」(byしりあがり寿さん)
というコンセプトを、やつが発見。いいもの発見!
あそうか双子ね。そうだそうだ。おれたち双子!
なにをするんだかわかんないけど、
コンビを組もう! 組もう組もう。デビューだ!
で、なにするんだ? なにもしないんだよねー。
そしてぼくらがめしを食うのは今日が初めて。
愛すべき記念日、
そういう日のためにピアット・スズキがある。
メニューメニュー。
好きなものは当然似ているはずなので(断言)、
選ぶのは簡単なれど、難しい。
それはぼくが迷う人だから。
ということは双子そろって、迷いっぱなし。
料理の知識もワインの知識も、
好きなわりに、ないことが発覚。
覚えらんないんだよねー。
でもなんとか決まる。
・アミューズ:青トマト焼き/ピクルス/オリーブ
・前菜1:生ハム
・前菜2:サクラマスのフレッシュハーブサラダ
・前菜3:サザエのガーリックバター ミネストローネ風
・プリモピアット1:生雲丹のカッペリーニ
・プリモピアット2:手長エビのリゾット
・セコンドピアット1:仔牛のグリル ガーリックソース
・セコンドピアット2:アグー豚のグリル
・ミルフィーユ
あとお酒が、スプマンテで始めて、
デカンタで白を2つ(ということはボトル1本分)、
赤をボトルで1本。けっこう飲んだなー。
あれれ? いま思ったけど、
えーっと、払った金額があれだから、
や、安すぎませんか?!
計算間違いなくらい安いんですけど?
鈴木さんありがとう。
ていうかアグー豚頼んでないけど?
「5時に急に入荷したんですよ。食べてってください」
もちろんもちろん。
酔っぱらって記憶が薄いんだけど
「時間かかるんでとりあえずこれ食べててください」
というような皿も、あったような? ほんと忘れた。
あ思い出した、
・焼きソラマメと、焼きチーズ
が出てきたっけ。
細かく言っても「ぜんぶうまい」
という言葉に帰結するのでせんないんですけど、
えーっと。
生ハムはそれ自体がとんでもなくうまかったんだけど
(双子、生ハムマニアゆえ、メニューにあった
「生ハムとサラミ」のサラミはいらないと注文。
いちゃもんではありません)、
いちじくと、チーズがくるんである。
チーズ、これ何?! モッツァレラの皮に
生クリーム状の中身がつまった謎のチーズ
(名前忘れた)。すごかったなあ。
サクラマスは、アモン(宮本亜門に似ているので
勝手にそう呼んでいるサービススタッフ。最高)が
迷うわれわれにこっそりすすめてくれたんだけど
「ひゃっ!」と声が同時に出た味。
思わず厨房のスズキさんを見たら
「どうだ」という顔でにやりとしておられた。
はい、まいりました。
サザエは、前回の「みる貝のガーリックバター」の
ものすごい助平な味にはかなわないけど、
さらりとしたプラトニックな味。んめ。
生雲丹のカッペリーニはオトナの苦味。ひひひ。
テナガエビのリゾットは、これはびっくり、
なにこの酸味と甘みは? と聞いたら、
スプマンテと、アスティ・スプマンテで炊いたんだって!
きゃあ、きゃあ、きゃあ!
すばらしいー。ていうかすげー。すごくね?
ぜんぶ同じ意味ー。
われわれ、いちおう、ことばのプロのはずなのに、
うまさを表すボキャブラリーなさすぎー。
仔牛は、前回ぼくが泣き出したTボーングリルには
残念ながらおよばず! と思った。
(泣かせてやりたかったなあ)
でも部位がふたつあり、ひとつはダイエッターの味方、
ヒレ部分。もうひとつは、どこだろう、
皮っぽい脂っぽい部分。これはかなりうまかった。
と思ったら、次のアグー豚がもっとうまかった。
脂の部分が、かっりかりに焼いてあって、
「これって、まかない? ごはんちょうだい」
というような感じなんだけど、
そういうものを出してくれたことが
また、うれしくて。
ミルフィーユ。双子は昼がフルコースだったのでパス。
ぼくは昼抜きだったので、食べる。
ここのミルフィーユは、
最初からぐずぐずに崩してあるので
とっても食べやすい。緊張しない。すばらしい。
そしてミルクティ2杯。
あまりにぐずぐずいるので2杯目を出してくれたんだけど。
さすがにもう帰れってことだよな。
ああおしまい。もうおしまい。
ほんとにおしまい? はいおしまい。
うえーん、書いてても悲しい。馬鹿だなあ。
えっ、双子、これから会社戻って仕事?!
おれよりタフじゃん!
ていうか10時から、
よく26時くらいまで会社にいることがあるというのは
ぼくと同じなんだけど、
途中に営業めし(飲み)、が、夜、連日入り、
終わってから必ず会社に戻るというのは
そうとうタフだ。ぼくより、忙しい。
プライベートはまったくないみたい。
自分がいかに自由にやらせてもらってるか、
よぉくわかった。ありがとうございます社長。
(↑担当している「カワイイもの好きな人々」の山下さんと
「福田のフォト絵」の福田さんは、双子のおやじに対抗し、
「小心者ブラザーズ」を結成。
間宮兄弟の上を行くか?!)
●合羽橋で、溜池山王で。
合羽橋に仕事で。探し物。
雪の中、たっぷり歩いて、
途中洋食やでミックスグリル。
ポークカツ、ポークソテー、ウインナ、
‥‥1日の基礎代謝量をオーバーしてるんじゃないの?
というくらいのカロリー。
迷彩服を着てたのでこういうメシが似合いました。
でもきょうはこの一食でやめにします。
上あご、やけど。
探し物は、歩いた甲斐があり、
専門店を発見、いいもの見つけた。
収穫アリ。よかった。
さらに仕事と関係なく、STAUBのやかん発見!
カワイイ。ほしい。ほすいー。
ダメです甘えた声を出しても誰も聞いてません!
だいたい迷彩服にヒゲのおじさんが
そういうことを言っても誰も買ってくれません!
結局、2万円以上するんで決心つかず。
いつか! ふんがーっ(鼻息)!!
帰り、溜池山王の駅の
銀座線と南北線の乗り換え階段まぎわで
「たけいさーん?」と女子に声をかけられる。
誰かと思ったらおおたうにちゃんじゃないか!
すれちがいざまだったのを人の流れにさからって
かけよって手をよわくにぎる。
すこしつめたくて、ほそい。
彼女、ひとの顔をまじまじと見て、
「痩せたねー。ムカツク!!」
愛ある罵声。
ひひひ、そうだよ、ざまあみろ。
「あたし? これからエステ!!
仕事ぉ? 修羅場ぁ〜? 終わってねーよ!!」
タンカを切って、
たくましくエスカレータに向かって行った。
がんばれがんばれ。きれいになれよー。
そう思いつつおじさんは
サンプル容器をがさがさと抱えながら白金高輪へ戻った。
雪はやんでただのつまらない冷たい風が吹いてた。
うにちゃんに伝えたいことがあったのを、あとから思い出した。
●スピードトレーニング
ワークアウトでウェイトトレーニングをするときは
腰に専用のベルトをつけ、手にグローブをはめて、
予約時間にトレーナーを待つ。
ああきょうもゴリちゃんだ。よろしくなー。
「あれ? たけいさん、なんでウェイトの格好を?」
こいつがこうして
わざととぼけたことを言うときは要注意である。
「きょうは、スピードですよ? さあ1階へ」
スピードトレーニング!
き、聞いてない! ていうか、あと数回したら
またスピードをやりましょうとは言われたけれど、
今日なのかよ!! 抜き打ち!
ふだんうちのジムは、ダンベルやバーベルなんかを、
限界まで無酸素運動の状態で挙げさせる
ウェイトトレーニングがほとんどなんだけど、
もちろんトレッドミル(ランニングマシン)
なんかもあるから、有酸素運動もできる。
でもスピードトレーニングというのは
そんじょそこらの有酸素運動ではない。
別のフロアの専用ルームに連れて行かれて、
曙が全力で走っても壊れない、
崖みたいな(というのは大げさ)角度のつく
巨大トレッドミルを中心に、
さまざまな特殊機器を使い、
「つくった筋肉を、すぐに動かす」ための
トレーニングをすることをさす。
動体視力を高めるトレーニングボードもある。
ほんとにこんなの日本にここしかない、
というものがずらりとある。
今度入るマシンはホッケー用の
「しゅわーっ」と滑ることができる機械らしい。
そう、これは運動選手向けのプログラム。
‥‥それをなぜぼくがやるかというと、
‥‥よくわからない。でもなにしろ
「やったことないこと好き」なもので、
これが一般の顧客に公開されることになったとき
まっさきにやらせてほしいとお願いしたのだった。
運動選手にまじってやったなー。
最初は、吐いたっけなー。
なさけねー。でも、だんだんできるようになると、
選手から拍手してもらったっけ。
んで、どういうことをするかというと、
簡単にいえば「ダッシュ」なんだが、
1回10秒(それだけ!)という短い時間に、
両手の振り、腹筋の入れ方、アゴの引きかた、
腿の挙げかた、足の前への出しかた、前傾角度、
蹴る足の角度、足が地面についてるときの粘り、
そんなものをすべて完ぺきにやらないと、
放り出されるくらいのスピードと、角度でもって走る。
ぜんぶ細かくチェックされ、檄が飛ぶ。
危険なものだから、トレーナーにも技量が要るのだ。
そう、なぜしばらくやってなかったかというと、
ゴリが不在中のぼくの担当くんたちには
まだその資格がなかったからだ。
ちなみにこれ、たったの10秒で、心拍数が
185くらいまで上がっちゃうほどきつい。
心拍を測る機械を胸につけてやるんですな。
さて記録を見たら、前回が
「2004年3月4日」とある。
ちょうど1年前じゃないかよ!
‥‥おいゴリ! これ、狙っただろう?!
この記念日好きが。ネタをどうもな!!
「いや、まじ偶然すよ!!」
と猛烈に抗議するから、どうもほんとっぽい。
じゃ、う、運命のいたずら?!
しかしここからが話がつまらなくなるのだが、
武井、けっこう、できちゃいました。
1年ぶりなのに体が覚えてたみたいだ。
ここのところのダイエットで
体が軽くなって、動きに機敏さが出たのか?
「これだけ、これができたら、
なにかスポーツをしないともったいないです!」
うん、その通りなんだけどさ、苦手なんだよ、
チームスポーツが‥‥協調性ないから。
いまさらテニスとか覚えるのも、なんだかなーだし。
ファッション的にどうかと思うし。
「でもこの運動能力、
無駄になるのがもったいないですよ‥‥」
運動能力! なんて言葉で褒められるなどということが
これまでの人生にあっただろうか!
なかった! それだけでじゅうぶんだ。
そして、無駄ではないよ、
本読んだまま駅で乗り換えるとき、
ほかの人にぶつからずに歩いて
ページをめくれたりとかするもん。
そういうのこのおかげじゃない?
あ、ちがうか。
それにしてもぼくのスピードトレーニング中の顏はどうか。
そのまま「さんまのからくりテレビ」に投稿したら
30万円もらえるんじゃないか。選手でもないのに選手きどり!
(そういうふうに思い込まないとできない。)
「あほやこいつ、あほや」とさんまさんに言われそうな
「なにこいつ気持ち悪い」とYOUさんに叩かれそうな
「魚屋さんにいますよね」と西村知美に言われそうな顏だよなあ。
●土曜、四川。
「スキーに行くんで友達と待ち合わせしてるんだけど
それが夜の10時すぎになっちゃったんだよね、
しかも、うちのが、実家に戻ってて、いないんだよね。
めしでもどう?」
というお誘いにほいほい乗って
(めずらしいなあ、こういう急なのは)
土曜の語学終わりで白金の都ホテル、四川。
陳麻婆豆腐を食べよう。
ここのカフェで恋人と別れたことがあるから
ちょっと苦いかんじだな、
と言いながらも余裕たっぷりなのは、
こいつが例の19歳年下の恋人が
できたばかりの男だからである。
始めたばかりの二人暮らしのよころびと憂うつを
せつなそうに話す中年男。‥‥かなり楽しい。
ぼくはほんとうにこういうを聞くのが好きだなあ。
あけっぴろげな話を聞いていると、
自分のことがよくわかってくる気がするしね。
気がするだけなのかもしれないが。
しかし、なんだ、
この雰囲気のいい都ホテルのダイニングで
庭の木々がうつくしく
ライトアップされているのを眺めながら、
うまいうまいと、がつがつ、食っていていいのかね。
牛すじとソラマメの煮物や黒豚の四川風や
インゲンと干しエビの炒めをがっついてていいのかね。
土曜の夜なんかに。お互い相手まちがってない?
「もっとロマンチックに過ごせる相手」
と来るべき場所じゃない?
ほら見ろ、あっちもこっちもカップルが。
いや、だって、無理だもん‥‥
そうだよな、たしか、辛いものきらいだったよな君の恋人。
それにおふくろさんの具合が悪いとかで実家帰っちゃってるし。
おまえこそどうなんだよ。
いいんだよおれはどうでもいいのそういうことは!
ま、おれもべつにいいんだけどさ。
それはそうと隣のテーブルの食ってるのなんだ?
ありゃ? 汁なし麺だな、あんなのメニューになかったぞ!
すいませーん、あれ何ですかー。
えっ、やっぱり特別メニュー?
汁なしタンタンメン? うまそう、でももうおなかいっぱい。
次来たら作ってもらっていい? わぁいありがとう。
ひゃあ、陳麻婆豆腐たべたら頭のてっぺんから汗が!
だらだらたれてきちゃったよ!
おしぼりもういっこくださーい。
あ、さいごに杏仁豆腐とパイナップルシャーベットください。
‥‥というふうに会話がすすむのはよくない。
だんだん、躁病の中年男の食卓になってきたじゃないか。
ぼくが最近ふつうに酒を飲む、
こないだも2人でワインを2本あけて、
という話をしたら、ものすごく驚いた顔をされた。
「おまえ、酒を楽しむ男だっけ?」と。
「おまえとはそういう楽しみはないと思ってたけど?」と。
そうか。ぼくらが知り合った10年前は
ぼくはそういう人間ではなかった。
酒乱の気があった父親へのアンチな気分をひきずったままで
自分が酔って醜態を見せる可能性があることに
たいへんおびえていたし、
楽しく飲むってどういうことなのかわからなかった。
「意味が解らない」なんて生意気なことを言ってた。
わかろうと、していなかったんだよなあ。
いまでもタチの悪い酔っ払いは大嫌いだけど、
自分がそうなる可能性はとても低いことが解ったし、
でもちょっとくらい、いいじゃないかと思うようになった。
前向きに生きたいと思うようになったことで
前向きに飲めるようになったんだよな。
たぶん、そういうことです。なので今は酒は大好きです。
今度は飲みに行きましょう。
●日曜は活動おそめ。
夕方からうろうろ。
青山方面は本日鬼門とし、新宿まで歩いて、
紀伊國屋書店、タワレコ、伊勢丹(地下のみ)。
結局オトナ買い。なんかAmazonでもいいんだけど、
リアル店舗でリアル買いのよろこびって
やっぱ‥‥いいねえいいねえ。
『奥田民生ひとり股旅スペシャル@広島市民球場』
『アストル・ピアソラのポートレイト』以上DVD、
『マーガレットとご主人の底抜け珍道中
望郷篇/旅情篇』(坂田靖子)
『サイゴーさんの幸せ』(ふくやまけいこ)
『失踪日記』(吾妻ひでお)以上マンガ、
『ユージニア』(恩田陸)
『Q&A』(恩田陸)
『重力ピエロ』(伊坂幸太郎)
『赤い長靴』(江國香織)以上単行本、
「GQ」(USA版)「PEN」
「STUDIO VOICE」以上雑誌。
えへへへへ、うれしい。
どれから行くかな。まずは民生かなー。
(本は、先週買ったのがまだたっぷる残ってるし)
迷ってとうとう買えなかったのが
「みごろ ! たべごろ ! 笑いごろ !! たべごろ ! BOX」。
だってキャンディーズ出てるんだよ?!
ほしーっ。どうしようどうしよう。
結局マンガから読む。
古いけど『サイゴーさんの幸せ』は、ほろり。
性善説のものがたりは、やっぱ、安心だわ。
『失踪日記』は‥‥ぼくはアズマニアではないけど、
これ、これ、これって、必読すよ。
ほんとーにすごい!!!
悪を描いている(んだと思う)のに、この淡々とした枯れ味。
世の中きちがいだらけ。
ううむ、なのにこの世はまんざらでもない。
奇妙な読後感ゆえ、
感想を文字にするのはちょっとあとになりそう。
そしてそのあと、民生くん。
見終わったー。いやー、うわー、こりゃー。
ぼくは「ものすごい」ファンではないんですが
やっぱ、いいわ。好きだー。
そして、濃厚に、同い年の音楽というかんじがする。
「イージュー・ライダー」から「さすらい」そして
「素晴らしい日々」、「CUSTOM」と続くラストは
涙なくして見れようか。そして夜中なのに一緒に歌う。
しかし途中に「最初から今まで」(冬ソナ)を入れちゃうのが
こりゃまた民生だな。困ったもんだ(笑)。
とかなんとか言ってるうちに、ありゃ、また3時すぎ。
寝よ。