●できた。(月曜日)
見本がとどきました!
見本がとどきました!
見本がとどきました!
じーん。
じーん。
じーん。
いい本ができました‥‥。
ほんとうに、いい本になりました。
「だいじなもの」がちゃんと込められた本になっていました。
「生きていくうえで必要はないのかもしれないけれど、
と、人は言うかもしれないけれど、やっぱり必要なんです。
これがなくちゃ、生きていけない」
と、言いたくなるような種類の「だいじなもの」でした。
山下哲さん、とにかくおめでとう!
●御馳走とお喋り。(火曜日)
昼間、鈴木さん(兄)んとこで、
新しいCDのジャケットMTGに出る。
イラストレータFさんを紹介して
プレゼンしてもらったのです。
結果は上々。
キュートで、悪びれた、
カワイイものになりそうです。
よかった!
ていうか、昼間のここんちに
お邪魔するというのがぼくには新鮮。
だって夜中にだらだらと
飲み食いしてる場所として
認識してるもんだから。
すみません。
慌てて戻ってどたばたと仕事をして、
ちょいと遅れて会社を出て。
平日の夜になかなかつきあってくれる
ともだちはいないんだけど、
ラッキーなことにひとりいた。
こいつは、19歳年下の恋人ができて、
(まったくもう‥‥)
それもやつの誕生日が来た瞬間に出会い、
(運命らしいよ‥‥)
わずか4ヶ月、
もう同棲しちゃってるという
(はやっ!)
ラッキー中年野郎なんだけど、
(写真を見せてもらった。
むちゃくちゃカワイイんでびっくり!)
悲しいのは「何食べよう?」と誘うと
「マクドナルド!」と
元気よく言われちゃうということらしく、
(ま、しょうがないんじゃない?
親子くらい離れてるんだから)
つまりは
「マンジャ・ペッシェにコジマのシェフが!」
なんてイベントには、
まーったく興味がないそうで。
(そりゃそうだろう)
しかも酒がNGなんだって。
(ありゃ、きみは飲兵衛なのに)
さらに、ダイエット中なんだって。
(これは理解しました)
なるほど、それはちょっとかわいそうだ。
中年からそういう楽しみを奪ったら
何が残るというのだ!
たまにはうまいもん食べて、
酔っぱらいたい、
まあ久しくひざ詰めで話してないしね、
という利害が一致し、御一緒しました。
満席の店内、左右にもびっしり人がいるけど
なにしろイベント、お祭り騒ぎなので、
騒がしくて楽しいから、
ぼくらの話になんて誰も耳を傾けない、
のをいいことに、遠慮なく、話を聞き出す。
話す話す話す話す。
いろいろたいへんなんだ、
これこれこうだからね、
と言うけど、ぜんぶノロケ!
これがほんとの御馳走様
(勘定は割り勘)。
でも単なるノロケではないのは
未来は見えにくいと感じているかららしい。
ふうむ。
もっとも、未来が見えすぎたらつまらないし
未来が見えなさすぎても切ないしね。
だから恋愛は面白いのかもしれないけど
うまい落とし所ってないもんだなあ、
そうそう、近ごろぼくはですね‥‥
なんて、とても書けない話をしたり
いろんなことを思ったりしながら、
‥‥がつがつ食う。食う食う食う。
メニューですが。
(●=料理、◆=酒)
◆スプマンテ
●小さなバーニャカウダ
◆イル・ピアーノ ビアンコ・トスカーノ
●本マグロのタルタル
青海苔入りコンソメゼリー
◆コッリ・オリエンターリ・デル・
フリウリ リボッラ・ジアッラ
●小ヤリイカ 花わさびの
自家製スパゲッティ
◆サンクト・ヴァレンティン
アルト・アディジェ・シャルドネ
●真鱈とその白子の蒸し物
赤ピーマンのピエモンテ風ソース
◆バローロ・セッラルンガ・ダルバ
●仏産鴨とフォアグラの
パイ包み焼き 山菜添え
◆モルシ・ディ・ルーチェ
●チーズ盛り合わせ
●アバンデセール
●びっくりパンナコッタ
沖縄産たんかんのエキゾチック風 と
チョコレートスフォルマート
苺とヨーグルトのジェラートを添えて
はい、これ全部食べました!
うへへへへへ。
コジマさんの料理は、すべて、
「最後に鼻に抜ける香りと、
舌の奥に残る旨み」が特徴で、
ひとくちめよりも、最後のひとくちのほうが
ずっとおいしいという不思議な味。
だから後を引く。もっと食べたくなる。
そんな料理がこれでもか! と出るんすから、
まいっちゃいましたよ。
それが、うちの食堂(と勝手に呼んでいる)
あの快適なマンジャペッシェで
供されるんだから、申しぶんないです。
店内は両店のスタッフがいっぱいで
ほんと、お祭り状態。
楽しいったらないぞ。
しかも、数回行っただけのコジマのスタッフは
ぼくのことを覚えていてくれた!
こういうのも、すごくうれしいです。
ワインもグラスでばんばん出てきて、
それぞれ考え抜いたものなんだけど、
なかには失敗もあったりして
(料理にワインが負けたりね)、
でも、そういう発見も楽しくて、
ソムリエとそれについて話したりするのも
とても愉快でした。
ちなみにいちばんうまかったのは
「小ヤリイカ 花わさびの
自家製スパゲッティ」です。
これだけが、唯一、ワインを負かせた味でした。
これ食べた後のワインがまずくなっちゃった。
(食べる前はものすごくうまかったワインなのに)
二番手は
「本マグロのタルタル
青海苔入りコンソメゼリー 」
だなー。
ま、とにかく、旨さも嬉しいけど、
何でも話せて、食べて飲んで騒げる、
旧い友人は貴重だということです。
新しい恋人もとっても素敵だけれど
(ぼくもそうなっちゃったりしたら
それに夢中だろうと容易に想像できる)
たまにはまためしを食いましょう。
さんきゅう。
気分は大貫妙子「ともだち」。
と、少女なことを書いてみたりしてね。
●外苑(水曜日)
東京の地名(正確には地名じゃないけど)で
一番好きなのが「外苑」で、
今住んでるところは「外苑前」駅から
歩いて帰れなくもない距離なので、
ときどきそうしてます。
ちなみにわが家の最寄り駅は国立競技場、
あるいは四谷三丁目。後者はどうしても
好きになれない土地なんだよなあ‥‥
というわけで、
きょうはあったかいし、
終電を外苑前駅で下車。夜中の散歩気分で
スタジアム通り(へんな名前だなあ)を
秩父宮ラグビー場方向へ、
神宮球場を通り過ぎ、
日本青年館を左折、明治公園を右折、
あとは外苑西通りをまっすぐ。
てくてく歩くと約25分。
さらに気持ちが入るときは
魚籃坂下から麻布十番、ヒルズ、
霞町を経由して青山三丁目に出て
1時間半かけて歩いて帰ることもあります。
今日そうすればよかったかなあ。
でも読みたい本があるので、
そっちに時間を使おうっと。
●ヒゲのおいらん。(木曜日)
ヒゲのOL薮内笹子を愛するぼくが
ヒゲのおいらんを愛さないわけがないだろう。
もうAmazonでワンクリック予約しちゃったもんね。
4/1がたのしみたのしみ!
さて、なんの話かというと
「真夜中の弥次さん喜多さん」です。
試写、見てきました。
公開前なので細かいこと言っちゃいけないんだよね。
でも褒め言葉ならいいでしょ、
全体をみなぎる宮藤官九郎の
「ノリノリ」な感じ最高。
説明不能問答不要のしり先生のこの世界が
映像で見られることが最高。
そして「ヒゲのおいらん」すーばらしい!
(あ、もちろん「おちん」もすばらしい)
そして「この映画に出たかった!」
と強く思ってしまったことを告白しましょう。
だってこのチームぜったい面白いもん。
天久さん出てたんだなあ、見つけられなかった。
クレジットにあったんだけど。
ちょっと冷静になって考えたんだけど
「無意味」「無思想」のすごさというか、
ワハハが一見無意味だと思わせつつ、
「意味」をぜったいにつけちゃう、
イデオロギーを感じさせちゃうでしょう。
松尾スズキさんですら、ほんのりつけちゃう、
古田新太だって、つけちゃう、その意味を、
宮藤官九郎は、つけない。意に介さない。
そのまま「おもしろいじゃん」でつっぱしる。
それが快感でした。
それは演じている阿部サダヲや皆川猿時、
荒川良々なんかにも通じるところで、
大人計画のすごさはそういう人を何人も
育てちゃったところにあるんだなあ。
このチーム、快感だっただろうなあ。
事務所のゆーないとさんと
「出たかったよね!」
「そうっすよね!」と意見一致。
そういう映画でした。
あー、なんか、元気になった。
(と同時に、せつなくも、なった。あれれ?)
●てくてく。(金曜日)
ブライアン・ウイルソンのスマイルTシャツが届く。
公演のとき会場では売切れだったんだけど、
予約通信販売をしていたので申し込んでおいたやつ。
この公演に行けなかった永田くんの席に自慢しに行く。
しかし自慢するくらいなら
なぜいっしょに注文してやらなかったのだと
自分の不親切に思い至り、
七分丈のラグランと、
白の半袖Tの2枚があったので
半袖のほうを譲りました。思いついてよかった。
七分丈って着たことなかったけど、
たいへんかわいい。正解。
そして夜。しまった、終電のがした。
でも気分はかなりゴキゲンだったので
歩いて帰ることにした。
きょうはちょっと荷物が多いし
靴も登山靴で街歩き用じゃないんだけど、
つまりは歩きにくいのは承知なんだけど
タクシーか歩くかと考えたら
やっぱり歩きたい気分だった。
「あそびにいらっしゃい」と言われて
98年に初めていまのボスの事務所、
当時麻布十番の住宅地にあった事務所に
お邪魔した帰りも、そんなふうに歩いたっけ。
冬だったよなあ。
そしてやっぱりとてもゴキゲンだったので
歩いて帰ったんだった。
ま、それほどの意味はないけど、きのうは。
あ、うれしいメールが来たな。
それが原動力といえば原動力。
いつものコース、魚籃坂下から古川橋、
二の橋、一の橋、麻布十番商店街を抜けてヒルズ。
TSUTAYAをうろうろ。
宮沢りえちゃんの新しい写真集がむしょうに欲しくなるけど
荷物になるから今日はパス。
ほかにも欲しい本があることを思い出して
いっそ六本木のABCに行ってから、ごっそり買って、
タクシーで帰っちゃおうかな? と迷ったけど
本来の目的がちがうのを思い出してやめる。
材木町からおばさんちの前を通り
(しばらく遊びに行ってないなあ。いとこは元気か)
霞町へ抜けて、墓地下を青山方向へ。
夜中だというのに霞町界隈はすごくにぎやか。
みんな楽しそう! ちょっとうらやましい。
ぼくは夜遊びをしないけど、
こういう「クラブのはしご」な界隈の雰囲気は
けっしてきらいじゃない。
みんなどこかに所属したがってる。
居場所を探してる。そういう空気。都会。
途中、足の甲が痛くなり、たぶん靴擦れ。
紐をきつく締め直して足首を固定。
まあなんとかなるだろう。
ペースは、汗をかきすぎちゃうと寒いから
「てくてく」という感じ。
いい言葉だなあ「てくてく」って。
すごくかわいい。すごく好きだ。てくてく。
スキーショップジローまで来ると
じぶんちのテリトリーな気がしてほっとする。
ここからは一歩ずつ家に近づく感じ。
キラー通りって変な名前だなあ、と思いながら
千駄ケ谷への起伏を上り下り、
最後はかなりぼーっとしているうちに
家の前に着いておりました。ゴール。
あ、また写真とるの忘れた。
ちなみにきのうはジムにも行ったので
ほどよく体がくたくたになって、
ぐっすり眠れました。
●床屋と語学と書店。(土曜日)
起きて体重をはかったら、
前の日よりも1キロ減ってた。
こりゃやせ過ぎでしょう! と、
朝はビフテキ、トンテキ、チキンソテーの
肉3種もりに、サラダどっさり。
そして床屋。3週間ぶり。
(いつもは2週間ごとに行くんですが。)
うんと短くしてもらう。ほとんど坊主。
今回は頭のマッサージと、
フェイスマッサージもしてもらう。
施術中、寒いなあと思いながら爆睡したので
風邪の予感。あ、悪寒というのか。
やばいので、すぐ葛根湯をのみました。
フェイスマッサージはすごいな、
顔がピカピカになった。
床屋はパークタワーにあるので
帰りに甲州街道のヨシヤに寄って
イタリアン乾物大量購入。
ディ・チェコのフェディリーニ、
ムール貝やツナの缶詰、粒こしょう、
ホールトマトなんかを持てるだけ。
めちゃくちゃ安い。
同じブロックのノニカフェで
ノニ・ダブルをあおっていったん帰宅。
ちょいとだけ昼寝して、夕方から語学。
英語とフランス語@用賀。
なんでフランス語なんか習い始めたのかというと
「じいさんになったとき、フランス語が喋れたら
かなりかっこいいのではないか」
という、たいへんいい加減な理由だということを
ふと思い出し、情けなくなる。
そういう情けない自分が好きです。
好きでいさせてくれ、世間よ。
先生はふたりとも大風邪をひいていた。
ちょ、ちょっと、うつさないでよ?!
先生の奥さん(占星術研究家)から
「シェフは魚座よね?
いま風邪をひきやすいから
気をつけなさいね」
と言われる。その大風邪の英語のルイス先生も魚座であった。
「2月8日はちゃんと食べた?」
と、よくわからないことを聞かれる。
手帳を見ると、大木戸矢部に行った日。
「うんと食べて飲んで栄養たっぷり摂った日です」
「ならいいわ、風邪は大丈夫。
その日が新月で、魚座はその日にちゃんとしてれば
そのあと大丈夫なのよ」
この人の言うことは毎回いちいち面白い。
本を書いているそうなので楽しみ。
12星座別に、そういうのに気をつけるための
手帳とかあったらいいのに、
という話になり、盛り上がる。
「金星が魚座に入ったって聞きましたけど、
なんかいいことありますかね?」
と聞いてみたけど、
「べつに?」だった。
魚座には冥王星がいるからだという。
期待させることは言ってくれないんだよな。ちぇ。
「でも悪い時期じゃないのよ?」
はい、そう思っていることにします。
いいことがありますように。
『間宮兄弟』江國香織、読了。
うんと情けない兄弟の話なんだけど、
これがよかった!!!
こんな小説読んだことない。すごい。
このテーマを発見したことからしてえらい!
江國香織をものすごく見直した!
ていうか、過小評価してました!
(『きらきらひかる』しか読んでなかったけど、
ここまで肌があうとは思わなかった)
ある意味、これは自分の話だと感情移入しながら、
さしてドラマティックな展開のない
この小説を、ところどころ声をあげて笑いつつ、
しかしほんとうは泣きたい気分で読む。
泣ける描写なんてなんにもないんだけど、
「人生は悪いもんじゃない」という
一貫した楽観主義があって、
それがぼくを幸せな気分にさせる。
自分のもうひとつの人生がここにあるようだった。
って、ぼくはひとりっこなんですけどね。
外苑前のリブロに寄って
『ガラスの仮面』42巻(いまごろですけど)、
伊藤佐智子×宮沢りえの『STYLE BOOK』、
(きゃー、きゃー。と言いたいほどかわいい。
なによりまず表紙がすばらしい!)、
吉元由美さんの小説に、
初めて読む恩田陸さんの『夜のピクニック』、
“女性誌絶賛!”とポップにあったので
よく知らないけど小手鞠るいさんという人の
小説などを買ってみる。
これで週末はばっちり。
新創刊の男性誌、40歳以上をターゲットということで
ぺらぺら見てみるけど、
ようするにLEONの後追い。買うに至らず。
当のLEONは男性誌のなかで一人勝ちだそうだけど
前回買ってみて「わかった、いらない」と思ったのでもういい。
ファッション情報はコルソコモ店長の口コミが基本でいいや。
さて朝日新聞にカエターノ・ヴェローゾ来日と。
ひゃーっ。行かねば。
とりあえずeプラスで2枚おさえる。
うんのせんぱい(小中学校の先輩で、
こういうの呼ぶ人)を思い出し、電話したけど、
残念ながら留守電。調べたら彼の仕事ではなかった。
夕飯は、ムール貝とツナのオムレツ、
永田野菜のにんじんと二十日大根のサラダ。
ドレッシングは、味噌とマヨネーズとレモン。
炭水化物はあいかわらず摂ってないです。
で、ガラカメを先に読む。
この42巻には、どうも怒っている積年のファンがいるらしい。
でもねえ、怒ってもねえ‥‥
たしかに、いまさらこの展開なのかよ!
とは思わないでもないけど、
それは41巻までがすごすぎたからだな。
42巻、たっぷり、ラブな、なんだかなーな話になってた。
いかれてるといえばいかれてる。
でも、いいじゃないですか、それも。
マンガって書くのたいへんなんですよ!
という尊敬で、よしにしてあげようよ。
43巻はいつになることか。
●早起きして舞城王太郎を。(日曜日朝)
ご本人に言うのもなんなのでここに書きますが
(というか言われ慣れているのかもしれないけど)
吉元由美さんと吉本由美さんをまつがえてた!
昨年末、日笠まあこさんに
大貫さんの楽屋で紹介してもらったのは
(って、そのシチュエーションが魔女集会的だが)
「吉本由美」さん!
するめクラブの吉本さん!
めちゃくちゃかんじがよくてあっさりしている吉本さん!
その認識はまつがっていなかった。
で、きのう実は書店で「吉元由美の新刊」とあったので
こりゃ買わなくちゃ、でも、なんだ、
ずいぶんメロウな恋愛小説もお書きになるんだな、
なんかかなり意外な一面をお持ちなのだな、
女性作家ってそういうもんかいな、
でもなんかニュアンスがちがうよな、まいっか、
ちょっと苦手な分野かもしれないけど買おう、
せっかくお知り合いになったのだから
もっと知るべきだろう、と、購入。
家に持ち帰りよくみたら「もと」の字がちがう!
ええと、作詞とかなさってたのは? 吉元さんだ。
ははーん。別人。別人だよこれは!
20年くらいかんつがいし続けてました。
たいへん失礼いたしました!
んでもって夜中に読み始めたのは
吉元さん(読まん、もう)ではなくて
吉本さんでもなくて
(するめクラブは、ちょっとずつ読んでます)
まず昨日なんの予備知識もなく買ってしまった
「小手鞠るい」さんという作家の小説だったんだけど
‥‥23ページで放り出しました。
困ったなあ。
もったいないから読もうかとも思ったけど
時間がもったいないからやめました。
新潮社よ、
「1ページでも読んでいただけたら、
最後まで手を止めさせません!!」
なんていう帯の惹句、
素直に信じちゃったじゃんか!
信じるおれが悪いのか。
‥‥ま、そこまで言うこたぁ、ないか。
たんに、肌が合わなかったってことかもしんないし。
せめて立ち読みしてからにすればよかった。反省。
あー、もったいない、口直ししないと眠れん!
でも恩田陸さんはもちょっととっといて、と、
積み上げてある本の山を崩して
舞城王太郎(マイジョウオウタロウ)さんという作家の
『好き好き大好き超愛してる』を探し出す。
本から2004年8月26日三省堂本店の
レシートが出てきたから、
そうだ『カワイイもの好きな人々』単行本化の
初うちあわせで万惣フルーツパーラーで
ホットケーキをぐいぐい食べたあとに
買ったものでした。
山下さんに推薦してもらったのだった。
(にしても、つんどくにも程がある。)
眠くなるまでにわさわさと半分読み、
4時間寝たら目が覚めちゃったので
7時からまた読んで、がーっと読了。
で、感想なんだけど、えーっとね。
長くなるかも。
御殿場にサイクルスポーツセンターという
自転車のテーマパークがあって、
車輪が四角い自転車や、
ぜったいにまっすぐ進まないようにできている
奇妙な自転車に乗ることができるんだけど、
最初はそんな自転車に乗ってるみたいな
読みごこちの悪さがあった。
それは江國香織のものすごく読みやすい文章を
読んだ後だったからだと思うんだけど、
「都はるみ」のあとに
「嵐」を聞くみたいな感じで
ちょっと面食らいつつ、
でもまあこういう文体もあるし
こういうのを文学の冒険というのだと
オトナな感じで読み進めていったんだった。
何に近い? 宮藤官九郎かなあ。
筆の運びや思いつきを信じ切っている。
物語は止まらないトロッコのように
たとえそこが廃坑であっても
レールがある以上、突き進むものだと心得ている。
レールがなくたって車輪が動く以上進む。
岩がある? 壊せ壊せ。
荒唐無稽? 上等じゃないの。
大胆不敵? なに俺がそうなの? 知らねえな。
突拍子のなさが独自のリズムだと気づいたころ、
すっかり乗り心地に味を占めた妙な感触をともなって
物語とともにぼくがもう引き返せないところまで
来てしまったことに気づかされる。
進むしかない‥‥。
そしてこの中編のタイトルが、
主人公たちによってはっきりと口に出された個所で、
良く晴れた朝の8時だというのに、
新宿御苑の緑がこのうえなくきれいに見える、
しかしとっても散らかったわが部屋で、
昨晩の夕飯と同じみたいな
ムール貝とツナと、魚肉ソーセージを
ごったと入れたオムレツとサラダ
(というか生のままなにもつけずぽりぽりと)
を食べながら、だというのに、
「やべっ!!」と目を思いっきりつぶるしかない、
開けたらどどっと何かが出そうな爆発的なかんじで
泣き出してしまった。
「ちきしょう、なんだよこれ、卑怯なり!」
と、ちっとも卑怯じゃないのに、
悪びれてそう言いたくなるような展開で、
口からにんじんの葉っぱをまるまる出したまま
うえっ、うえっ、と嗚咽。
心臓がどっくんどっくん。
阿呆ですな。
読後感はマンガにきわめてちかい。
もう一編入ってたのも同じ。
それもすごくよかったんだけど、
もっとずっと性的なその短編は、
39歳のおじさんの朝をもズムズムさせてしまい
脂ぎってきてしょうがないので
また風呂にはいりました。
そういうことを書くと変態じみておりますがね。
そんな日曜のはじまり。
あ、コルソコモ行かなくちゃ、
一週間お取り置きの期限だ。
●というわけで日曜の夜です。
買った。
朝、伊勢丹で一週間分の食材を一気買い。
時間がかかるのは、ぼくにとってここが商店街だから。
豚肉のところで「おじさーん、こないださー」、
鶏肉のところで「おばさーん、痩せたねー」、
牛肉のところで「おじさーん、うわー、今日は脂がー」
などと会話をし、そうするとだいたい4枚買ったのに
6枚入ってる、みたいなことになってうれしい。
さらにその豚肉のところで、知らないおばあさんと
「この肉は何日もつか」ということについて語り。
豆腐のところでは世間話をしてたら
ところてんを2つももらい、
マヨネーズのカロリーについて店員と議論し、
(結局、うまいほうを選んだ。松田のマヨネーズ!)
やっとレジを通過して階段を上ったら、
途中でおばあさんに
「あらあら、元気がいいわねえ。うらやましいわ」
と声をかけられたので、
おばあさんがよろよろと階段を上る間
どうでもいいような話をずっとしてたら、
ありゃ、時間が!!
急いで家に戻って冷蔵庫に食材を押込んで、
千駄ケ谷まで歩いてランチ。
空きっ腹にワイン、飲みすぎた。
「森でワイン 堕落したいや〜♪」と
鈴木さん(兄)の曲が脳裏をかすめる。
山盛りのサラダ、焼き牡蛎、
ホタルイカとそら豆のスパゲティ、
小羊の背肉のグリルにあわせて
白・白・赤。みんなうまくて困る。
ああうめえうめえ。
ひとりで酔っぱらっていたら
(‥‥ってどうなんだろうそれは?)
向かいの席では役所広司さん一家三人が
よい声で品良く食事をなさっておられた。
都会だわな、あ、こりゃ。
息子さんかな、すげえ今どきの
かっこいいワカモノなんですね。
ちがうもんですねー。なはは(酔ってる)。
原宿から渋谷へと明治通りを散歩。
ノースフェイスを冷やかし、
途中、キャットストリートから表参道に戻り、
パタゴニアも冷やかし、
Lサイズの帽子が入らないことに憤慨しつつ
スターバックスで休憩。
トイレを借りたら内側のドアノブが外れてて
でれなくなっちゃった!
きゃー、困った困った、んなははは(まだ酔ってる)。
がたがたやってたら、外からあけてくれました。
知らないおにいさんありがとう。
タンタンショップを見てから、
てくてく歩いて青山ブックセンターへ。
mixiでおすすめしてもらった
『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』江國香織、
『煙か土か食い物』舞城王太郎、
『みんな元気。』舞城王太郎、
それから、『間宮兄弟』に出てきた
いしいしんじ『麦ふみクーツェ』。
いしいしんじって、いいですよ!
『アムステルダムの犬』で感銘をうけて以来
熱心ではないけれど気になる作家。
『プラネタリウムのふたご』は
ふたご文学の傑作!
(ふたご文学というジャンルがあるのかどうかはさておき)
これでとうぶん読むものに困らなそう。
まだ恩田陸さん読んでないしね!
さて、ほんとはすぐにでも行きたい
コルソコモ・コム デ ギャルソンに行かないのは
先週お取り置きをしてもらったなかの
なにを買うべきかが決まらないからだよーん。
うへへへへ(しつこく酔ってる)。
でもそろそろ行くかな。
こんにちはー。酔っ払いでーす。
迷っているのは、
1)リーバイス×ジュンヤマン
×ドーバーストリートマーケットの
タキシード風セットアップ
(パンツ、シャツ、ジャケット)
を買うか、
2)ジュンヤマン×モンクレーの
シャツ地ダウンベスト
を買うか。
「両方買えば」というわけにはいかない値段。
珍しく熟考の一週間なれど決まらなかった。
で、もう一回試着してみて、
1)のジャケットは、とてもいいけど、
ぼくの体形では、綺麗なシルエットにならないことが
わかってきました。
ほんとうに細い人が、ふわりとまとうと
たぶん、美しいんだと思う。
ということは、このジャケットは
着られる人を待ってるね。
それは僕じゃないね。
ざんねんだけど、縁がなかったんだ。
さよなら。君はすばらしいけど、
ぼくには、あわなかった‥‥
と、涙をのんで見送り。
でも、パンツはいい。すばらしくいい。
ので、セットアップをやめて、
パンツと、ダウンベストにしました。
ダウンは、似合うとしかいいようがない。
また「おしゃれマタギ」になってるが、
それでも似合うと言ってくれ。
「似合います」
ありがとうヤマザキさん(店長)。
あんただけだ。はっ‥‥口車?
というわけで、買いました‥‥。
さあたけいさん、次はサッカーシャツが出ますよ!
なんて、写真を見せてもらい、
これがまたカワイイったら!
カウンターにもたれてきゃあきゃあ言ってたら、
「あれ、たけいさんじゃなーいのー」
と、背後からこの間延びした発音は、
アッキィ!!(秋山具義) 一家でおでまし。
「買ってるねー」
って、あんたこそ、その荷物はなんですか。
夫婦ででかいショッピングバッグをそれぞれ持ってる。
愛娘のちよ子ちゃんよりでかい荷物。
アディダスっことは裏原のだね。さっき通った。
「ベスト買ったのー?
じゃ、さ、おれも同じの買って、
糸井さんにも同じの買ってもらって、
あしたの長野出張おそろいにしちゃおうかー」
と、わけのわからないことをにやにやと言う。
ま、それも面白いですな。でも寒いよまだ。
アッキィとはよく着てるものがかぶるんだけど、
ちっともお互い恥ずかしくないのが不思議だ。
あまりにも人間がちがうからでしょうね。
ペアルックがはぢかしいのは、
あまりにも人間が同じだからでしょうね。
そのはぢかしいのが、いいんだろうねー。
ふふふ(まだ醒めない)。
家に戻り、軽く風呂、
酔いざましに1時間ほど寝ておきました。
さてまたこれから文化的な暇つぶしするかな。