Cacio e Pepeというパスタ料理がある。カチョエペペ。
チーズとバターと胡椒のみで太く長い麺を和える、
とてもシンプルな料理で、
ローマの食堂で食べてひじょうにおいしかった。
高級なものじゃない、いわゆる居酒屋メニュー。
カチョエペペというのは「カチョ & ペペ」ということ。
ペペは胡椒。で、カチョですが、
「カチョカヴァッロ(Caciocavalloというチーズ)を使うから
カチョエペペというんですよ」
という説を現地で聞いた。いっぽうで
「カチョは南イタリアでチーズの意味なんです」
という説もある。
うーん、どっち?
いろいろ調べてみたものの、よくわからない(*)。
同じチーズでも、パルミジャーノ・レッジャーノ(だけ)でつくるのは
ローマ的にはなさそうだということまではわかったが
(混ぜているレシピも検索で出てきました)、
ローマだったらペコリーノ・ロマーノでもよさそうですよね。
現地で食べた感じでいうと、けっこうなコクがあったので、
やっぱりチーズはペコリーノ・ロマーノなんじゃないだろうか。
あるいは、同じカチョカヴァッロでも、
うんとコクのあるタイプなのかなあ。
そこらへんはよくわからない。
ちなみにイタリアのバターって、
フランスのような「うっとり」するようなおいしさはないから、
やはりチーズの力が肝心だと思う。
(*)追記 銀座マルディ・グラの和知さんから
「カチョは南の方言ですが、フロマッジィオより古い言葉かも。
ラテン語からきているようです。」とお知らせいただきました。
なるほどー。イタリア南部の方言で「チーズ」なんですね。
さらに追記。現地からの情報によると、
「カチョカヴァッロを使うように」と習った人(日本人料理人)もいるし、
「ペコリーノ・ロマーノだよ」というロマーノの食いしん坊の証言もあると。
結局どっちだかやっぱりわかりませんでした!
でもまあ、最初に聞いた「カチョカヴァッロ説」に基づいて
自作してみました。
せっかくローマから買ってきたし!
さて、聞きかじりレシピでやってみたんだけど、
最初のミスは「バターを溶かした鍋に、チーズを塊で入れた」こと。
溶けやしません!
ていうか、溶けないことはないけど、
ダマになるし、加熱すると焦げつく。
だからレシピとしては「すりおろして和える」のが正解。
つまり、溶かしバターに大量の胡椒を入れて、
ゆで上がったパスタを和えたところに、
チーズをわっせわっせと混ぜるのがいいと思います。
ぼくはゆで汁を加えました。
これが完成写真。
いちおう、できた。うまーい。
でもそういえば、現地の記憶と比べると、
コクが、ちょっと足りない。
やはりペコリーノ・ロマーノを使うべきだったのだろうか。
あるいはもっとチーズの量を増やしたほうがいいかな。
と、食べ終わってさらにしつこく(しつこい)調べていたら、
こんなページがありました。
イタリア語なんだけど、Google先生に訳してもらったところ、
こんなことがわかりました。
●まあいろいろレシピはあるんだが
●なにしろクリーミングが大事ですよ
●パスタはトンナレッリがいいですよ
●チーズはペコリーノ・ロマーノをすり下ろしましょう
●胡椒は手でつぶそう(粗いほうがいいみたい)
●ボウルに、パスタのゆで汁と、チーズと胡椒をよく混ぜます
●固まってきちゃったら、ゆで汁をさらに加えましょう
●その作業は加熱しながらやっちゃダメですよ
ということでありました。
で、ここまで調べたあと、さらに検索(しつこい)していたら
ケパッキアの岡村さんのレシピがあるじゃなーいのー。
おお、胡椒がすごい量ですね。そしてバターを使わないんだ!
これはこれでおいしそうだし、
バターを使うよりは罪悪感が少ないな。
こんどやってみます。
ちなみにこちらが、ローマで食べたカチョエペペ。
最後にチーズをふりかけて仕上げてある。
ちょっとTOO MUCHなくらいがローマ的かもね。
(さらに追記 10/13)
結論がでました。イタリアからの情報によりますと、
カチョエペペのチーズは、ペコリーノ・ロマーノだそうです。
ぼくの聞いたうわさは、
カチョという言葉からカチョカヴァッロを想像した、
ということだったのかも。
でもまあ、カチョカヴァッロもおいしいチーズですよね。
加熱するととくに、歯ごたえがたまらんです。
ペコリーノ・ロマーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、
そしてカチョカヴァッロの3種類のチーズで
パスタを和えてみたらどうなるのかな。
こんどやってみます。