1品で満足させちゃうくらいの
がつーんと印象的な料理って、
その攻める感じだとか、
料理人とセッションしている感じが好き。
でもメインディッシュ級が
次々出てきたりしちゃうと、
「勝負!」続きみたいになって、
くたくたに疲れ果て、
結局「負け」ないと終われない。
(むこうの土俵だからなあ。)
食べ続けられる料理は、
そこを1歩(半歩くらい?)
ぎりぎり踏みとどまって、
「もう一口」だったり、
「別の一皿」に行かせる力がある。
そのときは、それぞれに
同じくらいの力がないといけない。
よりすぐりのチームワークの仕事。
つまり主役級がワンマンショー的に活躍する、
そういう凄いステージもいいけど、
その人がカンパニーの一員として
ふだんは前に出す力を横にというか
他のメンバーと化学反応させる方向に
使っているようなステージみたいな。
(たまに「そりゃもったいないよな」
ということもあったりしますけど。)
あるいは歌でもコーラスや演奏がすごく下手だと
メインボーカルも困っちゃう。
料理の話にもどすと、
さあ何を注文しようかなというとき、
リズムとしては後者のなかに、
最後のほうで前者が出てくる、
そういう組み立て方がいいなあ。
徐々に盛り上げて行ってドーン!
そしてクールダウン。
アラカルトで注文することには
そういう「演出」のたのしみがある。
ついつい「ドーン!」の部分だけが
記憶にのこるし語られるけれど、
その「徐々に盛り上げる」ところ、
「クールダウン」のところって、
たいへんな仕事で、
それこそが、お客さんと料理人とサービス係の
セッションだったりするんだと思う。