4時に起きちゃって「ああ、腹減った」。
冷蔵庫にあるのは卵、ハム、やぎのチーズ(癖はない)、
そして乾物はディ・チェコの10分茹でスパゲッティ。
おいしい胡椒だけは持ってきていたので、
「偽カルボナーラ」をつくりました。
胡椒の威力絶大で、あんがいいけた。
さて、きょうはParis Breakfast Runに出るのです。
これは12日のパリマラソンのプレイベントで
凱旋門からエッフェル塔を通る5キロのコースを
のんびり走りましょうという市民参加イベント。
出走料は7ユーロ、これでTシャツ(ださい)1枚と
ゴール地点でのクロワッサン、パン・オ・ショコラ、
コーヒー、ミネラルウォーター、つまり軽い朝食が出る。
きちんと道路を封鎖してのイベントだから、
7ユーロはとてもリーズナブルだと思う。
地下鉄でCharles de Gaulle - Étoile駅、
つまり凱旋門のすぐそばの駅まで移動。
同じTシャツを着た人たちがいっぱいいるから迷わない。
Tシャツといっしょに配られたミニ国旗を忘れたことに
いろんな国の旗を見て思い出す。
参加者はどうやら世界中からあつまっているらしい。
フルマラソンに出走する人のなかにも
こちらで軽くウォーミングアップする人(すごいね)もいる。
同行の西本くんと昼間さんはまさしくそう。
ふたりとも3時間台前半の俊足な市民ランナーだから、
「5キロなんて走るのは、ひさしぶりだブー」
なんてブヒブヒ言っているぼくには雲上人だ。
西本くんなんてでっかいフィルム一眼レフカメラを持っている。
フィルムって!
ところでこれだけ何度もパリに来ているのに
ぼくは凱旋門を見るのは初めてでした。すみません。
けっこうかっこいいんだね。
コースはこんな。じつに風光明媚。
(いま風光ベイビーと打ち間違えたことをここに記す。)
しかし風光明媚っていうことばは、パリに似あわないなあ。
やっぱり都市景観としての人工的な美しさが強いんだな。
走るのはイヤでイヤで仕方のないぼくなんだが、
「まあ、5キロくらいだったらいいか、パリだし」と
ひじょうに軽い気持ちで参加している。
とはいえ世界中から集まっているランナーたちの(白人が多いです)
ひじょうに明るいムードというか(能天気と言ってもいい)
「わあ、たのしいたのしい!」な気配が満ちているので
自然とこちらもたのしくなってくるから不思議だ。
流されやすいなあ。
スタートもゆるくて、9時のはずが数分遅れるし、
先導はでっかい車で、かなりのんびり(キロ6分くらい?)。
走る人たちも歌ったりしゃべったり。
ぼくはなにしろしばらく練習なしのぶっつけ本番で
はじめての石畳(パリの道路は下が石畳のままなので、
土にアスファルトの日本とは硬さが違う)、
肉体的にはやや緊張しながらのスタート。
そのぼくがのんびり走るスピードでも
じゅうぶんついていけるのだから、
全体的にとてもゆるいイベントなのでしょうね。
ところどころで立ち止まったりしながら記念撮影しつつ、
あっという間の5キロ。
けっこう面白かったなあ。くるしかったけど。
「5キロとか10キロが、そんなに苦にならず走れる」と
人生はもうすこし楽しいだろうなと思うので、
ちょっとだけ心を入れ替えることにします。
ゴールでパン・オ・ショコラとコーヒー、
バナナと水をもらう。
パンが「あんがいおいしい」のに驚く。
日本でいうと「コンビニおむすびかと思ったら、
ちゃんと握ったおむすびが出てきた!」というような
ちいさな感動がありました。
さて、カラダが冷えそうなので地下鉄で部屋に戻る。
シャワー、そして買い出しへ。
何しろ食材がない! すぐ食べちゃうから。
歩いてそんなに遠くないところに「チョイ住み」でロケをした
モントルグイユ商店街があるので、そこに行くことに。
(ここ3区のシャポン通りあたりからだと、商店街は、
西北に進んでモントルグイユに出るか、
北東に進んでブルターニュ通りに出るかです。)
同じ日程で来ている野宮真貴さん夫妻とポンピドー前で待ち合わせ。
夕飯をウチでいっしょに食べるので、
買い物にもいっしょに行きましょうという流れです。
モントルグイユは土曜日の午後で、それはそれは賑やか。
肉屋でcôte de boeuf (骨付きの牛のリブロース塊)を1.3キロぶん、
bavette (ハラミ)を1キロ分、
それからベーコンの塊と卵も。うっしっし。
隣の魚屋でCoquille Saint Jacques (ホタテの貝柱)を300g、
チーズ屋でおつまみにするチーズ5種類を選んでもらい、
スパゲッティ用のパルミジャーノ、
ステーキに使うバター(海藻入り)も。
八百屋で(店員さんがぼくの顔を覚えててくれた!)
野菜をとにかくたっぷり。
さらにワイン屋でシードル、ジュラの白、安いけどビオの赤。
パン屋でバゲットモンジュ2本、
そして軽く腹がすいたのでサンドイッチ。
これをむしゃむしゃ食べながら帰宅しました。
いったん戻ってから再び外出。
友人のJean-Paul氏が教えてくれた
マレのプロフィットロール専門店にてくてく。
Profiterole Chérie
プロフィットロールってイタリアのものじゃないの?
とたずねたら、「そんなことはない、ぼくは調べたんだが、
ルーツはフランスなんだ」というような話。
イタリアのプロフィットロールは、
ちいさなシュークリームを積み上げた感じのお菓子だけど
フランスのプロフィットロールは、
「オーダーメイドのシュークリーム」的なもので、
メニュー表からオーダーするとその場でつくってくれる。
パリブレストとか、レモンクリームとかキャラメルとか。
5人いるので5種類を買って戻る。
あしたは二人がフルマラソン出走なので、
はやめに夕飯をと、4時に集合。
いろんな野菜を入れたサラダ、
ホタテと香菜と赤タマネギのセビーチェ風、
そして骨付きの牛のリブロースのオーブン焼き、
チーズ、そして最後にプロフィットロール。
ぜんぶおいしくできました。サラダに入れた茹で野菜だけ
ちょっとやわらかくなっちゃったけど。