「明日出発ですよ。
オンラインチェックインは自動的に済んでますからね、
なんならpassbookに搭乗券を保存しておきましょうか」
というようなことを
スマートフォン経由でやってくれるのだから
海外旅行もずいぶん楽になったものだなあ。
まあ多少の操作は必要だけど、それにしても楽だ。
搭乗券が電子化されていれば、
空港でも紙のチケットを印字してもらう必要はないわけだ
(してほしければしてくれますけど)。
むかしはカーボン複写式のチケットがあってね、
それは小切手みたいなもんでさ、
それを航空会社のカウンターでぺりぺり切り取って
搭乗券に替えてもらうんだ。
しかも48時間前までにリコンファームといって、
航空会社に電話をして搭乗予約の再確認をしないと
キャンセルになってもおかしくなかったんだ。
なんていうのはすごいじいさんぽいから、
これからは「えー、チケットが紙って古くね?」
「昭和っしょ」とか言おう。
生まれたときから電子化されてたふりをしよう。
そういえば旅行小切手(トラベラーズ・チェック)も
瀕死だそうじゃないか。
パリに向かっております(いま機内)。
またか、ですが、この旅のほうが
NHKの「チョイ住み」のロケより先に決まっていたのでした。
往きの飛行機には、ぼくのほかに、
同僚とその友人夫妻、
そしてサンマロに住むぼくの友人2名が(偶然ですが)
日本への旅行から帰国するので乗っている。
さらに近い時間の別航空会社の便で
ぼくと部屋をシェアする友人1名が向かっている。
7名で移動、というのは
ちょっとしたグループ旅行みたいで楽しいな。
でも席もばらばらで事前の集合すらしなかった。
パリに帰る友人2名とだけは
偶然空港でばったり会ったけど、
直前までラウンジで原稿を書き、
時間が迫って慌て、誰とも顔を合わせずに搭乗し、
同じ機内にいるはずのみんなの顔もいまだに見ていない。
まあシャルル・ド・ゴールにつけば、
バゲージクレームあたりで会えるでしょう。
友人2名は日本からの荷物が6コもあると言ってたな。
なにをそんなに買ったんだろう。
さて。
今回の旅でもアパートを借りました。
割と直近に、マイレージでの空席確保だったものだから
アパート探しに時間がとれず、
コストパフォーマンスの高い(立地がよく広くて安い)
部屋はすでに埋まっていた。
残るなかからちょっと奮発して(航空券代が浮いたぶん)
友人とふたり、広めの部屋を借りることに。
ほんとうは同僚もいれて
3人で借りようという計画だったのだけれど
3ベッドルームというのが、また少なくて、
しかもどんどん高くなっちゃったものだから同僚は
「寝るだけの安い部屋を借りる」という選択肢。
ピカソ美術館の隣の屋根裏部屋というのを見つけた。
パリの屋根の下、それはそれでかっこいいな。
ぼくらの部屋は3区のシャポン通り。
2013年から14年にかけての年末年始を
その通りの、今回のはす向かいのアパートで過ごした。
この通りが好きというわけでもなく
(べつになにがあるというわけじゃない通りである。
中国の移民が安いカバン屋なんかを商っている通りです。
でもいいビストロが1軒ある)
スペック重視で探したらここになったのだけれど、
同じ通りに二度泊まるというのは、
縁があるみたいでうれしい。
(ここから到着後の記述です)
ANAで来たぼくらより
30分ほど遅れて着陸するJALに乗っている友人と落ち合うので
シャルル・ド・ゴール空港内を移動。
広いからシャトル。ターミナル1からターミナル2へ、さらに
「2E」というところまでトランクをひっぱって歩く。
このトランクがちょっとぶつけられて
4つあるキャスターの1つが曲がってて動かしづらい。
急いでいてしかもクレームの場所がわからずあきらめちゃった。
東京で直せるかなあ。
無事友人と会えて、タクシーでシャポン通りを目指す。
アパートを借りるときは、時間と集合場所を決めて
大家さんかその代理人の人から鍵を受け取らなくてはいけない。
「アパートを借りる」ことの、たぶん最大の難関だと
みんな思っていると思うけれど、
やりとりはごくごく基本的な英語だし、
AirBnBに登録している大家さんは基本的に「ちゃんとしてる」。
ちゃんと到着便の遅れなんかもチェックしつつ
まめにメッセージを入れてくれる。
こういうところもスマートフォン時代だなあと思う。
予定の20分ほど前に到着、無事鍵を受け取って入室。
驚愕。
「うんと広いリビングダイニングキッチンに、
ベッドルームが2つ、バストイレ各2つ」
というスペックにまったくうそ偽りはないんだけど、
玄関→うんと細い廊下→その先の部屋に突然バスタブがごろり→
えらく急で手すりのないらせん階段→
中2階にガラス張りの床(!)のベッドルームがひとつ→
ふたたびえらく急で手すりのないらせん階段→
巨大なリビングダイニングキッチン→
一隅に大きなバスルーム(トイレも)→
その上がロフトになっているベッドルーム。
なかなか攻めのつくり。なんか撮影セットみたいだ。
2つのベッドルームに個人の荷物(トランク)を
運ぶのは無理だとわかったので、謎の玄関バスルームを
まるごとクローゼットとして使うことにして、
必要なものだけ持って上がる方式にしました。
荷物をほどいて、翌朝走るブレックファストランの
参加証となるTシャツを受け取りに
porte de versaillesでやっている
「le Salon du Running」というイベント会場に。
そこで同僚の西本くん、パリの川村明子さんと会う。
ぶじにTシャツと国旗(持って走るの?)をもらう。
西本くんと川村さんはフルマラソン出走なのでゼッケンを取得。
がんばれー。
帰路、スーパーマーケットの「G20」(わりと庶民的)で
適当に食材を買う。なんかちょっと眠気があったので
適当ぶりに拍車がかかってしまい、
いまひとつよくわからない食材ばかりになる。
部屋に戻ってサラダ(酢を忘れた)とステーキ。
酒は飲みません。
シャワーを浴びて早めに就寝しました。
(ぼくはガラスのベッドルームです。)