東京で見逃し、しまったと思っていた
ハンス・コパー展に行ってきた。
新国立美術館のルーシー・リー展は殺人的な混雑で
そのうえカタログ売り場で嫌な思いをしたりして
あまりいい印象がないのだが
作品はとてもよかった。
しかしハンス・コパー展はそれを上回るどころか
ぼくにはずっと価値のあるものに思えました。
ああいう作り手にきちんと光を当てるというのは
とても意味のあることだと思う。
なにより作品の感じがぼくの好み。
有機的でありながら直線的で、
きびしさのなかにやさしさがあるような、
そして、とても前向きな印象がありました。
とても素直な感想として「ひとつ欲しい」。
ルーシー・リーは、そうは思わないからなあ。
そのハンス・コパー展が開かれていたのは
静岡駅前の静岡市美術館。
葵タワーというあたらしいビルのなかにある
新設の美術館で、ここもとてもよかった。
そうそう、もと青葉小学校のCCCでやっていた
しりあがり寿さんの展覧会「いろいろやるら。」にも
顔をだしてきました。
なかなかディープというか、いやはや、どこまでも
しりあがりさん的な個展でした。むふふふふ。
じつは展覧会がほんとうの静岡行きの目的ではなく、
ちょっと用事があったんだけれど、
その用事はわりとはやく済んだので、
静岡の友人を呼び出して蕎麦。
静岡は蕎麦がうまい、というと意外でしょうが、
うまいものはうまい。
べつに名物じゃないですけどね、という謙虚さもいい。
だっていちばん多いのは「戸隠」である。
ちっとも地元じゃない。
けれど静岡風になっていて、「磯おろし」という
つめたいぶっかけそばがあってそれがわりと外れがない。
名物じゃないのにここまでうまかったら
名物と言い張ってる土地は困るんじゃないの、というくらいうまい。
あ、まずい店もあるから気をつけてください。
ちなみにぼくの好きなのは「そばの実」というそば屋で、
ここの小海老のてんぷらそばは、そりゃもう!
ついでにしらすとあさりのかきあげもつけました。
さらに友人の奨めで「神龍(しぇんろん)」という
肉まんとギョウザと杏仁豆腐の店へ。
それしかない店。
ここの肉まんは富士にあった新勝苑という店の直系で
一般的にはそうでもないと思うんだけど、
静岡の友人とのあいだでは隠れた名物なので食べる。
じつにうまい。あつくてうまい。
ギョウザもおいしい。
けど杏仁豆腐はどうかというと、べつに‥‥というあたりが
しぞーか的にだめなところである。
ここで杏仁豆腐が絶品であってほしいのだが
それはあまりに東京的な厳しさだと反省。
帰りに東海軒で幕の内と鯛飯を買って帰京。
東海軒の駅弁は日本一うまい。
べつに競争するつもりはありません、
「これも食べてみて」とか言わないでね、
ぼくは、要らないから。
崎陽軒のシウマイ弁当は別。