誕生日なのでピアット・スズキ。
同行のものがしばらく不調つづきで
ずいぶん食が細くなったというのを心配しつつ、
やつは食えなくてもおれは食う! と予約しました。
ついたとたん、巨大な肉の塊を見せられる。
どう考えても1.5キロはありそうな肉塊。
鶏もも‥‥? のようなかたち、色なんだけど
こんな巨大な鶏ももはないよなあ。
聞けば、幼羊の後ろ脚だと。
うわぁ‥‥と、頭をかすめたドナドナ的思考は封印。
1本単位で調理するというので
まるごと1本注文しないとならない。
そんなでっかいの2人で、しかもひとり小食じゃ無理!
と思いつつも、
いちばん美味しい部位はそこだというし、
誕生日だし、
もし残したら持ち帰ろうということで注文。
それにあわせて前菜とパスタも注文する。
食前酒は日向夏で割ったスプマンテ、
つきだしはホタルイカのふきのとうとヘーゼルナッツあえ、
それからいつものピクルスとオリーブ。
さあ食うぞー。
鰆の炙りサルディニア風。
皮をぱりっと炙り、塩をぱらりとふり、
サルディニアのなんとか村(忘れた)風に
野菜をたいへん細かく(どうやって切るんだろう)刻んで
ほんのり酢をきかせてある。
ほとんど刺身なんだけれど、強さと繊細さがあって
もう、いきなり官能の世界。
ぽわ〜ん。うま〜い。なに、これ〜。
マテガイのグリル。
直火でこんがり、磯の香りが立つ。
うー白ワイン白ワイン。
そういえば3月って貝のワタがうまい時期?
とろけました。
白アスパラの自家製ハムのせ、
オランデーズソース、うずらのポーチドエッグ。
生か?! という歯ごたえなのに
しっかり熱々に火が通り、しかもブイヨンがしみてて、
オランデーズはこれでもかと酸味が効いてて、
たまらんですわ。
甘エビとフルーツトマトのカッペリーニ。
ぼくのはどうも大盛り。
いつも「ああ、もうひとくち」と思っていたのでうれしい。
ひとくちサイズだと、それをさらに数口に分けるけど
これならひとくち分がたっぷり。
「頬張るしあわせ」というんでしょうか。
堪能。
青唐辛子と葱のペペロンチーノ。
シンプルなペペロンチーノは家庭料理ぽすぎて
レストランで頼むのは気が引けるんだけど、
肉にそなえてそうしたいと伝えたところ、
これにしてくれたのです。
野菜の青臭さが好きなもので、これはたまらん。
やはりどうも大盛りぽかったけどぺろり。
白ワインもグラスがあいたので赤にする。
そしていよいよ仔羊の腿。後ろ脚。
比較サイズがないので大きさがわかりにくいですけど、
ハンドボールくらいの大きさがあります。
切り分けてくれたうち、1切れがむこう、
3切れと骨がこちら。
1切れ、200グラムくらいありそう。
そこまでに、それなりに食べていたので、
大丈夫だろうかとちょっと不安になりつつも、口へ。
ひゃあ、うまい!
何肉だと言われたらわからないかもしれない。
牛でもない豚でも鶏でもない、だから羊?
という消去法で答えは出そうだけど、
マトンより癖がなく、脂がすくないのにジューシーで、
ちょっとミルキー。ああ幼羊だからな。
‥‥いかん、ドナドナ的思考はいかん。
わっしょいわっしょいとリズムをとって
あまり間を空けないようにして口に入れ、
完食いたしましたー。
いっしょにいただいたグラスワインは
ちょっとひっくりかえるくらいおいしかった。
デザートはさっぱり系にしようと
ブラッドオレンジのソルベに、ハーブティ。
ちゃんとそれらしくしてもらった。
以上、満腹とさせていただきました。
小食の相棒は、どこが小食? という食べっぷり。
もちろん圧倒的にぼくのほうが食べてるけど、
ひどいときはうどん1杯を1日3回に分けてたというから
「こんなに食べたのは何か月ぶりだろう」。
回復してよかったなぁ。
そんな誕生日でした。