5/4、まるまる一日休みにして、鎌倉に遠足。
GWに鎌倉へ、という選択肢は
「遠出はしないけど、ちょっと出かけるか」
という首都圏の人々にとって「かなり、アリ」なようで、
ものすんごく混んでました!
ぼくは20代のうち8年ちかく
茅ケ崎に住んでいたんだけれど、
たしかにこういう時期は混んでたっけなあ。湘南。
(鎌倉は湘南かどうか、という話はさておき。)
で、江ノ電藤沢駅。いきなり入場待ちの長蛇の列。
東京駅で「湘南江の島フリー切符」を買っておいたので
さくさく入れたものの、満員の江ノ電はすごい。
「車内が狭く、御迷惑をおかけしております」
というアナウンスがあったけど、
「観光客が多く、御迷惑をおかけしております」
が正解じゃないか。
「おがーざーん! だずげで〜〜」という子供の声も。
ひっ迫している声じゃなくて、どうやら大人の間にいて
視界がさえぎられたことを不安に思っているらしい。
なんど叫んでもお母さんが答えないので、
「だれがーーっ! だずげでえ〜〜!」に変わっていた。
──ほんとうは、子供など、
あの満員電車には、乗っていなかった。
となると鎌倉の怪談になるのだが。
地元出身の居酒屋の女将にあらかじめ
ガイドしてもらったコースの通りに、
歩いて鶴岡八幡宮、銭洗弁天、極楽寺、長谷寺をまわる。
‥‥ベタでしょう?
でもこれが意外に面白かった。
鶴岡八幡宮は本殿が改修工事中なんだけど
工事中であることを隠したいのかこんなことになってるし。
しかし銭洗弁天や長谷寺の
「エンタテインメント仏教」の演出には
ほんとうにやられました。
ちゃんと面白いんですよ!
そもそも「念仏さえ唱えれば極楽往生」というのが
鎌倉仏教が発明したコンテンツなわけだけど、
小銭を出せば往生できるという方針が一貫していて、
とくに長谷寺。
長谷観音にお備えするろうそくは、
あらかじめ「家内安全」とか「交通安全」とか
「水子供養」とか「恋愛成就」とか、
軽いのから重いのまでさまざまな願掛けの文字が入っていて、
ひとつ選ぶことができるわけです。
1本300円で買うと油性ペンを貸してくれて、
名前を書き、献上することができる。
弁天窟という洞窟‥‥石窟ですね、には、
弘法大師が彫ったという弁財天と、
弁財天十六童子の像があり、
これもろうそく(こっちは1本100円から)を
好きな童子に献上できる。
暗い洞窟の壁に、「金財童子」とか「酒泉童子」とか
いろんな子がいるわけです。
それに個別に願掛けできる。
ぼくは美服を与えるという「衣裳童子」と
矢を手にした東洋のキュービッド「愛敬童子」に
ろうそくをささげてきました。
衣裳童子人気なかったなあ。
(やっぱり金がらみが人気あるみたいだ)
さらに洞窟をすすむと、ミニミニ弁天さまを
1体300円とかで売っていて、それをお供えできたりする。
こういうことされると、つい奉納しちゃいますよね。
なんか、楽しいから。
つくりは『スプラッシュマウンテン』とかで
待ってる感じに似ています。
というかディズニーのつくりかたって、
こういう『宗教遺跡』系のものを
参考にしているんだと思った。
歩きに歩いて、最後は七里ヶ浜。
高級住宅地の坂道を堪能し(坂道好きなもので)、
まだちょっと寒い海でぼんやり。
目にとびこんでくるのは、
海、空、砂浜、鳥、散歩する人、散歩する犬、
ふりかえれば新緑の木々。
たいへんシンプルで力強く美しいものばかり。
いやー、まいった。
脳みそのしわに清流が流れ込んでくるよう。
いいよなあ、こういう暮らし。
ぜったいできないんだろうけど‥‥。
日が暮れて、七里ヶ浜のイタリアン。
たいへん美味で、口幅ったい言い方ですが、
自分のつくる料理によく味が似ていて好感。
素材がいいから、手をかけなくてもいい、
という方法ですね。野菜ばかうま!
シャンパンとワインも飲んで、やや酔っ払い、
しばらく暗い海で再びぼーっとしてたら風邪引いた。
情けないけど、楽しい一日でした。