ギタリストの今堀恒雄くんは20年前に
ぼくらのバンドを対バンに指名してくれて
いっしょに原宿クロコダイルでライブをやった仲間だ。
ティポグラフィカ×クマさんチーム。というライブで、
ティポグラフィカはいまをときめく菊地くんもいたバンドです。
あれはティポグラフィカのデビューライブだったんだっけ?
チラシはぼくがつくった。
じぶんでいうのもなんだけど、
いろんな楽器のシルエットをコピーで拡大縮小して合成して
魚みたいなかたちをしたありえない楽器をつくって
まんなかにどーんとおいた、そりゃあかっこいいチラシだった。
当時はフライヤーなんて言葉ありませんでした。
仲間、という言い方しかできないのは
ともだちというわけでもないからで
でも、仲間としかいいようのない、
なんだか強い絆があったんだよ。
もう40になると
こういうこっぱずかしいことも平気で言える。
きょう、20年ぶりに今堀くんに会った。
制作にかかわっているDVDの音楽録音に
今堀くんが参加するというのでスタジオに行ってきたのです。
「20年ぶり!」っていう挨拶は、
20年前に会ったきりの人どうししかできない、
とても特別なものだ。
それをにこにことしながら言えるなんて、すばらしいです。
おたがい、なんだか、よかったです。
どうだ、いいだろう! とぼくは胸を張ります。
「20年ぶり!」と笑って握手するというのは、
「また、あしたね」と耳元でささやく、
に匹敵する、すばらしい挨拶だと思います。
音楽監督のS野さんが横でみていて「えっ! 知り合いなの!
なにやってたの? ‥‥へーえ! ‥‥そんな、
そんなキモチワルイことやってたのね!」と
明るく笑い飛ばしてくれた。
この場合キモチワルイは褒め言葉ですからね。
しかしぼくも「クマさんチームの武井です」って自己紹介は
20年ぶりにしたことになるわけですね。わはははは。