本が校了してようやく土日が休めるようになったのだが
毎月この時期は金欠。
こう忙しくしているのにちゃんとなくなるものはなくなりますね。
それは予約していた冬服を取りにいったりね、
前の月のカードの支払いがとんでもなかったりでね、
ま、そういうことで金欠。
なのにどうしても牡蛎が食べたくて千駄ケ谷のいつもの店に行く。
生牡蛎生牡蛎、生牡蛎をくれ。ここの、うまいんですよ。
とりあえず8個ね、あとミックスサラダ、
パスタはペペロンチーノの大盛り! と、
いつになくシンプルな構成にしたのは
メインディッシュにエゾ鹿のローストを選んだからです。
ことし初のジビエ。楽しみ!
イノシシにしようか鹿にしようか迷って
オーダー係とさんざん話して「鹿!」ということに決める。
もっと寒いほうがおいしい? いや、今時分がいいですよ、って。
ということでパスタを食べ終わり、さあ次は鹿だ鹿だ。
アルデンヌ地方のサングリア・デザルデンヌでは
ほんとうにうまい鹿のローストを食べたっけなあと
たいへん生意気で感じの悪い思い出に浸りつつ待つ。
待つ。
待つ。
待つ。
‥‥ま、待‥‥
あれ? 出てこないよ?
ていうかナイフもフォークも片づいちゃったよ?!
あのう、ぼくのオーダー通ってます?
「えっ!」
鹿、頼んだんですけど‥‥。
(どたばたどたばた、と、クチーナと往復する足音)
「たけいさんすみません! すっかり忘れておりました!」
って‥‥なんということか、いつもサービスのよいこの店で
そんなとんでもないミスが!
メインディッシュのオーダーを忘れ去られていたなんて、
そんなのアリ?!?!?! うえーん。
悲しくてわんわん泣いていたら
(ウソです、紳士なので泣きません)、
「いまからお時間をいただければつくります!」
と言われたけれど、もう拗ねちゃって
ナプキンを噛んで涙目の上目遣いで
(‥‥ウソですもちろん。髭生えてるから似合わないし)
「いえ、けっこうです」。
いいもんいいもん、メインなしで帰る!
と、デザートもコーヒーもパスして口をへの字にして店を出ました。
(それはほんとう)‥‥とぼとぼとぼ。
はからずもダイエットモードの昼食になってしまいました。
忙しい週末のランチタイムに
アラカルトで頼むほうが悪い、のか。
いや、アラカルトメニューがあるんだから
そんなことないよなあ。
ていうか、さんざん「鹿は今時分‥‥」って話したじゃないの!
あまりにしょっちゅう行ってわがまま言うから、
お互い甘えが出ましたね。
そういう感じのミス。そういや復唱しなかったね、
ソムリエの××君。
ま、いいや。次回雪辱戦としましょう。
でもやっぱり甘いものが食べたかったので
「tasyard」というカフェに行きプリンを食べる。
けっこううまかった。
ここはガーデニングショップとカフェがいっしょになった店で
ルーシーパパさんに教えていただきました。
プリンうまい!! コーヒーもすごくおいしかった。
店はかっこいいけどコンクリート打ちっ放しで
窓が開いてるので寒いったらなかったんだけど。
自分ちが自由に改装できたらマネしたいくらいの
感じのいいインテリアなんだけど。
あとなぜ洗面まわりに鏡がないんだろう。
そのあとワークアウトに行き、
肉を食べてないから力がでないようとウソをつきつつ
たのしくバーベルを持ち上げる。
このごろの目標は胸と肩の強化なので、
プログラムを変えてもらい(って、ここでもわがまま!)、
ほかの人とは順番が違うコースでやっております。
最初にインクラインベンチプレスという
斜めに横たわって、胸の真上にバーベルをあげる、
というやつを3セット(ふつうは2セット)やるのです。
最高重量は65キロくらい。これはけっこう重い。
よくやってるよ、おれも。
読んでないかもしれないが大阪のゴリちゃんよ、
武井はがんばっております。
アワヅくんもしっかりしてきたよ。
おまえなんかいなくてもちゃんとやるんだよおれは。
‥‥と言いたいところだが、秋の飽食週間で2キロ増えてた。
ありゃ?!
でもねえ、痩せて皮がたるむより、
ちょっとくらい太ってても、ハリがあったほうが、
こう‥‥いくない? と誰も賛同しないようなことをつぶやきつつ、
しっかりやってきました。
鹿肉のかわりに大盛りのプロテインドリンクを飲みました。
夜は英会話学校のルイス先生宅でサンクスギビングのパーティ。
ルイス先生はもとプロのミュージシャン(ドラマー)で
ナベサダのバンドで叩いていたという人。ボストン育ち。
奥様のマリさんは日本人で占星術研究家、
娘さんのリサさんはハーフで音楽学校の学生。
たいへん楽しい一家。ルイス先生がいちばんおとなしいくらい。
鈴木さん(兄)らも参加、あとウエールズの人とシドニーの人と。
いつのまにかドブロ・ギターでの合唱大会になった。
私はやっぱりダイニングテーブルよりキッチンが落ち着く、
というわけで、キッチン横で食べたり呑んだりしながら喋る。
サンプルで持っていった「Say Hello!」は
日本語の読めない外国人のみなさんにも大好評でした。
「スゲーカワイイ、チョーカワイイ」と言っていた。
その日本語はどうなの。
七面鳥というのは、アメリカ人は好きなんですかね。
ハムはわりとおいしいよね。
焼き立てのローストターキーは、ぱさぱさしてたけど、
へえ、こういう味なんだ。
お手製のグレイビーソースがすごくおいしくて、
けっこうばくばくいただきました。
詰め物のリンゴとカレー味のライスがまたうまくてね。
ワイン、シャンパンをたらふく呑んで歌って
終電で戻ってまいりました。
次回は私がイタリアンを作りましょう、と約束。コースで。
メインディッシュは忘れないようにしないとな。
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それはそうと、最近のお気に入りはRufus Wainwright。
Amazonでサードアルバムを買って気に入って、
ファースト、セカンドも揃えて、いま最新作を待ってるところ。
ポップでオペラなシンガーソングライターなんだけど
「ものすごくうまいのに気の抜けた歌い方をする」人で。
ていうか、一生懸命歌っていても、どこか「知らん顏」な感じに聞こえる。
ファースト、なんかこのアレンジの色香は‥‥と思ったら
ヴァン・ダイク・パークスでした。
つまり、ものすごく今の音ではない感じもする。
ほのかにスラップ・ハッピーのような匂いもする‥‥と思ったら
クルト・ワイルとか好きらしいと聞いて納得。
ただいまヘビロテ中。