はやいものでパリに来てもう6日目だ。
なにをする、ということもなく、
こうして日々が過ぎて行くのは、
なんともたのしいことだなあ。
という内容で和歌のパロディを詠みたいと思ったが、
すっかり古文の教養が抜け落ちていて無理。
夕べは軽く済ませたので
朝、起きたらすっかり腹が減っていた。
パンを買いに行くのもいいが、
スパゲッティがあるじゃないか。
トマトソースもある。
でも、そのままじゃつまらないので、
ニンニクを刻んで、
パンチェッタも細かく刻み、
唐辛子を2つ入れて、オリーブオイルで熱する。
プチトマトを半分にして、適当な量を投入。
ざっくり火を通してから、
トマトソース(カルフールのビオのやつ)を入れ、
くつくつと、煮詰めるようにしてソースをつくった。
スパゲッティはルンモのグロッソ。
11分茹での、太めのもの。
このメーカーは「のびない」ことが特徴なので、
こまかくアルデンテを狙う必要はない。
きっちり11分茹でてから、ソースの鍋に移して和える。
すこし煮詰めることでソースがしっかりとスパゲッティにからむ。
できた。
うん、おいしい。盛りつけもいい。
もうスパゲッティで失敗する気がしない。
量が多い? そりゃそうですよ、125gだもの。
(500gを4回に分ける。)
天気がいいので散歩。
ぼくの借りたアパルトマンは3区のボーブール通りから
ちょっと西に入ったところで、
これを東に行くと、その先がマレである。
はじめてパリに来たときに泊まったのが4区で、
マレの南側だったものだから、
なんとなく、パリに部屋を探すときは
このあたりになってしまう。
「チョイ住み」のときは、2区でしたね。
Arts et Metierの駅前から南東にすすみ、
ドゥ・トンブル広場を左に見ながら歩く。
アンファンルージュ市場(Marché des Enfants Rouges
=マルシェ デザンファンルージュ)は、
まだ開店前のようで、仕込み中。
なぜ「赤い子供たちの市場」という名前なのかというと、
ここは昔孤児院で、その孤児たちは
赤い服を着ていたからだそうです。
その先からヴィエイユ・デュ・タンプル通りを南西に。
ピカソ美術館の裏を通って、
ペルル通りからごちゃごちゃした裏道を抜けたら、
ぱっと、リヴォリ通りのサン・ポール教会に出た。
BHVまで進み、北上。
このあたりからマレの中心部になり、
レインボーカラーが増えてくる。
観光地として、ショッピングの町としてのマレと、
ゲイタウンとしてのマレは、同じマレで、
重層的というよりも、溶け込んでいるイメージ。
横断歩道までレインボーなんだから、やるよね。
そんななかに新店発見。
イタリア食材のイータリーが、巨大な店を出していた。
このときは前を通るだけだけど、あとでちゃんと来よう。
しかし、なかなか攻めたエクステリアだなあ。
このカゴほんものかな。湿気てかびちゃわないのかな。
そしてポンピドーの横に出る。
ここまで来ると部屋が近い。
パン屋で昼飯を買って帰宅。
買ったのは、これ。「バーガー」です。
ぜったいおいしいやつだ、と思って、
持ち帰ってあたためなおすことにしたのです。
いったん分解して、オーブンへ。
180度のコンベクション。
バンズもパティも、ついていたポテトも一緒に加熱。
あたたまったかな、という頃合いで出して、
ケチャップをはさんで再びセット。
できたできた。
昼からビールも飲んじゃった。
これが平成最後のごはんでした。
食後、ふたたびマレをぶらぶら。
まずはナイフを買いに行く。
ぼくはライヨールのステーキナイフが好きで、
すでに何丁か持っているのだけれど、
フォークとおそろいにしたいと思っていた。
マレのはずれ、ボージュ広場の先にある
ライヨールのお店は、
来るたびに寄って少しずつ買っているのだけれど、
そのフォークがなかなかなくって、
前回はバターナイフでお茶をにごした。
しかしきょうは見つけてしまった、
6種類の木を使ったセットを!
あああああ。
なぜため息のような悲鳴が出るかというと、
けっこう高いからです。
しかし‥‥うーん、いままで以上に、
これは素敵。
買っちゃいますか‥‥。
(うん、買っちゃえ買っちゃえ!
と、物欲の神様の御託宣。)
そのあとはまた歩いて、
ギャラリーに寄ったり、
本屋に行ったり(マレの本屋なのでこんなです)、
EATALYに入ったり。
そしてタルトを買って帰宅。
きょうは1万4000歩でした。
夕飯はタルトでいいや。