くまモンと野宮真貴さんとぼくの誕生日。
ちょっと不思議な夢を見て起きる。
面識がないどころか、作品もちゃんと読んでいない
(エッセイはすこし読んでいる)作家のかたが
わりと若い姿で出てきて、あぐらをかいて対面しつつ
ずいぶんと長い時間、話をしてくれた。
もう四半世紀以上前に鬼籍に入られた方である。
「もうこの世にいないんだがなあ」と言いながら、
わりと楽しそうに話をしたあと、
それじゃ、とさしだしたその手を握ったら、
とても厚く、熱くて驚いた。
手のひらは紅くて、しわが刻まれていた。
指は繊細で、そうかこのひとはほんとうは繊細な
文学青年だったんだろうなと思ったりした。
話の内容はすっかり忘れてしまったのだけれど、
その手の印象とともに、
ぼんやりと旅の話をしたことを覚えています。
起きて、春の野菜で精進揚げ。
ふきのとう、たらの芽、れんこん、しいたけ、
あと名前忘れたけどなんかの芽っぽいやつと、茄子。
夏なら冷たいそうめんで食べたいところだけど
まだ寒いのでにゅうめんというか、
「あつもり」にして食べました。
頭痛がしていたのですこしのんびりしたあと、
財布を買い替えようと伊勢丹新宿店へ。
ISETAN MEN'Sをぐるぐる回ったけれど、
「これだ!」というものがない。
ぼくが財布に求めるのは、
二つ折り(ビルフォールド)で、
札入れと小銭入れがついていて、
さらにカード類が潤沢に入ること。
そして外側は光沢のある上質な黒革がいい。
コードバンでもいいです。
全体的にはわりとかっちりした印象のもの。
でも、財布って絶対正解に巡り合わないアイテムだ。
せっかくだからちょっといいものを買おう、
と思っているのに、
予算があればいいというものでもないらしい。
正解がないので、
どのブランドもちょっと異様な量を並べている。
売れるんですね。高くね。
「こういう色が風水的に」とか
「春に買い替えると」とか
「新年があけて最初に買う」とか
「年長者に買って貰うと」とか、
そういうのはいわゆる「土用の丑」だと思うんだけど、
つまりは量を用意してあとは煽るしかないんだろう。
「これです!」という気合いの入ったスタイルを
打ち出しているところはほとんどなくって、
どれも「中途半端にそのブランド的」なところでお茶を濁している。
濁し切れない部分はロゴマーク。それだけ? それだけ。
そうか、だからルイ・ヴィトンは売れるのか。
あれは強烈に外見がわかりやすいですもんね。
そういえばルイ・ヴィトンでずいぶん前に
「グルーム」という、タンタンみたいな
ベルボーイが描かれたモノグラムが
出たことがあったんだけど、あれは可愛かった。
ちょっと欲しいって思ったっけな。
COMME des GARÇONSはスタイル(仕様)が決まっていて、
外側や内側の革の色や質を替えて
じゃんじゃん新作を出す。その仕様はわりと自分好み。
でもいまは、ほしい外見のものがなかった。
ひとつあったんだけど開くと中が金!
きんきらきんの金。
おもしろいんだけど‥‥ちょっとなあ。
財布が目立ちすぎるのはあんまりよくない気もする。
恥ずかしくてあんまり開けなくなる、
という点においては、浪費癖のある自分にはいいのかな。
そうそう、いままであんまり気にしたことがなかったんだけれど、
欧米のブランドの男性向けの
二つ折り財布には小銭入れがないんですね。
そういうものらしい。
ちまちま財布から小銭を出すのは男性性に欠けるのか、
すっかりカード社会で
小銭はチップ程度にしか要らないからなのか、
全財産をひとつの財布に入れちゃうのはリスクが高いのか、
どういう理由なのかわからないけど
「マネークリップ+カードケース+小銭入れ」
というスタイルがけっこう一般的らしいということを考えると
財布に小銭入れがないのもまあそんなに不思議じゃない。
でも自分にはちょっと馴染がない。
上質な牛革に巨大な亀の刺繍がしてある、
かなり可愛いトム・ブラウンの財布にも小銭入れがなかった。
「これに小銭入れがついていればなあ」
と言ったら、声と身体のでかい若い店員が
「そうなんですよー。ついてるほうがいいですよねー。
アチラは別なんですよねー。
だからつけてくれってアチラに言ったんですよー。
そしたら絶対つけないって言うんですよー。
小銭は捨てちまえ! って言うんですよー!」
笑ったですよー。
いわゆるブランド品のなかで
小銭入れ付き二つ折り財布があったのは
ボッテガ・ヴェネタだったんだけど、
ボッテガかあ‥‥うーん、ボッテガかぁ。
わかりやすすぎるだろう。ボッテガ。
威張り感はないのはいいんだけど、
それにしてもその値段(高い)。うーん。
自分には不要な写真入れがついていて、
とてもていねいなお姉さんが
「こちらに家族写真を入れてらっしゃるかたがいて‥‥
とっても素敵だったんですよ‥‥」
とささやくような落ち着いた声で
提案してくださったのだけれど、
申し訳ない、ぼくはそういうタイプじゃなかったです。
検討しますね、と去りました。
日曜日の伊勢丹は混んでいて
「相手を知ってから提案する」時間がないからなのか、
伊勢丹にそもそもそういうところがあるのかはわからないんだけど、
「とにかくまんべんなく弾丸トーク」だったな、今日は。
ふらっと寄ったライカ売り場でも
「ライカQいいですよ! これこれこうで、
これこれこうで、これこれこうなんです!」
って教えてくれたけど、そうだよね、
それ全部知ってるよ、ありがとう!
そしてオートフォーカスであることを
最大の売りにしていたけれど、
このカメラのいいところはそこじゃないんだよなあ。
接客って難しいですね。
結局、館内のありとあらゆる財布を見て
(もちろん1Fの財布売り場もためつすがめつ)、
結論は「またにしようっと」。
小銭入れスタイルに変更してみるのか、
それとももうちょっとがんばって
気に入った小銭入れ付きが見つかるまで探すのか、
しばらくたのしく迷うことにします。
あとで気づいたんだけどきょうは
「さいふの日」、312、だったんですね。
ケーキでも買って帰るかと地下に降りたら
甘いもの売り場がどこもここも大行列!
それも男子で。
そうか、3/14対策か。たいへんだ。
生菓子はすいていたので千疋屋で
プリンとショートケーキを買いました。
そして家で簡単なカレーをつくって夕食。
豚バラ薄切り、ホールトマト、キャベツ、えんどう豆という
不思議な組み合わせだったけど、
あんがいいけました。
ケーキもうまかった。
ちょっと不思議な夢を見て起きる。
面識がないどころか、作品もちゃんと読んでいない
(エッセイはすこし読んでいる)作家のかたが
わりと若い姿で出てきて、あぐらをかいて対面しつつ
ずいぶんと長い時間、話をしてくれた。
もう四半世紀以上前に鬼籍に入られた方である。
「もうこの世にいないんだがなあ」と言いながら、
わりと楽しそうに話をしたあと、
それじゃ、とさしだしたその手を握ったら、
とても厚く、熱くて驚いた。
手のひらは紅くて、しわが刻まれていた。
指は繊細で、そうかこのひとはほんとうは繊細な
文学青年だったんだろうなと思ったりした。
話の内容はすっかり忘れてしまったのだけれど、
その手の印象とともに、
ぼんやりと旅の話をしたことを覚えています。
起きて、春の野菜で精進揚げ。
ふきのとう、たらの芽、れんこん、しいたけ、
あと名前忘れたけどなんかの芽っぽいやつと、茄子。
夏なら冷たいそうめんで食べたいところだけど
まだ寒いのでにゅうめんというか、
「あつもり」にして食べました。
頭痛がしていたのですこしのんびりしたあと、
財布を買い替えようと伊勢丹新宿店へ。
ISETAN MEN'Sをぐるぐる回ったけれど、
「これだ!」というものがない。
ぼくが財布に求めるのは、
二つ折り(ビルフォールド)で、
札入れと小銭入れがついていて、
さらにカード類が潤沢に入ること。
そして外側は光沢のある上質な黒革がいい。
コードバンでもいいです。
全体的にはわりとかっちりした印象のもの。
でも、財布って絶対正解に巡り合わないアイテムだ。
せっかくだからちょっといいものを買おう、
と思っているのに、
予算があればいいというものでもないらしい。
正解がないので、
どのブランドもちょっと異様な量を並べている。
売れるんですね。高くね。
「こういう色が風水的に」とか
「春に買い替えると」とか
「新年があけて最初に買う」とか
「年長者に買って貰うと」とか、
そういうのはいわゆる「土用の丑」だと思うんだけど、
つまりは量を用意してあとは煽るしかないんだろう。
「これです!」という気合いの入ったスタイルを
打ち出しているところはほとんどなくって、
どれも「中途半端にそのブランド的」なところでお茶を濁している。
濁し切れない部分はロゴマーク。それだけ? それだけ。
そうか、だからルイ・ヴィトンは売れるのか。
あれは強烈に外見がわかりやすいですもんね。
そういえばルイ・ヴィトンでずいぶん前に
「グルーム」という、タンタンみたいな
ベルボーイが描かれたモノグラムが
出たことがあったんだけど、あれは可愛かった。
ちょっと欲しいって思ったっけな。
COMME des GARÇONSはスタイル(仕様)が決まっていて、
外側や内側の革の色や質を替えて
じゃんじゃん新作を出す。その仕様はわりと自分好み。
でもいまは、ほしい外見のものがなかった。
ひとつあったんだけど開くと中が金!
きんきらきんの金。
おもしろいんだけど‥‥ちょっとなあ。
財布が目立ちすぎるのはあんまりよくない気もする。
恥ずかしくてあんまり開けなくなる、
という点においては、浪費癖のある自分にはいいのかな。
そうそう、いままであんまり気にしたことがなかったんだけれど、
欧米のブランドの男性向けの
二つ折り財布には小銭入れがないんですね。
そういうものらしい。
ちまちま財布から小銭を出すのは男性性に欠けるのか、
すっかりカード社会で
小銭はチップ程度にしか要らないからなのか、
全財産をひとつの財布に入れちゃうのはリスクが高いのか、
どういう理由なのかわからないけど
「マネークリップ+カードケース+小銭入れ」
というスタイルがけっこう一般的らしいということを考えると
財布に小銭入れがないのもまあそんなに不思議じゃない。
でも自分にはちょっと馴染がない。
上質な牛革に巨大な亀の刺繍がしてある、
かなり可愛いトム・ブラウンの財布にも小銭入れがなかった。
「これに小銭入れがついていればなあ」
と言ったら、声と身体のでかい若い店員が
「そうなんですよー。ついてるほうがいいですよねー。
アチラは別なんですよねー。
だからつけてくれってアチラに言ったんですよー。
そしたら絶対つけないって言うんですよー。
小銭は捨てちまえ! って言うんですよー!」
笑ったですよー。
いわゆるブランド品のなかで
小銭入れ付き二つ折り財布があったのは
ボッテガ・ヴェネタだったんだけど、
ボッテガかあ‥‥うーん、ボッテガかぁ。
わかりやすすぎるだろう。ボッテガ。
威張り感はないのはいいんだけど、
それにしてもその値段(高い)。うーん。
自分には不要な写真入れがついていて、
とてもていねいなお姉さんが
「こちらに家族写真を入れてらっしゃるかたがいて‥‥
とっても素敵だったんですよ‥‥」
とささやくような落ち着いた声で
提案してくださったのだけれど、
申し訳ない、ぼくはそういうタイプじゃなかったです。
検討しますね、と去りました。
日曜日の伊勢丹は混んでいて
「相手を知ってから提案する」時間がないからなのか、
伊勢丹にそもそもそういうところがあるのかはわからないんだけど、
「とにかくまんべんなく弾丸トーク」だったな、今日は。
ふらっと寄ったライカ売り場でも
「ライカQいいですよ! これこれこうで、
これこれこうで、これこれこうなんです!」
って教えてくれたけど、そうだよね、
それ全部知ってるよ、ありがとう!
そしてオートフォーカスであることを
最大の売りにしていたけれど、
このカメラのいいところはそこじゃないんだよなあ。
接客って難しいですね。
結局、館内のありとあらゆる財布を見て
(もちろん1Fの財布売り場もためつすがめつ)、
結論は「またにしようっと」。
小銭入れスタイルに変更してみるのか、
それとももうちょっとがんばって
気に入った小銭入れ付きが見つかるまで探すのか、
しばらくたのしく迷うことにします。
あとで気づいたんだけどきょうは
「さいふの日」、312、だったんですね。
ケーキでも買って帰るかと地下に降りたら
甘いもの売り場がどこもここも大行列!
それも男子で。
そうか、3/14対策か。たいへんだ。
生菓子はすいていたので千疋屋で
プリンとショートケーキを買いました。
そして家で簡単なカレーをつくって夕食。
豚バラ薄切り、ホールトマト、キャベツ、えんどう豆という
不思議な組み合わせだったけど、
あんがいいけました。
ケーキもうまかった。