ああ酔っぱらっている。
バスクに来てからずっと酔っぱらっているような気がする。
もちろん午前中はそんなことないんだけれど、
昼から飲むし、夜も飲むし。
大量に飲むことはないけどずっと飲んでる気がする。
うっしっし。
そんな状況で書いております、すみません。
(強いほうなので酩酊はしませんよ。)
さて朝。
寝坊して起きて、朝ごはんをどうしようかと冷蔵庫を見る。
量だけは計画的に買っているつもりなんだけれど
何をつくるかは決めずに食材を買うので、
だんだん残り少なくなってくると知恵を絞らねばならない。
豚肉、セロリ、にんじん、新たまねぎ、
トマト、ししとう、きのこ。
ブロースも残っている。
炭水化物はスパゲッティがある。
ラグーをつくろうか。
こまかなダイス状に切った食材をオリーブオイルで炒めて、
トマトを入れ、そこから出る水分とブロースでぐつぐつ煮る。
味は昨晩ステーキ用につくっておいたバスク塩。
あとでチーズをおろしてかけるから薄めに。
煮詰まったらバターを落として、
ゆで上がったスパゲッティを混ぜて完成です。
具だくさん!
食後一休みして、散歩に。
きょう26日月曜日は街は通常営業のはず。
だが月曜日というのはミュージアム系が休み。
部屋の近所にあるサンテルモ美術館も閉まってた。
街はけっこうな人出。
商店が開いているのでウインドウショッピングも楽しい。
とはいっても、地元っぽいお店ばっかりで、
もちろんスペインのブランドばかり。
知っているのはZARAとかMANGO、あと、LOEWE。
で、LOEWEに入ってみたけどピンとくるものもなく
(財布がほしいと思ってはいるんだけれど)、
地元の商店に買いたいものもなく、
あえて言えばベレー帽かなあ。バスクの。
これは「買いたい」気持ちはあるが
「かぶりたい」わけでもないので複雑。
不要な土産になる可能性大。
でも老舗のベレー帽屋さんがあるみたいだから
あとで行ってみようかな。
散歩のあと食材を買って戻ったら14時ちかく。
きょうの昼は自炊せずにバルに行こう。
なにしろアパートの回りはバルだらけの旧市街。
前にこのあたりで食べたときは
ピンチョス(つまみ)の1皿の量があんがい多くて
そんなにハシゴできないなあと思っていたんだけれど、
シェアすればけっこういけそう。
部屋から下に降りると商店街、というのは
ぼくの生まれ育った環境と同じ。
ここのように大人が立ち飲みしているわけじゃなかったけど、
住宅地の真ん中よりはしっくり来る。
汚れてても、ちらかってても、ふしぎな愛着。
とはいうものの、スペイン語はほとんどできないし
(これひとつください、とか、おかんじょー、とか、
そのくらいは言えますが)、
気持ちはホームでも境遇は完全アウェイ。
バル慣れもしていない。
そんななか思い切って3軒!
最初に入ったバルは「Goiz-Argi」、
次に入ったのは「Bar Sport」、
そして3軒目は「Borda Berri」です。
ざっくりした感想で申し訳ないんだけれど、
どのバルにも個性があり、ちゃんと味のちがいがありました。
「Goiz-Argi」はうんと気さくなあんちゃんがやっていて、
店内のインテリアもカジュアル。照明あかるい。
客層はちょっと若い感じです。たまたまかもしれないけど。
ここでは揚げたマッシュルームとか、イカ、タコを食べる。
「Bar Sport」はとても定番的なバル。
おじさんやおばさんが店員さんで、
客もおじさんやおばさん多数。
ごった返すカウンターの隙間から注文する。
ここでは「うに」がたいへんおいしかった。
「Borda Berri」はいっけん無愛想ながら
とても親切な美人姉妹が仕切っているお店。
ほかの2店とちがうのは、カウンターに料理がないこと。
注文すると奥のキッチンでつくってくれる。
だからピンチョスというより、一品料理的。
客筋は落ち着いている感じがしました。
ここはスープや肉料理がとてもよかった!
味を比べてみようと、
好きなタコを3店で注文したけれど、
それぞれちがうものですね。
「Goiz-Argi」がいちばんかな。
ここは魚介が得意で、味付けは素朴。
塩と胡椒とオリーブオイル、みたいな。
でも料理としては「Borda Berri」かなあ。
トータルでおいしくって居心地がよく、
バルらしくないといえばらしくないけど、
ぼくは好きでした。
チャコリもそれぞれで飲んだけど、
どうやら定番の銘柄がちがうらしく、
好みだったのはやっぱり「Borda Berri」でした。
よく冷えてたし。
でも「Bar Sport」のウニも忘れられないなあ。
クリームと、ビスク的な魚介出汁でのばしていて、
あったかいんです。
3軒もハシゴすればお腹いっぱいでほろ酔い。
いったん部屋に帰ったんだけれど、
そうだ、買い物だ!
同行のT嬢がやはり帽子がほしいというので
一緒に出かけました。
途中でバスクリネンの店を見つける。
ぼくが旅先でついつい買ってしまうものは、
以前はエスプレッソカップだったんだけれど、
最近はエプロン。
いわゆる土産物(サンセバスチャンって書いてあるような)ではないほうがいいので、
こんなふうに専門店を見つけてとてもうれしい。
店は「Euskal Linge」といいました。
ここでエプロンと、お揃いの帽子
(要らないんだけどかぶったらほしくなっちゃった)、
ミトンとランチョンマットを買いました。
あとで記念撮影。酔ってるので変なもの持ってる。
そしてこの帽子はこういうふうにアンシンメトリーにかぶるんだそうです。
さて帽子屋。
「CASA PONSOL」という、1838年創業の店。
(追記:今残ってる帽子屋としてはスペインで最古だとか!)
ここでぼくは革のハンチング、
T嬢はフェルトのつばの広い帽子を購入。
X-LARGEがあってよかった。
いちおうベレーもかぶってみたけど、
ただ「おもしろい」だけでした。
やっぱりバスク人じゃないと似合わないんじゃないだろうか。
ALBOKAというらしく、雄牛の角でできている笛。
循環呼吸をしながら連続した音を出すらしく、
ふうむ、そりゃあかなりの技術だなあ。
ALBOKAに興味が出たので
iTunesで「Alboka」って入れてみたらいろいろ出た。
それを聴きながらこれを書いております。
バスクの音楽は牧歌的でのんびりしております。
そしてアイスクリームを買って食べながら
ぶらぶら歩いて帰りました。
そのあとは部屋でのんびりすごす。
昼を遅めにたっぷり、
夜は一杯、というのがこちらの人のスタイルだけれど、
もう外に出る気力はなく、
ポテトチップスでワインを飲んで、くだものを食べました。
それでよしとしたはずが、酔っぱらったので、
ついついオムレツをつくってしまった。
酔っぱらうと何か作りたくなるのはどうしてだろう。
じゃがいもいっぱい入れて、切り落としの生ハムも入れた。
ちょっと焦がしたけど、おいしかったです。
なんだか一日中酔っぱらってたなあ。
こういう日もよし!
明日はレストランを予約しているので
とてもたのしみです。