ワハハ本舗全体公演「ミラクル」へ。
ちいさな公演はときどき観てたけど
全体公演は何年ぶりだろう?
そうだ昨年は当日に高熱だしちゃって行けなかったんだった。
観ていて思った。
ああ、ぼくはワハハ本舗、ほんとに好きなんだよなあと。
劇団、というとなんとなくニュアンスが違う気がするけど
いわゆるカンパニーでいちばん好きなんだ。
完全に身内だったときは
「こうすればいいのに〜!」とか生意気なことを
ずいぶん思ったりもしてたのに、
こうして離れてみると、すばらしいと思う。
やりたいことが明確なんだもの。
それは、笑ってもらいたい、
元気になってもらいたいということ。
そして、心から彼らはそう思っている。
人生の役割のようなことだと感じている気がする。
もちろんそれは喰さんというトップの考えが
強く影響しているわけだけれど、
そういうことがカンパニー全体に染み渡っているような気がする。
ワハハ本舗は「おげれつ!」と言われる演目が多いんだけれど、
けっして下品じゃない。
むしろ品格があるように思う。ある。
これは説明しにくいなあ。
だって、全裸男性の影絵だとか、
裸スーツの群舞とか、
生物の進化を交尾をテーマにしたダンスとか、
おむつを本来の用途で使う梅ちゃんの歌とか、
内臓やげろが満載のパントマイムとか、
けっしてTVにオンエアできないことばが
ごくごくふつうに台詞になっている歌とか、
そういうものだらけであるのにもかかわらず、だ。
笑って笑って、そしてなぜだか笑いながらしんみりもして、
ああ、この時間が終わって欲しくないなあと、
そんなこと、このところ感じることがなかっただけに、
そう思う自分にもびっくりした。
初日の公演でいろいろみんな不安だったみたいだけど
テンポもよくて、飽きさせずに3時間。
客席での遊びもほどよくって、
舞台の上では久本さん柴田さん佐藤さん梅ちゃんなんきんさん、
それぞれピッカピカだった。
大きな公演でスターをちゃんと輝かせるのはすごく大事。
やっぱりお客さんはそれがうれしい。
座長ののんちん以下若手(といってもけっこうトシ)のみんなも
ちょっと凄みのようなものが出てたし。
初日マジック? 身贔屓? なんと言われようとそう感じた。
ところでオープニングは舞台の上から観ました。
とある役割の一団が必要で、
そのメンバーを客席からごそっと連れて行ったなかに、
混じっちゃったんです。
たまたま隣が山中さん(元フジテレビのアナウンサーの)で、
「こんなことになるとはねー」と話しながら
これから開く幕を内側から仰ぎ、
板付きで登場するみんながやってきて
緊張しているようなうれしいような顔で
振りを確認しているのを見ていた。
これもすごくよかったなー。
しかも佐藤さんも柴田さんも久本さんも
こっそり混じってるぼくを見つけてくれて、
「たけちゃん!」と声をかけてくれたのもうれしかった。
(ワハハでは年長のみなさんからそう呼ばれております。)
幕が開き、暗い客席に目がなれてくると
ほんとうにたのしそうに観ているお客さんの顔がわかる。
ああ、ワハハのみんなは、
お客さんのこの顔が見たくてやってるんだよな、
と、あらためて思いました。
終演後楽屋に行ったらみんなから
「痩せた?」と言われたんだけどそんなことないです。