土曜日、出張料理人。
鈴木慶一さんの事務所(スタジオもある)で
高橋幸宏さんとの(ふたりで「THE BEATNIKS」だ!)
映像つきラジオ的なおしゃべり中心のUstream中継
「ユ*ストリーム」がある、というのでおじゃましてきました。
週末の午後、お酒を飲みながら、
酸いも甘いも噛み分けた男二人。
一筋縄ではいきますまい。
年長の友人でもある慶一さんの食べ物の好み(苦手食材のこととか)は
かずかず食卓を囲んできたなかでわかってるつもりだけど、
ユキヒロさんにちゃんとお目にかかるのは二度目、
一度目は取材だったから、個人的なおつきあいはなく、
食の好みなんてぜんぜんわからない。
ともあれオケージョン的には
きっちりした食事というよりは
がっつりおつまみ的なものがよさそうだ。
きっと和よりは洋だよなあ。
だったらぼくの好きなビストロあるいはバル的なものを
つくってみよう、ということでこんなメニュー。
フレンチ・スパニッシュ混交チームです。
●オリーブ2種(黒と緑)
●チーズ2種(クロタンと、サントモール)
●ファーストトマトたっぷりのグリーンサラダ
新鮮なオリーブオイルとトリュフジュースのドレッシング
●メゾン・カイザーのバゲット
●ハモン・イベリコ・ベジョータ24ヶ月
バスク風トマトソースをそえて
●鴨のコンフィ(ラードで)
●骨付き鶏もものコンフィ(オリーブオイルで)
●鶏の砂肝のコンフィ(オリジナル中華風に)
●残ったラードとハーブで揚げた新じゃがのフリット
●杏ジャム(自家製あかおにジャム)
●フルーツカクテル
とはいうもののきっちりした現場の「料理」は
コンフィとフリットだけ。
ジャムはストックだし、
ほかのものは、買ってきた食材を並べて
ちょこっと工夫しただけです。
‥‥が! 言ってもいい?
その「ちょこっと工夫」が、
こういうときに効くんだよー!!
生ハムに添えたバスク風トマトソースは
ビルバオで出会って感激したもので、
現地ではおそらくトマトをすり下ろしたものを
オリーブオイルと塩で調味している。
(さらに店によってはバルサミコが
別に添えてあったりもしました。)
これを日本で再現しようとするとそもそも食材が違う。
トマトの種類によっては青臭くなるかもしれない。
今回は、うんと甘い、どろっとしたトマトジュースに
新鮮なシチリアのオリーブオイルを足して
海塩をちょこっと入れてみました。
トリュフジュースは友人のパリみやげ。
トリュフの香りというよりは
お肉や魚の焦げ、あのアミノ酸な感じの香りで、
何に使っても合いそうなので、
ドレッシングの隠し味に。
(じっさい、隠れた。)
オリーブは一種類にせず
濃厚なものとさわやかなものを組み合わせる。
‥‥とか、そういうようなことです。
そしてコンフィを鴨・鶏もも・砂肝にしたのが大正解。
偶然にもユキヒロさんが鶏が好物なんだそうだ。
鴨はラードで、タイムとローズマリーの正統派。
鶏ももはオリーブオイルで、タイムとローズマリーに、
つぶしたにんにくを足して煮ました。
どちらも表面をかりっと焼いてあたためて。
砂肝が中華風というのは、
ほんとは白ごま油でやりたかったんだけど
うっかり切らしていたのでオリーブオイル、ながら、
豆鼓と山椒(粒)と、1本だけ赤トウガラシを加えて
味付けというよりは香りづけにした。
これもふっくらやわらかく仕上がって大成功。
オリーブオイルぽさは気にならなかった。
残ったラードで揚げた新じゃが、これが美味しいこと!
そりゃそうだよね、ラードにタイムにローズマリー、
しかも鴨のエキスが混じってる脂。まずいわけがない。
ということで放送後は軽く宴会になり
スタッフもいっしょにほぼ完食。
たのしかったなー。
またぜひ呼んでください!
ところでひとりで料理してると
写真まったく撮れないですね。
見た目もおいしそうにできたんだけどなあ。
ということでtwitterに出たiPhone画像をこちらに。