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岩出山の日富見家。

この週末は、仙台の年長の友人Ｎ氏の、
奥さまの実家の割烹の（←のが多い）
ホームページをつくる手伝いで、宮城の岩出山に行ってました。
孫がいる年齢の人を友人呼ばわりするのも
一般的にはどうかと思うんだけど、
とても大事な友人なんですよ。

で、その友人、奥さまのお父さん、お母さん、
いもうとさん、おとうとさん、そのおよめさん、
それから犬もいっしょに、泊まり込み合宿。
せっせ、せっせと取材をし写真を撮り原稿を書き、
ページにしてゆくお手伝い。
仙台からの移動では息子さん──往きに長男のＭくん、
復路は次男のＹくんに車に乗せてもらい、
終わって仙台の友人宅では
美人の奥さまにごはんをごちそうになるという
すばらしいおまけつき！

みなさん、おどろくほど頭の回転がはやく、
品がよくて、うつくしいひとびと。
見た目もだけど、心根（こころね）がきれいなんです。
いやはや、なんだか心が洗われる‥‥
こんなファミリーがいるんだね。

ということで、
割烹　日富見家のホームページ、できました。
ひふみや、と読みます。



とてもおいしい料理を出す日富見家、
100人を超える人でもまかなえる大きな割烹で
明治から続く地元ではとても有名なお店なのだけれど
（正統派の和食なんだけど、ほんのちょっと、
和洋折衷の要素もあって、おいしいんです）
やっぱりなかなか遠出してくださるようなお客様はすくない。
ぜひ個人客やグループのお客様にも食べていただきたいと
こうして告知をすることになったのです。
仙台からぶらり日帰りでどうぞー。
鳴子温泉の行き帰りに寄るっていうのもナイス。



日富見家で会ったバセンジーのロン。
とりこになりそうなかわいさ！
吠えない犬種なんだって。
それだけに目が表情にとんでて‥‥
散歩、たのしかったなあ。

芝居三本。

NODA MAP「南へ」
劇団HOBO「ハロルコ」
三谷幸喜「ろくでなし啄木」
火水木連続で芝居を観ました。

NODA MAPは正直言って、ぼくはよくわからないのです。
ものがたりはあまりに難解で
たぶん「ものをつくる・なにかをかえる」ための
エネルギーの集合体に触れに行くんだろうと思う。
NODA MAPは劇団じゃなくて
野田秀樹主宰のカンパニー。
毎回役者が集められるんだけど
今回は主演が妻夫木くんと蒼井優ちゃん。
彼らの熱演を観られただけでもよし、ということかなあ。
それにしても、あー、わかんない。

劇団HOBOは、とてもよかった。
こちらは劇団。役者たちが仲がいい。
そのムードがまず、あたたかいうえ、
きちんとみんなが上手で、
そして補い合っている。
オーディション系で集まった人たちがかもす
「俺がいちばん」
「どうだ巧いだろう」なところが皆無。

軽妙だけど洒脱ではなく、
ペーソスと笑いと
「しょうがねえなあ人生は」という、
あたたかいため息が、ありました。

三谷幸喜さん。
こ、こ、これはすごかった。
啄木が「ろくでなし」である、
というのは、啄木のことをちょっと調べるとわかるんだけど
（高校の修学旅行でそれを調べる係になり、
　啄木のことが大嫌いになったんですよぼく）
そこから、あそこまでのドラマを、
緻密に、大胆に、たのしく構築し、
観客をおいてけぼりにせずに、
３人芝居の世界にいっしょにつれてってくれるというのは
やっぱりほんとうにすごいことだと思う。

終演後、楽屋に。
吹石一恵さんと記念写真。
顔がでかい左端の人は、
手前にいるからそう写っているのです。
そういうことにさせてください。

神様の台本。

１月はあまりにいろんなことがありすぎた。
その集大成みたいな最後の週末、
考えてみると節分を前に、
旧暦の１年でかぞえれば、年の最後の週末だ。
１５年ぶんのいろんなタイミングが一気にあつまって、
いろんな歯車が一斉にでっかい音で「がっちゃん」。
そもそも──その歯車を回したのはほかならぬ自分だ。
しかしそこまで複雑にかみ合っていたものが
一気に動き始めるとは思わなかったのだ。
それはまるで、北からお神輿が、
東からエレクトリカルパレードが、
南からリオのカーニバルが、
西からちんどん屋が来た感じで、
なんでもまっすぐど正面で受け止めがちな自分は、
まんなかで踊るしかない。
あまりのことになんだかオーバーヒート気味。
走馬灯な二日間。

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こういうときに思い出すのは、
ゴリちゃんが死んだ前の夜のこと。
「あらゴリちゃん」「ゴリじゃないか」
「おーい、ゴリ、久しぶり」と、
狭いレストランのあちこちのテーブルに
ゴリの知っているひとがいた、あの夜だ。
それはみんなほんとうにすてきな大人たちで、
あとで思うと、神様はなぜあの夜、
ぼくらをあそこに集わせたのだろうと思う。

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「いろんなこと」のなかには
とてもうれしいしらせが２つもあった。
自分でも驚いたんだけど
そのひとつを聞いたとき、あまりにうれしかったので
話してくれたひとを前に、５人で囲んでいた食卓で、
「そりゃあよかったねー。ほんとによかった‥‥」
と言いながらぽろぽろ泣いてしまった。
そんな自分に、自分がいちばん驚いた。
幸福が涙させるってなかなかない。
もうひとつのしらせも、
ぼくには格別深くじんわりうれしいものでした。
よかったねー。

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ポカスカジャン１５周年。
ともに歩んだ、っていうと大げさだけど、
彼らはぼくの大事な一部でもあるんだよ。
彼らにとってぼくが一部かどうかはわからないけれど。
そしてひさしぶりだったワハハのちいさめの公演、
みんなが「わぁ武井さん！」と言ってくれるのがうれしかったなぁ。
そうだったね、ひさしぶりです。
喰さんは元気でした。あいかわらずです。
この「あいかわらず」って、
時と場合によっては困ったもんなんだけど、
すくなくとも人を安心させる。
あいかわらず。

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マンジャ・ペッシェに行ったら
コースの魚が、いかすみのソースだった。
で、いかすみを食べたら、皿に、いかの絵。
気が利いてる！
そしてマンジャ・ペッシェは２月末をもって半年間休業と知る。
このタイミングで、か。
でも、閉店じゃないからね。

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タイミングとか、運命って、
どうにもならないことなのかなあ。
あらかじめ決められていたことなのかなあ。
だとしたら神様のつくった台本、見事というほかない。
この役者でよくもまあこんなドラマつくるもんだ。

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ああ、旧暦の大晦日か。
立春を迎えたら初詣に行こう。

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江戸の時間といえば、志の輔らくご　in　PARCO。
当たったチケットが千秋楽だったというのを知らず、
行ったら「本日が最終日でございます」。
ひゃあ。
演目は古典の「だくだく」新作の「ガラガラ」、
そして大ネタはいっけん講壇風（釈台がある）ながら
ばっちり落語的にすすむ新作「大河への道」。
伊能忠敬の生涯を軸に、
江戸と現代行ったり来たり、その返し技がもう見事。
軽くてひねっててちょいと拍子抜けでくだらなくて、
ときに涙させつつ感動に持っていく、けどやっぱり笑わせる。
老獪なほど上手い志の輔さん、
さらなる「軽み」を味方につけ
とんでもない噺家になっていく。
重いと高くは飛べないものね。

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天国の神様たちに文芸部があるのなら、
ぼくの人生脚本担当は
志の輔さんみたいな神様であってほしい。
でもたぶん松尾スズキさんみたいな神様が担当だと思うな。
せめてハッピーエンドにしてください。
旧暦の初詣でそう願おう。

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ぼくのおもしろ人生をわりと間近で見てる者が
「自分は通りすがりだから」などと言う。
とんでもない、きみは、主要キャストです。
‥‥落語だけど。