ギャラリー介をやっていらした
目利きの女将こと井上さんの引率で中央線に乗り
ガラス工芸家の高橋禎彦さんの
アトリエに遊びに行く。
「無人駅で、アトリエは山奥」
と聞かされていて、まさかぁと思っていたんだけど
ほんとにその通りでした。すごい山奥! 超山奥!
高橋さんはとても明るく楽しいかたで
風体、素行は売れっ子ロックギタリストみたい。
しかし吹くガラスはとても繊細(でも大胆)。
ドイツで学んだガラスの技術はたいへん高いもので、
ぼくが初めて買った高橋さんの作品は、ワイングラス。
「このグラスで呑むと、
1000円の安ワインも、とても美味しくなるのよ」
という井上さんの言葉にふらふらと買い求めた‥‥
という経緯は、以前書きましたっけ。
それから赤用、白用、そしてゴブレットと、
すこしずつ増えているわが家の高橋作品です。
吹くところを見せていただいたんだけれど、
ミュージシャンというより
ダンサーを観ているみたい。
動きに無駄がなく、軽く、しなやかで、
一瞬一瞬の判断が的確。
ぶうん、と、吹き棒をまわし、
遠心力に手伝ってもらって成形していく様子は魔法のよう。
ぽかんとしている間にグラスができあがってゆきました。
倉庫も見せていただく。
蔦が部屋の中までのびて枯れ、
クモの巣が張っているような棚に並ぶ色ガラスのオブジェが
窓からの光をうけてにぶく光るようすは息をのみました。
その倉庫からほんのすこし、グラスやオブジェが
わが家にやってくることになりました。
うちはうちで飾る場所なんてありゃしないんだけど、
‥‥なんとかしないとな。
お昼にごちそうになった豆のカレー、
とてもうまかったです。