コム デ ギャルソンの、
渡辺淳弥さんのデザインによるライン、
秋冬物の初日に行く。
すでに川久保玲さんのデザインのものは
青山本店に並んでいて、
先週、それを見に行った。
COMME des GARÇONS HOMME PLUS。
思想→服→思想、というんでしょうか。
そういう服のありかたは好きだし、
完成品も、あいかわらず、とても素敵だけれど、
ぼくには着れないものがほとんど。
(こんなんです。)
ぴったりのトルソーであれば選ばれる、という感じ。
ぼくは選ばれていない感じ。
美術館のように観賞。手で触れるアートだ。
いっぽう、ディエチ・コルソコモ・コム デ ギャルソンに並んだ
淳弥さんの服(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS MAN)、
こちらは、服→肉体→服。
はじまりが服。男の肉体をはさんで、終着点も服。
川久保さんが「思想家のつくる性差を超えた服」だとしたら
淳弥さんは「服好きの男の子のつくる男の子の服」。
(メンズだけの話です。ちなみに、こういうコレクション。)
もちろんつくる人も買う人(ぼく)もおじさんですけど、
今季のは、男子心がたまんなかったです。
いままでに個別に展開していた、
ミリタリー、ワーク、アウトドア、
そしてそのぼんやり向こうに(でっかく)いるアメリカ。
なのにアメリカ抜きで、
ヨーロッパと日本に、いきなり、橋をかけちゃった感じ。
淳弥さん、あらゆる技術を習得して、
すごく自由になったんじゃないかなぁ。
四の五の言わず、「着たいでしょう、これ」というものを
がんがんつくっている。
そんな印象。
もはや、モンクレーじゃなくても、
すばらしいダウンがつくれている。
ダブルネームの経験が生きてる。
でも、もう組まないというわけじゃなくて、
相手がいないとできないようなものだったら、
遠慮なく組む。尊敬をもって組む。
今回のリーバイスのカスタマイズ・デニムなんて、
もう、す、す、すばらしい‥‥。
もちろん上着もいっぱいあったんだけど、
デニムと組み合わせるとものすごく派手になって、
「がんがん着る」感じではないので、
予算的にパス。
しかし今回、小物もいっぱいあって、
しかも、サイズ大きめの、コーデュロイのキャスケットとか
先っちょから指が出るニットの手袋とか
くるぶし丈のニットの靴下とか(!!!)。
「あったらいいのに」というものが、わんさか出てた。
着るのはちょっと先になるけど、
訊いたら生産数が少ないというので買っておくことに。
ああ着たい。寒い国に行きたい。
渡辺淳弥さんって「秋冬物」が本領なんじゃないかなぁ。
たぶん「好き」なんだと思うんです。
あきらかに春夏物より、のびのびしてる。
そしてもうひとつ手がけている、
COMME des GARÇONS HOMME。
こちらは、JUNYA MANのほうでの実験や経験を
とても平易に着られるものに落とし込んでて、
JUNYA MANが「着るぞ!」という、
能動的にスイッチオンな印象なのに対して、
「いつでもここにいますよ」という
受動的なアピールをするようなタイプの服。
シャツ購入。
長く着ることになるでしょう。