音楽を聴いているといろんなことを思い出すけど、
とくにライブだと、次に何が来るかわからないから、
喚起される思い出も、突拍子もないものだったりする。
十代から聞いている大好きな音楽家のライブが
1週間に、2つ続けてあって、
そのたびに、いろーんなことを思い出した。
最近のことも、ちょっと前のことも、うんと昔のことも。
確かに悲しいはずの出来事は、
思い出すと、霧の向こうみたいだ。
悲しさって、ちゃんと、薄れていくように、
人間って、できているんだなぁ。
悲しいことばかりを覚えていたら、
ちょっとやっていけないものねぇ。
あの、もうこれ以上ない、という悲しみの最中、
これがずっと続いたらどうなるんだろうと思ったけど、
現実にはこうしてあっけらかんと生きている。
どっちかというとうれしいことばかり思い出して、
毎日、笑っている。
あのことを、忘れた日はないけれど、
それにしても、あのときと、同じような悲しみは来ない。
思い出すのは、屈託のない笑顔。
そんな年の瀬。