コンランショップでサラダ用の器を買う。
サラダ用、って限定でもないんだけど
サラダ用にいいかなと思って。
というのもサラダ用の皿というのを持ってなくて
ちょっとボウルっぽい、でも和っぽいところがあって、
でもどんぶりじゃないんだよなあ、
木のボウルっていうのもありだろうけど、
木のボウルだと三谷龍二さんのが欲しくなるしなあ、
それはカンタンに手に入らないし、
和風の陶磁器は、なんかちょっと違う気がするし、
漆なんてかっこいいけど背伸びしすぎだしなあ。
かといって洋食器のサラダ用の磁器のボウルって
完璧につくられすぎてて、なんとなく好きじゃない。
‥‥と、なんとなく買わないままに来ていたのです。
ぼくのサラダのつくりかたは、
野菜を水洗いして、手でちぎるなり、包丁で切るなりして、
サラダスピナーで水気をとばし、
大きなボウルに入れ、先に油(オリーブオイルのときもあれば、
白ごま油のときもあります)をまわしかけてよく混ぜ、
そこに塩をぱらっぱらと振り、さらに混ぜ、
柚子だとかカボスだとかレモンだとかの柑橘系を絞り、
クロコショウを挽いて、さっくり混ぜて、それでおしまい。
じつにかんたん。基本的には手で混ぜる。
野菜はいろいろですけど、
今朝は蕪の葉っぱと、小松菜を、どちらも生のまま使って
超グリーンなサラダをつくりました。
あんがいうまかったんだけど、盛る皿が決まらなかった。
で、このボウル。
WANKI WAREという、南アフリカのジョージという町にある
小さな工房のものだそうです。
イースタンケープから採取された粘土で
1点ずつつくっていると、書いてありました。
形をつくったら、5日間、
アフリカの炎天下にさらして乾かして、
そこから窯に入れるので、かなり丈夫にできている、と。
コンランショップのバイヤー(あるいはコンラン卿)、
こんなの、よく見つけてくるよなあ。
で、いちばんゆがみが個性的なのを選びました。
ちょっとオーバル気味。
日本の陶器に似ている気もするし、そうでもない気もするし、
でもヨーロッパじゃないし、アジアでもないし。
そんなあんばいが、わが家の半端な感じに合う気がします。
そのあとコート試着に。
ことしはダウンじゃなくてメルトンな気分じゃない?
と、勝手なイメージ。
そう言いながらダウンジャケットを便利に着続けるのは
目に見えているんだけど、
ちょっと、厚手の毛織物の感じも
悪くないかなあと思っていて。
そして、そろそろダッフルコート解禁!
と、自分では思っていたので、試着してみたところ、
どうも、まだみたいでした。
大学生のころまでよく着ていて大好きだったのが
いわゆるダッフルコートだけど、
年をとって着てると「年くった浪人生」みたいになり、
いまや「妙な若作り」になってしまうようです。
あと10年くらい経ったら、いいのかもしれません。
ということでピーコート、の、丈の長めのやつ、
あれなんていう型なんだろ‥‥装飾の少ないトレンチ型?
が、候補になりました。
色は、思い切ってグレーがいいなあ。
そして伊勢丹メンズ館。
父親に頼まれていた
「ふだん使いの、革の二つ折りの財布、
小銭入れ不要、ちょっといいやつ」を買う。
「ちょっといいやつ」って言われても。
クロコダイルやリザードじゃないよねえ?
好きなブランドなんてあったっけ?
と、確認の電話なんかすると薮蛇なので、
見た目と、こちらの勝手な予算で選ぶことにする。
しょうじき、ン万円の予算をとれば、
それなりのぜいたくができるんですが、予算はその半分。
ということで、そのなかでは、過剰に何かではない感じが
たいへん好ましかったETTINGERにしました。
英国王室御用達であれば文句はないでしょう。
外が黒、中が橙色。
ふだん使いには、かっこいいと思う。
宅配便で送ったよと電話をすると母親が
「中身はたっぷり?」と、くだらない冗談を言う。
あちゃー、もう送っちゃった、
先に言ってくれればねえ、わはははは‥‥と、
力なく返す。
そういえば「みゆきさん」の、読んだわよと言われる。
そうだ、DVD「歌旅」を観た感想を言う連載の最終回で
ぼくは、母の姉の人生のことを話していたのでした。
書くよと言ってなかった。ごめんごめん。
「いいのよ、いいんだけどね、
あれ読んで、なんでかな、一晩眠れなかった」
そうでしたか。
さすがに、思うところが、ぼくよりも、大きいもんねえ。
いまはどうなの、おばちゃんは。
「元気よ。あいかわらず、はみでた口紅してるわよ。
きれいな色の、いただきもののセーターを着てたから、
すてきな色ねえって言ったら、
『そうなの! わたしが、きのう、1日で編んだのよ』
って言うのよー」
伯母は和裁も洋裁も編み物も得意だったのです。
1日でセーターが編めちゃう年齢に生きてるんだろうな。
「たまには、遊びにいらっしゃい」
はい、そうします。