東京でいちばん好きなイタリアンレストランに
大食い友の会で行ってきました。
きょうはうまいものを食うぞ!
と、体調をととのえて、お財布もととのえて、
たくさん食べられるようにして臨む店。
あまり行かないようにして(行けないんだけど)、
だいじなときに行くようにしている店。
ミシュランで☆をとっちゃったんで
予約が取りづらくなったけど、
前もって予約して、ひさしぶりに行ってきました。
つきあってくれた親友よわが胃袋の兄弟よ、
ほんとうにありがとう。
これでまた太ったな。
ジム行こう。
さて、スズキ。
鈴木さん(オーナーシェフ)も
小寺くん(サービス長)もまったくかわらず、
むしろ元気が増したみたいに
はりきってやってました。
厨房スタッフも増えたみたい。
おなじみのカウンター席。
鈴木さんが元気に笑ったり怒鳴ったり
小突いたり蹴ったりしながら
調理しているのを見つつ、
ああやっぱこの席好きだなあと再認識。
‥‥あ、そんな怖い店じゃないですよ、
とってもたのしい店です。
料理。以前よりとんがった感じが減って、
円熟したというか、もちろん挑戦的なんだけど、
鈴木さんなりのクラシックの解釈というか、
そういうのがいっそう進み、
自信にあふれて余裕もある感じ。
食べたのは、
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オリーブ&ピクルス
焼き空豆
蒸し鮑の野菜ジュレのせ肝ソース
焼き初鰹のグアンチャーレ巻き
ツブ貝のアンチョビソース
ホワイトアスパラの生ハムのせ
甘エビとトマトの冷製カッペリーニ
タラのカラスミのせタリアテッレ
チンタ・セネーゼ(豚)の腿丸焼き
ミルフィーユと、みかんのジェラート
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あと、とてもおいしい白ワイン。
鮑の蒸し加減が絶妙で、和食に通じる繊細さ。
初鰹に巻かれたグアンチャーレは
あぶらっけのない鰹をおぎなって、こっくりおいしい。
さらに粒胡椒が焦げて、薫製の香りに。
ツブ貝には「ハナビラ茸」と「あさつき」(短いほう)が
合わせてあって、食感が面白い。
ホワイトアスパラはいちどブロードで火を通し
そのあとグリルパンで焼いている。
生のような歯ごたえのまま、
ちゃんと火がとおり、でもすじっぽくない。
甘エビはいちど昆布でしめたということで
水分が抜けねっとりと、うまみが増してて、
「これ、寿司みたいだ」と思いました。
タラのカラスミは、言われなければ
熟成のすすんだハードチーズのよう。
あっさり目で塩がきつくないので
バターとともにたっぷりからめて食べました。
チンタ・セネーゼという豚は、
おなかに白いベルトのようなもようがある黒豚だそうで、
シエナの食材だそう。
年に二度くらいしか入らないというめずらしい豚で
その腿1キロを2時間かけて焼いてくれた。
というか、注文前に焼き始めてた。
な、なんで?
「きっと武井さんがとびつくと思って、
先に焼き始めてました」
だそうです。ええもう、そりゃまちがいない。
とびつきます。
で、も、も、ものすごかった。
長く煮込んだ角煮をもいちど焼いたみたいだった。
って、へんな感想だな。
ジューシーでやわらかくて、脂はいいかんじに抜け、
皮はかりんこりんに焼けている。
ああ、ああ。これをひとり500グラム? うれしい。
食べても食べてもなくならない! 幸せ。
食べ過ぎだという意見は、まあいいじゃないですか。
というわけで、料理は満点です。
ほんとに非の打ち所がない。
偶然居合わせた左隣のお客様、白髪のマダムに
「まあ、たくさん食べるのね!」と驚かれ、
右隣のジャズ・シンガー女史に
「おたんじょうびおめでとー!」
といい声で祝っていただきました。光栄ですだ。