たいへんどうでもいい話ですが
ぼくは家で音楽を聞くのに、
1989年に出たSANSUIの
AU-α607L EXTRAというプリメインアンプに
1998年に出たPIONEERのDV-S5という
DVDプレーヤーをつなげ、
1983年に出たJBLのSTUDIO MONITOR J216
というちっちゃくて安いスピーカーを使っております。
どれもはんぱに古いです。
総重量40キロ超。
ひとむかし前のオーディオは
高級機じゃなくても重かったんだなあ。
いまiPodが全盛なように
当時はシステムコンポが全盛だったけど
どうもぼくはあのなかに好きな音が見つけられなくて
(カタチも、余計な機能が多いのも好きじゃなかった)
ダイナミックオーディオのセコンドハンズなんかで
単品のオーディオ機器の新古品(店頭中古とか)を探して、
バイトして貯めたお金でひとつずつ買ったんでした。
そんななかサンスイのこのアンプは当たりで。
JBLとの相性がすごくよくて、
中〜高音の、ひりひりしないでのびる感じと、
低音の、うそっぽくない響きかたのバランスがよく、
ほんとにいい音で、大好きで、
だからこの組み合わせでずっと使いつづけてるわけです。
たぶんDVDが先に寿命が来るんでしょう。
そうしたらこんどはSACDやDVDオーディオが聴けるのに
しようとは思ってますけど、
いまのところこれで満足。
‥‥と思っていたら、
アンプがいかれました。
「バリバリバリ」と左のスピーカーから出る音が妙なことに。
音を絞ると、その現象が起きて、
さらにときどき聞こえなくなる。
おじいちゃんみたい。
いろいろ調べたら、経年変化で出る
「ガリ」という症状らしいことがわかりました。
‥‥買い替えか?
と一瞬思ったけど、まずは修理です。
サンスイはもうオーディオ事業から事実上撤退している、
ということは知っていたので、
修理専門店に相談するか‥‥と思ったけど、
当のサンスイこと山水電気は、まだ、いちおう、ある。
いろいろ調べてみると、いまの山水電気は、
香港企業の傘下になり、国内の社員は十数人、
いちおう上場企業のままなんだけど、
株価は数十円台で、デイトレーダーたちからその株は
おもちゃみたいに扱われている‥‥らしい。
なんだか悲しいニュースばかり。
それでもいちおう修理窓口はある。
こころざしのようなものが残っていると信じたい。
これは消費者の勝手なセンチメントですけど。
さて電話をしてみると、お姉さんが出て、
わりと親切に対応してくれた。
出張修理できますよ、という。
えっ! 出張修理?!
18年前のアンプを、いまのサンスイが?
すごいすごい。ぜひ来てください。
ということできょう、サンスイの技術の人が
来てくれて修理してくれました。
部品をとりかえたり、
ハンダごてでなにやらくっつけたり、
もくもくと、1時間。
取り換えたのがけっこうな部品だったので
もろもろふくめて27300円なり。
症状がわかったところで
これだけかかってしまうんですが
やりますかやめますかと訊かれ、
直るんならやりますと。
直りますか? はい、ぜったいに直りますよ。
なんて頼もしいんだ。
ぜったい買い替えるよりいいと思う。
買い替えるとなったら、
気に入った音がするアンプをさがすのが骨だもん。
修理完了。専用の洗浄剤で端子を掃除して、
このために買っておいた
ちょっとだけグレードアップしたスピーカーケーブルと、
かなりグレードアップしたインターコネクトケーブルで
つながったDVD=アンプ=スピーカーが、
ふたたびうごきはじめました。
音についてはぼくはうまいこと言えないんだけど、
コレステロールがとれたみたいな感じというか、
ちょっとした頭痛がなくなった感じというか、
音が全体的にすっきりしました。
血管さらさら、というか。
ケーブル売り場のお兄さんによると
買ったケーブルについては
「これを使うと音の立ち上がりがよくなりますよ」
というんだけど、
そんな音速のことを言われてもねえ。
でも言わんとしていることはわかる気がしました。
ためしに大貫さんのCDを聴いたら、
声が若返ってるみたいに感じた。
いや、ほんとなんですよ。不思議だなあ。
テクノよし、ピアノよし、
クラシックやジャズは聴かないけど、
アストル・ピアソラなんかもいい感じ。
うれしいなあ。新しいオーディオ買うよりうれしいかも。