たいへんすばらしい内容だった、
ほんとうにすばらしい内容だった、
心がこもった歌ってこういうもんなんだと思った、
5000円じゃとんでもなく安いと思った、
「吉野金治の復帰を願う緊急コンサート」のあと、
ロビーで清水ミチコさん夫妻とばったり。
自他共に認める矢野ファンのわれわれである。
たいてい、矢野さんがらみの会場でお会いすると
決まってこの会話となる。
「楽屋、行く‥‥よね?」
「行きます‥‥よね?」
「びびっちゃうよね」
「清水さんがびびるんじゃぼくはどうすればいいんですか」
毎度、同じことを話し、
「先に行ってよ」
「いやですよ」
とか話しつつ楽屋へ‥‥のつもりでいたら、
携帯電話をかけながら号泣する謎の女が現れた。
ほんとに、でっかい声で、携帯で話しながら号泣していた。
(小声で)「あれ、喜びの号泣? 悲しみの号泣?」
(小声で)「知りませんよ!」
(小声で)「武井さんはっきり聞いてなさいよ!」
(小声で)「いやですよ!」
号泣女はそのあとロビーを写メで写していたので
(小声で)「なんだ、たいしたことじゃなかったみたいですね」
ということになった。
そうこうしているうちによく知っている人が現れたので
いっしょに楽屋に連れてっていただきました。
矢野さんにはご挨拶できて、
大貫さんはもう帰られたあとで、
細野さんは一度しかお会いしたことがないし、
佐野さんなんかまったく存じ上げないので、
ご挨拶は遠慮もうしあげ、
さくさく帰って参りました。
ともかくも、吉野さんの回復をお祈りします。
「よしのさん」と打つと「佳乃さん」とまず出る
ぼくのパソコンはどうかしていると思います。