●メガネを買う。
手にアクアグローブをつけて
がんがん泳いだら酸欠で頭痛。
のんびり泳ぐということができない性分。
そういえば祖母が幼い僕に「せっかちくん」という
あだなをつけたのを思い出した。
ぼくはあいかわらずです、ばあちゃん。
そしてフラフラ(馬鹿)の状態で眼鏡を買いに行った。
ねぼけて踏んづけてこわしちゃったんだよーん。
外苑前の、リュネット・ジュラ・グラン。
ぼくの眼鏡歴でいちばん長いのは白山眼鏡店、
なのだけれど、ちょっと飽きちゃった。
さあどこで買おうと考えたとき、
最近評判がいいのは999.9だけど、
うーん、もちょっと、変わったのないかな?
ということで「個性的な眼鏡しかない」、
この店に行きました。
前にサングラスをつくって、とてもよかったんで。
リュネット・ジュラは
フランスやドイツ、ベルギーなんかの工房ものを
たくさん扱っていて、「こんなの無理でしょう」という
妙ちくりんなものがたくさんある。
ムーンライダーズの白井さんもここでつくってます。
で、Theo(テオ)というベルギーの工房の、
eye-witnessというシリーズの1本を選ぶ。
100%チタンで、左右がわずかに非対称。
小振りだけど横幅があって、
四角くはなく丸くもなく、かけごこちもよかった。
でもチタンって高いんですね‥‥
目にはケチれないから、ま、いっか!
●地震な日。
ジムでさんざん走ったあと原宿でちょこっと買い物をして
表参道まで出て地下鉄に乗ろうとしたら、
東京メトロ全線ストップを知る。
困ったなあ、5時半に用賀に行くのに、
と、交差点でぼーっとしていたら
スタバのアイスカフェラテを
ちゅうちゅう吸いながら歩いてくる
どこかでみたおじさんが。
「おお武井さん! おれ代官山にいたんだけどさあ、
軽トラとかゆっさゆっさ揺れてて、
お店でも、危ないから棚から離れてくださいって
いわれてたくらいなのに‥‥なんかさ、
ここらへんの人、落ち着いてない?」
社長社長、歩いていると案外、
わかんなかったんですよ、地震。
しょうがないので渋谷まで歩くことにする。
半蔵門線がむりでも田園都市線が動いていればなあ。
てくてく歩くとけっこう暑い。
汗だくになるとワイシャツ一枚というオシャレは仇。
背中にはりついてかんじわるいなあ。
「eYe」での買い物も仇。重い。
でもズック地のずだ袋を「これもちょーだい」と
買ってたのに助けられた。
物欲よありがとう。
渋谷駅、混乱。まだ動いてないみたい。
地下鉄の入り口は、運行を待つ人々が座り込んで、
ぼんやりとした諦めムード。
考えてみたら田園都市線も二子玉川までは地下鉄だものな。
しょうがないので語学はキャンセル。
といっても、だ、内藤町までどうやって帰ろう?
歩くのやだなあ。と、困惑していたら思い出した、
早大正門行きのバスは渋谷発で、
うちの前を通るじゃないか。
バス停を見つける。人がどっちゃり。
しかも、来ない。
だいたい混む道を通るバスなんだけど
こんな日はなおさらなんだろう。
隣で待っていたおばあさんと話をする。
おばあさんは原宿駅前のコープオリンピアに住んでいて
地元では食材が買えないので渋谷まで出てくるんだそうだ。
コープオリンピアにはむかしスーパーがありましたのにねえ。
「南国酒家が、のしちゃって、ほんとにもう」
だから食材は、バスに乗って渋谷西武か、
新宿伊勢丹に来るのだそうだ。
ちょっとお怒りの様子だが、なんとなくだけど、
不自由ながらの都会ぐらしも悪くない、
というニュアンスでした。
渋谷も変わっちゃったんでしょうねえ、
ぼくの母は隠田(というのは神宮前の旧町名です)から
静岡にヨメに来たんですよ、
隠田の「瑞穂」の大福はおいしいですよねえ、
というような話をしているうちにバスが来た。
前のほうで待っていたので座れたけど、
うわぁ‥‥ここまで乗せる?!
電話ボックスに何人、入れるでしょうか!
みたいな、ぎゅうぎゅうづめ。
こういう緊急時にこんなこと言うのは
ほんとうに了見が狭い男なんですが、
隣の、子連れの、痩せたおとーさん、
汗でぞうきんの匂いがします!!!
おかーさん、ちゃんと日に干して!!!
ああ、コドモに、変なにおいのお菓子を
食べさせはじめちゃったよ、なんだよそれ。
混んでるのに。うわー、こぼすなよー、
しかも、においが、まざって、‥‥うえっぷ。
かんべんしてくれ‥‥
せめて自分はぞうきんくさくならないようにと
心に誓いました。
途中、たいへんな渋滞、
しかもどこのバス停にも長蛇の列なんだけど
もう乗せてあげられないのが申し訳ない気分。
これが戦争でなくてよかった。
こういうときにどんどんネガティブに想像力を働かせてしまう。
あのときバスに乗れさえすれば‥‥、とかね。
さてなんとかよれよれと重たいバスは内藤町に到着。
ただいまー(といっても誰もいないんですけど)。
ああ、ぢかれだ。
家は、茶わんが落っこちて割れていた。
でも大きな被害はなかったようだ。
冷たいカッペリーニをつくって食べて、
25時間テレビを見ようっと。
●eYeのデニム。
ところでジーンズを買ったんですが、
尻ポケットがすごくカワイイ。
オーバーサイズでだぼだぼに穿くといい、とすすめられ
W33L34を購入。でっかい。
いいトシをして、腰ばきでずるずる。
いえ、腰ばきと言っても、
痩せたワカモノのような感じではなく、
それは痩せてもいなければワカモノでもないからなんだけど、
「やや」ね。「やや腰ばき」。
なので裾も切ってない。
切るなら、いちど水洗いして
縮みを確認してからでいいですよと、
痩せたワカモノの店員くんは言う。
で、折って穿いてるんだけど、
すこーし、引きずるんですよ。
それが、なんか、腑に落ちないんだなあ。
水たまりとか、すごくいやだ。
でも、これ以上折るのやだしなあ。
やっぱ切るかなあ。
ワカモノはこういうの平気なんだろうか。
ちなみにこの画像は
こないだはちやさんたちと行った
中目黒の飲み屋で
ディスプレイに使われていた謎の帽子、
かぶってみたら妙に似合った。
ついでにもういっちょ、
ともだちにおしえてもらった
「このうえなくひどい占い」。
でも当ってるんだよ! ひどいなあ。
●東西の魔女と双子のおやじ。
昨日の夜ごはんは、西の魔女こと
本願寺のF女史主催でラ・ベットラ。
いやー、料理も凄かったけど
ぼく以外の3人がすべて「荒木番」
(アラーキーの各社担当者)というのもすごい。
しかしいちばんスゴイのは、
F女史の魔女っぷりであった。
狙った獲物は自然と向こうから近づいてくる縁の強さ、
そしてたぶん運命の握力の強さ。こんな人見たことない。
歌舞伎によく来るのも「役者席」(出演者が持っている座席)
を分けてもらうのだというんだけど、
もともとコネクションがあったわけじゃなくて
「見終わって出てきたら、
出演なさってた●●さんとばったりお会いしたので
声を掛けて仲良くなりました」
と、ほんとうにそれだけだという。なのに、
連絡さえすれば役者席。うーむ!
この日のラ・ベットラも、
よく予約がとれますねえと言ったら
平日はぜったい大丈夫だという。
もちろんオーナー席である。
うーむ!!!
そのほか、繰り出されるエピソードの洪水に
東の魔女も双子のおやじも、たじたじ。
それぞれそうとう妙な人たちなんですけど、
「一回も走ったことないのに久米島フルマラソンに
出るんですの。走れない気がしないから」
という東の魔女のアッパーも
「山田詠美さんの宇都宮の実家に遊びに行きました!」
という双子のおやじのブローも
「ありゃ、蚊に刺されちゃった」くらいの
エピソードにしか思えない‥‥。
そして、あまりに濃いグラマラスな風景に、
それだけで酔いそうでしたが
めちゃくちゃにおいしいワインもいただいて
ごきげんになりました。
●用賀で冷やし中華。
用賀で英語の授業。
鈴木さん(兄)にバッタリ、喫茶ミナトで冷やし中華を食す。
赤飯とおいなりさんを買いました。
そしてそのまま先生の娘さん(ベーシスト)のライブへ。
さらにそのまま三茶のバー、2時半までワイン。
無計画ならではの楽しい一日。
●夏風邪と、ややアブナイ症状。
しかしその後がひどいことになってしまった。
ゴキゲンで帰ってきて夜中、
突発的に風邪の症状がひどくなったのでした。
ちょっと咽喉が痛い程度だったんだけどなー。
どうも熱があるみたい(測らない)。
酒が入っているので、なんていうのかな、
バッドトリップってこういうことかね、
というような、
ちょっとした精神病的な状態になる。
ちなみに、もともと閉所恐怖症的なんですけど、
それが極端にひどくなってしまい、
こういうとき安定剤を飲むのか。なるほどなあ、
と冷静な自分もいないではないが、
「このまま、気が狂うのでは」とかなり恐くなる。
大声を出したり、ぴょーんと飛び降りたり、
手首切っちゃったり、する人がいることを
たいへんリアルに理解する。
このままだったらどうしよう?
週明けにそういうお医者に行くか俺?
と思いつつ、起きていたら、
だんだん酒が抜けてきたらしく、
ふつうの風邪の症状になってきた。
なんとか就寝。
起きて、そういう状態はすっきり脱したものの、
風邪はひどくなってました。
日曜は一日寝て、途中1回起きて
パスタゆでて大盛りを食べて(食欲はある。でも味わかんない)、
夜中の1時に起きてこんどはそうめんを食べる。
食欲はある。
●両国、現実、鼻声。
江戸博ついでに、両国といったら「ほそ川」。
青み大根のおろしそばにしようとしたら
「きょうは、いい大根が入らなかったものですから」
と、品書きから外した旨を告げられる。
すばらしい姿勢だよなあ。
で、せいろ1枚と、ごぼうのかき揚げの冷やしそば。
世界一うまいごぼうのかき揚げはここで食べられます。
例によってそば湯をたっぷりいただき、満足。
器の内側、金箔がほどこされていた。
穂村弘『現実入門』読了。
これはエッセイというより、文学ではないですか!!!
驚愕のラスト。いや、もう、驚いたのなんの。
小説として出したら、直木賞ものだと思うんだけど。
種村さんの本をさらに2冊買う。
風邪がだいぶよくなったので
ワークアウトもしてみる。
スクワット100キロはちょっとコワイので
85キロに落としたりしたものの、
なんとかなりました。