●銀座でオトナな夜。
銀座で食事、というのは、
ぼくにとっては敷居が高いというか、
「まだまだだな、若造」と言われている感じというか、
自主的には滅多に足を踏み入れないところなので、
こうして誘っていただくととても嬉しい。
というわけで銀座ろくさん亭。
そうか、銀座って、こういう大きな古い
雑居ビルのなかに、バーやレストランが
どっさり入ってるんだなあ。
三菱の古いエレベータに乗り合わせるのは、
スプリングコートの下に、派手すぎないネックレスを覗かせ、
胸が大きめに開いた、地味なんだけど高そうな
黒っぽいドレスを着ている、
40代くらいの、バーのママさんたち、それから、
サイドベントがちゃんと2つ入った
スーツを着た紳士たちの群れ。
ああ、こういうところがさすが中央区、銀座。
渋谷区千駄ケ谷や港区南青山とは違うぞ。
もちろん新宿区新宿ともぜんぜん違う感じです。
銀座といえば先日「夜上海」にも行ったけれど
それはzoe銀座という、モダンなビル
(エレベータはシースルーだ)に入っていたので
「新しい銀座」な感じ。
こっちは「ただしい銀座」という感じ。
そこからしてなんとなくドキドキでしたよ。
そしてろくさん亭。
店内の腰かけも、椅子じゃなくてソファなんですね。
浅く座り、ちょっと前のめりで背筋を伸ばせば
和食を正しく食べる姿勢に近づき、
どっしり深く座って、御猪口を口に運べば、
いわゆる「銀座でくつろぐ紳士」な姿勢にもなる。
なるほどねえ!!
なんて、いかにも若輩者の驚きでした。
さて食べたものはじつに正しい和食。
ほんとうにおいしかった。
いま数えてみたら24品あった。
といっても、懐石ですから、ひと品は
そんなに多くありません‥‥が、
「これはこのくらい食べたいなあ」
というのが、的確な量なのにたいへん驚く。
たっぷりしたお椀もあるし
ほんとうにひとくちのものもある。
あ、ちがうな、ひとくちで食べられるものはない。
どれも「ふたくち」あった。
つまり「あ、美味しい! もうちょっと‥‥」な、
そんな頃合い。
ふだんは「がっつり、たっぷり」に感激するんですが
それはきっと、若やいだことなのだろう。
「的確さ」というのがやっぱりオトナなのですね。
もちろんタイミングもすばらしくて
「さ、そろそろ」の頃合いが抜群でした。
卯月の料理ですから、
春の素材をたっぷりいただいたんだけど、
なにしろ「出汁」に命をかけているかたが
オーナーのお店、
食べたときに、「のどから胃」の方向だけじゃなく
「のどから鼻」に抜ける香りが
口のなかで、ぽんとはじける感じ。
あちゃー。
たとえば筍なんて、噛んだときにはじめて
封じ込められた香りが飛び出すんですよ。
それがほんとうにいい香りで‥‥
そんな体験が24品ですから、たまらないですよ。
初めていただいた、3年ものの「糠鯖」の茶漬けとか、
おつまみでいただいた河豚の糠漬けとか、
そういう脇役系の料理もただ事ではなくって、
心から満足いたしました。
あ、若鮎。稚魚といってもいい若さなのに、
腸(わた)が、ちゃんと、深く苦いんですよ。
切ないくらいの春の味だった‥‥。
お誘いくださったかたはmixiを通して知り合った
某社取締役という「超」のつくオトナでありましたが
「おもてなし道」という稽古事があったら
間違いなく家元。そのくらい穏やかに、
楽しく、もてなしてくださって感激です。
「口をすべらす」ということですら、
おそらくきちんと演出されたサービス。
すばらしいなあ。
次は料理民宿「さんなみ」遠征か?! という、
大きめの夢を見ながら解散。
ありがとうございました!
●だらだらと2日間。
GW初日の朝まで仕事、
家に戻ってちょっと寝て、
お赤飯とかしわもち(松島屋で買った)を食べて、
トータルワークアウトの六本木ヒルズ店へ。
担当トレーナーのゴリちゃんが異動になったのです。
僕の担当者はことごとく異動になる運命です。
でも六本木なら、三田よりも家に近いので、
いま「月水金」で三田というシフトを変更、
「火木」を三田、「週末」をヒルズにしようということに。
で、行ってきたわけです。
例によって吐く寸前まで追い込まれた。
でも気持ちいいんだよね‥‥マゾだよね。
スピードトレーニング、ヒルズで週末に
一緒にできる人いませんかね。
鈴木(兄)さん復帰しましょうよ。
ヒルズではアッキィが
「スーパークリエーターズアリーナ2」
っていう、アートのフリマみたいなイベントに
参加しているというので遊びに行く。
アーティストやデザイナーや編集者や
イラストレーターや、というような人たちが
自作だったり放出品だったりを並べているのでした。
坂本美雨ちゃんがブースを出しててびっくり!
わー、ひさしぶりー!
彼女はアクセサリーをつくっていて、
それはプロな仕事でもあるんだけれど、
とってもガーリーなので、僕には合わない。
残念!
アッキィのところでは、
「アイラブほりえもん」というTシャツを購入。
もう、ほんと、アッキィは、こういうことをして
人を困ら‥‥楽しませてくれます。
いつもありがとう!
でもちょっと小さかったので、
会社に寄って、同僚の机の上に置きました。
プレゼントだよ<同僚よ。
そして『なんくるない』の表紙絵の
タイ人アーティスト、
ウィスット・ポンニミットさんのブース発見。
わー。好きなんだよねー。
と思ったら、本人発見!
手描きTシャツを売ってらしたので
まさに描いている最中の1枚を購入。
すっごいかわいいの!
でも画像は未撮影。こんど撮りますね。
乾くまで、そこらへんで座って待ってたら、
似顔絵を描いてくれました!
なんというかさ、ポイントつかんでるよね‥‥。
こんな、なんだね、ぼくは。
セルフイメージはもっとハードな男なんだが、
どうしたって「丸」なわけだよね。
さて土曜。朝床屋。
伸びるの早すぎ、爪も髪も。とほほ。
3週間ほっといたら
「‥‥どうしてこんなに伸びるんですか」
と担当のチバさんも驚く、
デビュー当時の森昌子みたいな無闇な髪形になっていたので
またうんと短くしてもらう。
そしたらゴルゴ松本のように短くなった。
って、我ながらがっかりする比喩である。
帰り、パークハイアットのデリで
ローストチキンとサラダ、
ケーキショップでチーズケーキと
ショートケーキとロールケーキを買う。
食べ過ぎだよなあ。と思いつつ平らげる。
ちょい昼寝したらもう夕方。
土曜日なので英会話の日だ。
きょうはなんだかうまく英語が出てくる。調子いい!
しかし「仕事で〜の担当をしてるんだけど」の
「担当」が出てこない。
I'm in charge of.....でしたね。ふむ。
帰路、表参道で降りて
JAN Comme des Garconsに。
オキモトさんから渋い緑色のポロシャツを買う。
オキモトさんはまだおじさんな年齢のはずなのだが
おじいさんのように見えるひとだ。
そして10・CORSO・COMO COMME des GARCONSに。
パリコレで使われたオノ・セイゲンの音楽が
CDになったというのでそれを1枚。
あとは、来月の新作用予算確保のためセーブだ。
ベアブリック×10・CORSO・COMOが出る!
とか、なぜか心霊写真の話とか、して、
「さきほど秋山さん(アッキィ)がお見えになりましたよ」
とか聞いたりして、帰宅。
店長のヤマザキさん、スタッフの大塚さん、
いつもくだらない話に乗ってくれてありがとう‥‥
●だらだらと日曜日。
天気がいいのでテラスでごはんだ、と、
千駄ケ谷のマンジャペッシェに行ったらば、
明治通りをデモ隊がシュプレヒコールをあげて
通っている真っ最中でした。
それでも意地をはってテラス席にすると言い張り、
怒号(じゃないけど、そう聞こえる)渦巻く中、
延々と続くデモ隊を見ながら、めし。
なんか、どこどこ区の役所の人たち、とか、
奥さんや子どもをつれてて、
その奥さんや子どもたちが色紙なんかでつくった
帽子だの、スローガンだのを持ってて、
わあわあきゃあきゃあ、ありゃ主旨をわかっとるのかね。
そのうち戦隊もののコスプレまでしてる人も来るわ、
「ハッスルハッスル! 声が小さい!」と
わけのわからないシュプレヒコールも聞こえてきて
どこが雇用拡大労働時間短縮だっちゅうねん。
それに驚いた道端の少女が火が点いたように泣き出した。
ああ、まったくもって、やれやれである。
思えば今朝は外苑西通り(うちの前の通り)を通る
デモ隊の怒号で起こされたのだったなあ。
どうもぼくは5月1日の過ごし方を間違えているようだ。
それはともかく、ホワイトアスパラを入れたカルボナーラ、
めちゃくちゃうまかったです。
裏原宿経由で青山へ散歩。
ものすごい人。わかもの。
帽子欲しいな、と思って、ちょこちょこ覗くんだけど、
安もんばっかでよー。けっ。
「一桁ちがうんじゃなくって?」と
マリー・アントワネットな暴言を吐きつつ、
ほんとはサイズが小さいのばっかりでさ、
今の子って、頭の、ハチ、小さいんだね‥‥。
コム デ ギャルソンの青山本店に珍しく行く。
馴染みの店員がいない店なので、
長居がしづらいというのと、
ここで扱っているブランドはあまり買わないので
(伊勢丹で間に合う)行かないのです。
行っても流すだけ、
そういう意味で珍しく買い物。
ズック地のトートバッグ(ショルダーにもなる)と、
出産した友だちへのお祝いの品を購入。
チーズを作るときに濾過に使うガーゼというのがあって
それを二重に織って、大判のストールにしたもの。
とてもやわらかくて、これは「おくるみ」になると、
店員さんと相談して決める。
待っててね、送るから<該当者さん。
コム デ ギャルソンの青山本店は
ベテランの女性店員が何人かいて、
みなさんそれはそれは個性的なのだが、
2005秋冬のテーマ「ブロークン・ブライド」
(壊れた花嫁)を、着る、
彼女たちが早く見たくてたまらない。
入場料払ってでも見たい!
あ、悪気のある発言ではなくてね、
文化とはそういうものだってことでね。