せっかくの天気のいい、
しかもあたたかい日曜に頭痛!
悪さをした孫悟空みたいに痛い。
でも外はほんとうにいい天気で、
窓から見える御苑の木々が風にゆられてぶんぶん揺れ
落ち葉が太陽にあたって綺麗なことったらない。
黄色い鳥が一斉に飛び立つみたいな落ち葉。
気温、25度まで上がるっていうじゃないか。
寝てる場合じゃないよなあ、と、
頭痛薬を飲んで出かけました。
まず床屋。馴染みの西新宿の理容店、
夏みたいな日だから夏みたいにしてください。
ハサミを入れてもらいながら、
「触るだけで失神させる」
ヘッドマッサージが天才的にうまい
理容師の女性が辞めてしまったと聞く。
知らない間に辞めてしまった。
女子ゴルファーみたいなでっかい体躯で
でっかい声でガハガハとしゃべる
陽気なおねえちゃんなんだけど、
じつはとても繊細でかわいいひとで
ぼくは大ファンだった。
月に2回の床屋は
もうこの人のマッサージを受けるのが
楽しみで楽しみでしょうがなかったくらい。
ところがつい最近お父さんの容態が急変し、
実家の理容店を急いで継ぐことになったと。
せわしない別れの12月。
夏みたいなこんな日に急な別れの報せ。
さびしいなあ。
カットは、これまたたいへんうまいひとが
やってくれているので問題ないんだけど
彼女もまた実家が理容店なものだから
いずれは継ぐために辞めちゃうのかな。
いつまでぼくの髪を面倒みてくれるだろう。
思えば、好きなデザイナーも音楽家も
うまい料理人も親切なパソコン屋も
そこ通ってる焼き芋屋のおっちゃんも
「いま」活躍してくれているからこそ
ぼくはこうして楽しめるわけだ。
心からサンキューだ。
ぼくもそうありたいもんだ。
●
さて頭痛のあたまをなだめながら
どくろTシャツに赤いダウンジャケットをはおって
ひとりぶらぶら青山へ。
暑いっちゃ暑いけど、湿度が低く風があるから汗はかかない。
まずはDSQUARED2という、
カナダ人の双子のデザイナーがやってる、
ミラノのブランドを見に。
たけいくんが好きそうだよ、と教えてもらったのです。
この冬のテーマはカナディアン・アウトドアだということで、
来期のジュンヤワタナベより早いじゃないか。
しかし、なーるほどねー、さすがカナダ人。
アウトドア加減がほんものですわ。
しかし、イタリアでつくっているブランドだけに
やっぱりちゃんと「どこかにせもの」で、
その差異が輝いている。
すごくキッチュなのですね。
そもそもカナダだから、ヨーロッパ的なものと
アメリカ的なものが混じってて、
それがもいっかいヨーロッパに渡って‥‥と、
ひねくれ加減がはんぱではない。
たいへんかっこよい。
そして尋常ではない色気とマッチョぶり
(ここらへんがジュンヤと違うところ)、
というか、たぶんこの双子はそれに憧れて
でも自分では体現できないことを
洋服で表現しているということなのでしょう。
つまり、ばりばりのゲイテイスト。かっこよすぎ。
しかしぼくがこんなの着たらますます「マタギ」に
なってしまうではないですか!
山から降りるときはちょっとはオシャレするんですね、
というふうに見られそうな感じだ。
しかもめちゃくちゃ高い。
浮気はしないと誓ったの‥‥というほど
貞淑なわけではないのだが、
あっちにお金がかかりすぎるから
お前とつきあうのは無理なんだよ‥‥困ったやつだな、
でもちょっとだけな、と、
妙にごわごわしたネルのような素材の
ネクタイを買いました。
しかし「これはネクタイではない」ようで、
ネクタイにはとても使えない厚さがある。
シングルノットでやっと結べるけど
ノットがバカでかくなる。面白い。
へんてこなマフラーみたいに使おう。
かわいいんだよ、これが。こいつが!! あぉう(叫)!!
改めてディエチ・コルソコモへ。
山崎店長から、『Say Hello!』がコム デ ギャルソン社内で
号泣の波のなか、回覧されていると聞き、にんまりする。
でしょうでしょう! そうでしょう!!
セールストークうまいんだから、と思えない熱さで
たっぷり褒められてしまいました。ふふふのふ。
そんなこと言われたらあれもこれも買っちゃいたくなるじゃないの。
でも今期はもう打ち止めなので、世間話だけで帰る。
来シーズンがむちゃくちゃ楽しみです。
ところで『Say Hello!』は、
久本さんから熱い熱い留守電が入り、
柴田さんから熱い熱い携帯メールが入り、
省吾からは泣きながら電話をもらった。ワハハ制覇。
もう自分で編集した本という感じがしない。
いっぱい広まれ、歩いていけよ、と思う。
受け止めてくれる人は、ちゃんといるから。
●
そのあと新宿に出て「高野」で
柑橘類のポンチみたいなのをがつがつ食べて元気を出して
(まだ頭痛は続いているものの)
さくらやでデジカメを見て、バーニーズでシャンプーを買って、
伊勢丹で1週間の食材を仕入れる。
ちなみにどんなものを買うかと言うとですね、
牛の切り落とし、豚の切り落とし、ステーキ肉を
いずれも馴染みのワゴンでいっぱいおまけをしてもらい、
いつものですね、と言われる鳥肉売り場で
いつものもも肉。
野菜売り場できのこ、ねぎ、はくさい、アスパラガス、
モロッコいんげんなどたっぷり。
きっぷのいいおばちゃんのところでたらこにめんたいこ、
これもおまけしてもらい、
スーパーのほうで永田農法の卵、ぽんず、ごまだれ、
最後に手抜きの夕食用に(頭、痛いから)
崎陽軒でシウマイ弁当。
これだけ買うと、シュラッグ120kgわっせわっせ、
のぼくでも両手で持って家までがまんできるか?!
という重さになります。大丈夫です、食材命。
無事戻る。
ほんとうに久しぶりに部屋じゅうに掃除機をかける。
掃除機、ダイソンのなんですけど、
「こんなに細かい埃が!?」と
くらくらするくらい埃がとれます。
さらさらの埃は、かたくり粉みたいです。
きれいになった部屋で弁当をむしゃむしゃ食う。
昨日タカシマヤで買ったアンジェリーナのモンブランも食う。
そんな日曜が終わる頃には頭痛もなくなってました。
よかった。
いまいい音でCD聴いてます。
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ともだちの快気祝いをしようと
麻布十番のイタリアンレストランを予約。
ことし食べたイタリアンで(そんなに食ってないけど)
最高にいちばんのばりばりの好み! の味の店。
元気がよくて、ちょっとクセがあって、
忘れられない印象の料理がこれでもか! と出てくる店。
雰囲気はカジュアルな店ながら、
なかなか高価なので(‥‥食べ過ぎるからだけど)、
とくべつなときにまた食べに行こう! と思ってた店。
料理長が超のつく内弁慶な店。
客にやさしく、スタッフにたいへん厳しいのです。
そのおかげで、サービススタッフは鍛えられてて
気持ちがいい時間をすごすことができる。
×日(金曜日)か△日(月曜日)で、
と予約の電話をしたら、こんな返事。
「どちらもあいていますよ!
ただ‥‥×日の金曜日は、かなり騒がしくて、
ちょっとごちゃごちゃしたなかで
お召し上がりいただくことになります。
△日の月曜日にしていただけると、
ゆっくりたのしんでいただけますし、
ぼくらもうれしいのですが」と。
おお、正直かつ感じがいい!
ということでちょっと先の月曜に
ともだちとおいしいものを食べる予定を入れました。
うへへへへへ!!
というようなことをミクシイに書いたら、
そのレスで、とある権威のかたから
レストランのオーナーというものは
「月曜日にやってきてくれるお客さんが大好き」
なのだと教えてもらった。
金曜に比べて予約が少ないから
いつもより丁寧で、いつもより楽しいのが
月曜日のレストランなんだって!
やっぱりそういうもんなのか!
Tボーンステーキ食べたいなー。楽しみだ。
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以下私信。
大阪のゴリちゃん、がんばれー。
蹴られても殴られてもがんばれー。
あなたはおれらのトレーナーです。