Blue Note Tokyoで矢野さんのライブ。
アンソニーとクリフと矢野さんのトリオは
もう9年目だそうで、矢野さん曰く
「力量が同じ3人があつまった、正三角形のようなトリオ」。
年ごとに凄みを増していく演奏、突き進む矢野さん。
かっこよかった。
アンコールで唯一の「ピアノと歌」のみの曲は「塀の上で」。
一人称が「ぼく」(男性)の歌、
それも作者は二十歳そこそこだったはずの世界、
矢野さんの表現は70年代の羽田の海から21世紀までを
一気に結んでいた。
ちょっと泣く。
終演後、以前の仕事の先輩と、後輩3人(私を含む)で
マンジャペッシェ。うれしい。
偶然(ほんとに偶然)「ルーシー」がテラス席に。
ルーシーパパさんこんばんは、ルーシー久しぶり。
わんわんわんわんわんわん。覚えていてくれた?
あのう、デザートのスフレはぜったいに食べてくださいね。
ルーシーは食べられないと思うけど。
「ぼくらもスフレは食おう。ぜったい食おう」と3人を説得して
必ずそれで締めてもらうようにコースを組んでもらう。
デザートから注文するというのは、なんだか妙。
というわけでこの日のコース。まずはスプマンテを1ぱいずつ。
そしてワシントン沖の生牡蛎(クセがなくて、でもこっくり)、
金目鯛のカルパッチョ(酸味抑えめ、甘みがある!)、
茄子のグリル雲丹と甘エビのせ(んもう!!!)、
さんまのマリネ・セロリソース(おおお!)が前菜。
すでに贅沢!
と思ったら、フォアグラのコロッケが出てきた!
パウダーのように細かなパン粉をまとって
ちょっと焦がすくらいにかりっと揚がっている
小さな、でもひとくちで食べたらやけどしそうなフォアグラ。
あぢぢぢぢぢぢ、中からフォアグラの脂が、
まるで小龍包みたいに出てくる。こうばしい。あぢあぢ。
それから、永田野菜なみに旨い生野菜をバーニャカウダで
かりこりと食べる。はつかだいこん辛! にんじん甘! トウモロコシ生!
マンジャペッシェに行ってこれを食べないことはない名品。
パスタは2品、どちらもスパゲティーニで、
雲丹と浅葱のオイル仕立と、
比内鶏とグリーンアスパラとゴルゴンゾーラ。
はぁ‥‥(溜息)。もうここでかなり満腹なのだが、
メインはこれからです。
島豚の炭火焼きレモンソース、煮た乾燥イチジク添え。
この島豚の脂がねえ、水のように舌に広がるのです。
「脂肪の99%は、脂肪として蓄えられます!
でも、おいしいです!」
と、同行のスガノが言う。そうかそうか、そりゃそうだ、
でもやめられなーい。
つけあわせはルッコラと黄ズッキーニと
オクラとカリフラワなどのサラダ。たらふく食う。
そしてスフレ。待ってました。
今日は最高のタイミングで出てきました。
沖縄のパッションフルーツと、タヒチのバニラジェラートを
スプーンごと、あつあつのスフレに落とす。
じゅわあああ、と、溶ける。そこを食べる。
会話するのがもったいない。味に集中したい。
しかし会話がなにより楽しい。困る。
そしてエスプレッソをドッピオでくいっといただいて、おしまい。
矢野さんの音楽のあとに大事な人たちとこの御馳走。
すばらしい金曜日。
体調が悪いのもふっとんだ気配。