パリに来ています。
すこしでも安くしようと考えたら、取れたチケットが
ゴールデンウィークの2日前から1日後まで。
つまりゴールデンウィーク+3日間という
かなりぜいたくな日程になりました。
休み返上、さらに往きの機内でもずっと原稿を書き、
映画も観ないで眠らずに到着。
いつものようにAirbnbでアパルトマンをとったのですが
当然のことながら部屋に食材はなし。
大家さんから赤ワインが1本差し入れてあるのみ、
なにか食べるものをと、
Googleで検索すると22時までやっているはずのモノプリは
なぜかとうに閉まった様子。
偶然、やっているカルフールを見つけて、
「カルフールかよ」と贅沢な文句を言いながら
ハムやサラミの盛り合わせのパックだとかスライスチーズ、
いつも買うルンモの太いスパゲッティ、
卵、安いオリーブオイル、
そして見るからにまずそうなパンなどを買って帰り、
夜中にもそもそとサンドイッチにしました。
ぼくは「もう遅いからやめておこうかなあ」
ということにしたんだけど
(機内で最後に牛丼をかっこんだので大丈夫)、
ひどく腹が減っているという友人は、
ものすごくうまいと言っている。
「カルフールかよ、なんて言ってごめんなさい」
とまで言っている。
もっとおいしい食材がパリには山ほどあるけれど、
大手スーパーマーケットでも地肩が強いんだなあ。
ハウスブランドのビオのマヨネーズもおいしかったそうです。
アパルトマンは共同の中庭に面した1階が玄関で、
地下にベッドルームひとつとキッチン、ダイニング、
リビングルーム。
中2階にベッドルームと、トイレ、シャワールーム。
ぜんぶで100平米くらいあります。
これくらい広いと暮らしやすい、
というまさしく見本のような広さなんだけど、
東京では望むべくもないゆったりした間取り。
内装や調度品は、貸すためだけしてものらしく、
やや安普請ながら、よくできているけれど、
年に数回滞在した経験からすると
「Airbnbにはすごく多いイメージ」の部屋です。
まるでイケアのショールーム。
だからつまらないというわけじゃないけれど。
それになんていったってアパルトマンは
ひとの出入りがなくてラク。
それにしても石でできたちいさな舞台が
リビングにあるのは、いったいなんのためだろう?
旅館の大広間の、カラオケがある舞台みたいだ。
シャワーをあびて就寝。
朝早く起きてしまったので早めに朝食をとる。
昨晩と同じスタイルのサンドイッチにして、
チーズオムレツを足して食べたところ、
なるほど、ちゃんとおいしいじゃないか。
あのどうしようもなさそうなパンですらおいしい。
でも見た目はいまいちなので写真はなし。
しばらく過ごしていたら10時に。
ちょっと出かけますか。
ちょうど、日本の友人から
「ここのチーズは最高」という
17区のお店の情報がフェイスブック経由で届いたので、
買いに行くことに。
ここは3区で、最寄り駅はランビュトーか、
アール・エ・メチエ。
3号線でヴィレールに出て、
2号線に乗り換えてテルヌへ。
そこがめざすチーズ屋の最寄り駅らしい。
いつ買ったのか覚えていない回数券があったので
持ってきたところ、ちゃんと使えました。
チーズ屋さんの名前はAlléosse。
広い道から横丁に入るとそこは庶民的な商店街で、
肉屋、魚屋、八百屋、ワイン屋などが立ち並んでいるなか、
あった、あった。
お客さんが誰もいなかったので、
お店にいたおじさんに相談。
フランス語に英語をまじえて
「ワインを飲む時に食べるチーズがほしい」と伝える。
赤、白、両方ほしい。
硬いチーズより柔らかいチーズが好み。
そうして4種類のチーズを選び(ぜんぶシェーブル)、
さらにスパゲッティ用にペコリーノ、
そして、ビオの卵と、もうなんだかとても美味しそうなバター。
食材を抱えてほくほくと、同じ経路で帰路。
アール・エ・メチエの駅からアパルトマンまでの間には、
カルフールのほかに、
ビオのスーパーであるナチュラリアがあるので、
寄ってみることにする。
ホワイトアスパラガス、ブラウンマッシュルーム、
にんにく、オレンジ、紅茶を購入。
アパルトマンのすぐ横がパン屋だったので、
クロワッサンを買って、部屋へ。
すっかり腹が減ったので、
しかしパンの気分でもなく、
スパゲッティでお昼にすることに。
きのうカルフールで買っておいたトマトソースもあるんだけど、
にんにくと残ったハムとブラウンマッシュルームを
オリーブオイルで煮るようにソースをつくったら
それだけでじゅうぶんおいしそうだったので
トマトソースは使わないことに。
チーズをおろしてかけよう‥‥と思ったら、
しまった、チーズおろしを持ってくるのを忘れた!
なにか足りないと思っていたんだよなあ‥‥。
しかたがないのでナイフで削りました。
スパゲッティをゆでる前にホワイトアスパラに火を通し、
それはマヨネーズで食べることに。
スパゲッティはきちんとソースが乳化して、
とてもおいしく仕上がった。
われながら、スパゲッティの腕はいいじゃないか。
調理中に味見というものをほぼしないので、
いつも一口目が味見となり、ドキドキする。
じゃあ味見すりゃいいじゃん、と思うでしょうが、
なんとなくそれが習慣化しちゃったんですよ。
大きな失敗はないです。
食べて昼寝。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
食材の買い出しでモントルグイユの商店街へ。
が、いったん通り過ぎて、
パリの合羽橋とぼくが勝手に呼んでいるエリアにある
「La Bovida」という調理器具の店へ。
安い紅茶用のポットがあればほしかったんだけど
(アパルトマンで使う用)、
あんがい高いのであきらめることに。
ティーバッグでいいや。
今回の痛恨のミスはチーズおろしを忘れてきたこと。
なので安いものを買おうと思ったんだけど、
うっかり、いつも使っているメーカーの、
高級版を見つけてしまい即買い。
紙ナプキンや、唐辛子、黒胡椒(マダガスカル産の原種)も購入。
ということでモントルグイユへ。
なつかしいなぁ。
というのは、この商店街のなかほどを
ちょっと横道に入ったところのアパルトマンに1週間滞在して、
NHK BS「チョイ住み」のロケをしたのです。
たのしかったな。
通りは、そうそう、ここに肉屋、ここに魚屋、
チーズ屋はふたつあって、ワインショップはここで、
イタリア総菜屋とギリシャ総菜屋はここで、
いちばん奥にパン屋のエリックカイザー。
そんなに変化してなくてうれしい。
それでもいろんな変化があって、
ワインショップ「Nysa La Cave Le Tonneau」は、
「愛を語らう」とか「魚料理に」とか、
「とーちゃんに」とか、そんなシチュエーション別に
コーナー分けされておすすめワインが並んでいた。
この分類、あたらしい。
ステーキ用のフルボディの赤、
チーズ用のジュラの白、あと、手頃な泡を買う。
八百屋は基本的には変わっていないんだが、
全体的にとてもきれいになっていた。
葉野菜たっぷり、二十日大根、レモンにライム、
プチトマト、細ねぎ、ラズベリーなどを購入。
あ、またホワイトアスパラガスも。
そして肉屋。
ハラミステーキにしようと思ったんだが、
うろ覚えのフランス語の悲しさよ、
「bavette d’aloyau」をハラミと思い込み購入。
バヴェットはハラミじゃない、
フィレの横の精肉。
ハラミはhampeで、サガリはongletだ。
ハラミのほうが旨味がつよく、脂っけもあっておいしい。
でもバヴェットもステーキにするにはいいので、
ちと硬いだろうけど、これでいい。
ハムも少量買う。
レシートがイラスト入りでとてもかわいい。
かわいくて美味しい。困っちゃうなあ。
往きと違う道を通って帰宅。
横道はずいぶん変化があり、
若い感じのブティックが増えていた。
とても活気がある。
ちなみに今回の支払は、
同行者と割り勘にする経費は
デビットカード、
個人的な買い物はクレジットカード。
デビットカードにはマスターカードの
端末にかざすだけで支払ができる
非接触決済のできるチップが搭載されているんだけど、
機械の都合でけっこうな確率でできない。
そしてできないと「サイン」になる。
せめて暗証番号だといいのにね。
(暗証番号の端末を持っているお店もあります。)
アメックスはわりと使えるみたいでよかった。
(で、部屋に戻ってきたんだけれど、やけに眠くなり、
もう8時だから寝ちゃおうかなと。夕飯食べずに。)