遅い夏休みを取っております。
もうすっかり夏ではないけど、秋口だからこそ! の自炊旅。
食材が豊富な(はずの)ミラノが目的地です。
ローマにもちょっと寄ります。
じぶんでも意外なことに初イタリアです。
同行は林屋海苔店の大将である相沢さん。
といっても飛行機は別々(ANAとJAL。ぼくはJAL)、
羽田空港でいったん集合はしたものの、そのあとは
乗り換え地のパリ、シャルル・ド・ゴール空港の
イタリア往きのF27ゲートで会いましょう、
ということで、ひとり機上の人になりました。
現地でさらに、2人後発の参加者がいるので、
合計4人になる予定です。
ちなみに相沢さんの旅の目的は
現地で林屋の海苔を使ってくださっているお客様へのご挨拶。
お土産には大量の海苔が段ボール2箱に、
パックのお茶どっさりで、往きの荷物が合計80キロ以上。
海苔ってX線にどう映るんでしょうね。
羽田空港の112ゲートで
ぼんやり搭乗案内を待っていたら
「チョイ住み、見ましたよ!」と話しかけられた。
長い黒髪が印象的な妙齢の美人添乗員さんで、
添乗員さん独特の滑舌のよさで、いかにも教養が高そう。
物事に動じなさそうな、安心感のあるかただった。
こういう人に率いてもらったらいいだろうなあ。
これからツアーでパリに往くのだという。
新婚さん2組を含む13人のツアーだそう。
へえ、新婚さんもツアーに参加するんだ、
自分たちの時間がほしくないのかな、と思ったけれど、
ちゃんと自由時間はあるし、
めんどうなことは一切任せておけるので、
心配ごとが少ないぶん、楽しい思い出が保証される、
というようなことなんだろうな。
たしかにミュージアムのチケットだって
いきなり買うのもたいへんだもの。
まともなレストランなんて予約するところから面倒だしね。
ドタバタは当たり前、トラブルだらけの旅上等、
という感じでやってきたぼくからすると、
「そりゃそうだよな」と思うし、
そのほうがとってもスマートに見える。
新婚さん「でも」じゃなくて「だからこそ」の選択なんだろう。
しかも、個人旅行よりもずっと経済的なのだそうだ。
なるほどなあ。
ちなみに新婚さんって、
たいてい女性のほうが旅慣れていて、男性のほうは内弁慶で、
からっきし意気地がなかったりするので、
海外に行くと慌てふためいたりしちゃう傾向がある。
そういう姿を見せずに済むのだから、
ツアーっていいですよね。
搭乗。
今回の座席は直前にえいやっとアップグレードした
プレミアムエコノミーの非常口前席。
窓はないけど視界が広い!
別に美しいわけでもないですけど。
ちなみにJALのエコノミーの食事は、
往きが飯島奈美さんのプロデュース。
担当編集者としてたいへん誇らしい。
メインディッシュの選択肢は
和か洋か、チキンかフィッシュか、じゃなくて、
「なつかしロールキャベツ」と「こくうま肉じゃが」。
どちらかを選べというのは酷!
というかこの2択にしちゃったところがすごい。
で、どちらにしたかというと「こくうま肉じゃが」。
枝豆の炊込みごはんがたっぷり添えてある。
副菜は、しめじとさつまいもの入ったサラダ、
にんじんとハムとくるみのメープルシロップ、
おからサラダ(ここにもさつまいも!)、
特製フルーツポンチという、
いかにも飯島さんらしい組み合わせ。
おからがあるところもすごい。
国際線の機内でおからを食べたの初めてだ。
にんじんとさつまいもがやや多いあたりは
飯島さんらしいけれど、ちょっと好みが分かれるかも。
でもおいしい。あの味がばっちり再現されている。
「やさしい味」というのがテーマらしく、
なるほど、かなりおだやかな気持ちになる。
脂質もすくなくて、もたれないし、
過剰にしょっぱくもない。
大げさに言えばJALが
「こういう企業でありたい」と思っていることを、
飯島さんがメニューに組み立てたという感じだ。
しかも、これをエコノミークラスで!
(エコノミークラスだから、かな。)
さすがだなあ。
ほんとうにぜいたくを言わせてもらえるならば、
汁物も飯島さんにプロデュースしてほしかった。
JALさん、ご一考くださーい。
ついでに朝食にも飯島さんプロデュースで
「お麩の入った和風たまごやきと、
梅干し、おかゆ、鶏そぼろ」
なんてのがあったら最高なんだけど。
ちなみに着陸前の食事はエアー吉野家。つまり牛丼。
味はいいけど、とっても食べづらかった。
箸が短くて、容器が深いからということと、
開けるときに汁が手についちゃうのを改善してほしい。
「たまごだし醤油」という謎のソースは、
つまり「溶き卵」なんだと思うんだが、
いいアイデアという部分よりも、食品としての違和感が。
だったら温泉卵をつけてほしいなー。
あれはあれで「違和感」のある外国のかたもいるかな。
難しいところですね。
あ、だったら甘いいり卵とかそういうほうがいいのかも?
とか、いろいろ思いつつ、着陸。
JALが着くのはターミナル2E。
ミラノ往きのエールフランスは2F。
近いようで案外歩くんだけれど、
空港の中を表示に従って進むのは
ちょっとゲーム的要素があって好きです。
ターミナル2Fでぶじ相沢さんと合流、
ミラノに着くのは夜になっちゃうので
夕飯に困るだろうと、空港で適当に買い物をする。
DFSでワイン2本とチーズ、
PAULがあったので(どこにでもあるね)
クロワッサン2コとサンドイッチ2コ
(パリジャンと、テリヤキチキンみたいなやつ)。
ひとまずこれでなんとかなるでしょう。
ミラノ往きは満席。ていうかぎゅうぎゅう。
おしゃべりの好きなフランス人とイタリア人
(みんな機嫌がいい)に、
乗り継ぎの日本人がちらほらという乗客構成。
到着直前にトマトモッツァレラのサンドイッチが出る。
けっこうおいしい。
ミラノ着。80キロの荷物を無事受け取って
長蛇の列にならびタクシーで
ミラノ中央駅のすぐそばのアパートへ。
お湯が出ない(スイッチがわからなかった)とか
Wi-Fiが通じない(いまケイタイでつなげてます)とか
いろいろ小さなトラブルはあるとはいえ、
無事夕飯もすませ、
あったかい布団で眠れてよかった。
ちなみにベッドは、ヨーロッパ的な
すごーく狭いシングル。
ぼくは寝相がいいのでじゅうぶんです。