日本にもどりました。
リスボン、フランクフルト、東京、
新春早々のおもしろすぎる旅が終わっちゃった。
なんだかいつまでも続きそうな旅だったけど
人生に終りが来るように、やっぱり旅に終りは来るんだよね。
こういうときの別れはさっぱりしたほうがいい。
ほんじゃねー、と、成田空港駅で手を振って解散。
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さて時間を巻き戻しますと、
早朝、雨のなか、タクシーでリスボン空港へ。
フランクフルトまでのTAP PORTUGAL便に乗る。
リスボン空港はたいへんな混雑。
フランクフルト往きはなぜか老人ばかり。
途中エアポケットに落ちてものすごい悲鳴を上げた女性がいた。
ぼくらは「おもしろーい」んだけど。
フランクフルト、到着は昼、
そして東京往きの出発は夜8時半、
そのチェックインは夕方4時半から、
ということで、荷物をBaggage Storageに預け、
市内に出ることにする。
空港直結の鉄道駅からフランクフルト中央駅までは
かんたんに行けるはずなんだけど
なにしろ下調べもなにもしてないうえ
表示がぜんぶドイツ語で弱る。
券売機の前でああだこうだしていたら
おばあさんが来てドイツ語で教えてくれる。
しかしドイツ語理解しません私たち。
が、根気強いおばあさんのおかげで
「往復」「2人」「フランクフルト市内」の切符を
買うことができました。
そういえばリスボン到着時にも
おじいさんやおばあさんに助けられたよなあ。
ついでに言うと、リスボンではバスを待ってるとき
地元の女性に「バス行っちゃった?」と(たぶん)訊かれたり
地下鉄で子どもに「いま何時?」と訊かれたりした。
地元に東洋人は珍しいんだけどねえ。
緊張感のないチームゆえ、かもしれません。
さて、フランクフルト中央駅。
かっこいいな、さすがに。
ちょっと外に出てみるも、
駅前はわりと殺伐としていて
チャイニーズ系と風俗系の店が多い。
そして寒い。氷点下2度。
「ソーセージとりんご酒でも」と思ったんだけど
店探しそのものをあきらめて
駅構内のファミレスみたいな店に入る。
ウインナシュニッツェルとポテトを注文。
そんなたいしたことないだろうと思っていたら
これがおいしくてびっくり!
ひさしぶりに揚げ物食べたからかな。
そしてリスボンから来たものだから
物価の高さにも、びっくり。
同じEU内でこんなにちがうんだ!
気分としては倍以上、です。
空港に戻り、荷物を受取って、
JALでチェックイン。
さくらラウンジに行き手荷物をロッカーに入れ、
手ぶらで免税店をぶらぶら。
目当てのモンブランのパスケース(Suica入れたいんです)、がない。
あきらめる。
同行者がオーデコロンを探すのにつきあって
いろんな匂いをかぐうちにくらくらしてくる。
シャネルのBLUEを買う。
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さくらラウンジで軽食、シャワー。
最初は仕事をしていたんだけど、シャワーを浴びたら
なんとなくモードが切り替わっちゃって、
仕事をやめてしゃべろうということに。
それもまた、よし。
そのまんま搭乗し、しゃべりつづける。
食べたり寝たり起きたりしてまたしゃべる。
ひさしぶりに「ゴリちゃん」の話をする。
いろんなことを思い出して少し泣く。
しんみりしちゃったね、と言いつつ、
武井さんはそういう感情の起伏に
自分とまったく違うところがあるから面白いんだよね、
と、同行者は冷静に言う。
そうだな、この人はいつも冷静だ。
どんなことがあっても冷静だ。
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ちょっと眠って起きたら
もうすぐロシアが終わるあたりまで飛んでいた。
海を越えたら日本だ。
フルーツとヨーグルトをもらって朝食にする。
やがて日本を横断して太平洋へ。
日本の海や森はなんだかくすんだ色。
あの真っ青な大西洋に乗り出していった航海者たちの気持ちを思う。
あの色は、たしかに、向かっていきたくなる海だったなあ。
もし大西洋がこの色だったら、
彼らはあんなふうに出ていったのだろうか。
そして、ぼくらはまた旅に出るのかな。