日曜日、プールの入場券、もらったまま使ってなかったので、
夏が終わる前にと品川まで出かける。
10時半くらいから3時半くらいまで
そんなに混んでない(でもチェア満席)水辺で、
日なたでのんびりできてよかった。
本を読んで、ときどき泳いで、水飲んで、
うとうとして、また本読んで、ってやってたら
あっという間に夕方になっちゃった。
このプール、一部の客層がものすごくヘン!
監視員たちとたいへん親しげにしている幾人かがいて、
どうやらその人たちどうしは、顔見知りらしいと、
数時間の滞在で、おぼろげながら、わかってきた。
つまり常連? ホテルのプールに常連っているの?
それが、だいたい二人組なんだけど、
「痩せてて真っ黒のおじさん」+「痩せてて真っ黒のおばさん」、
あるいは「小さくて真っ黒のおじいさん」×2、
または「鍛えてない真っ黒のおじいさん」+「妙に若いむちむちした女」。
その、目立つひとびとは、ほとんど高齢者ってことです。
そしてその真っ黒なひとびとに共通するのが
「ものすごく妙な水着をつけている」ことだ。
なに、あれ、ヒモ?! みたいなのが、
しかも、ずれてて、ほとんど「ひっかかってる」だけみたいとか。
尻、まるだしとか(Tバックってやつにしては、ゆるい)。
おじいさんなのに、そんなだよ! ふんどしじゃないよ!
しかも黒さが尋常じゃない。
ウオーターサーバーの近くに陣取ってた
「よぼよぼの体の真っ黒なおじいさん」が、
膝を折って天を仰ぎ口を開けて眠っていたので
「はっ、ミイラ?!」かと思ったよマジで!
死んでるよ! たぶん去年の夏からだよ!
焼いてるというより焼かれてるよ!
プールがガンジス川に見えてきたよ!
沐浴!
いったいあのひとびとはなんなんだろうと考えたんだけど
ナルシストにしては、ちっとも美しくないし、
ナルシストがああいうふうにつるむとは思えない。
そもそもぜんぜん鍛えてないし、ひけらかすような肉体美ではない。
妙な水着の目的が
「なるべく面積をちいさく」ということだとすると、
えーっと、「日焼けマニア」、の高齢者?
そんなのいるの?
あるいはたまたま東京に住んでるけど、
ほんとはヌーディストとか?
ああわからない。
東京ってこわいところですね。
●
廣州出張の帰りに香港に寄った同僚が
香港で2食しか食べてないのに
「東京でもいいかな」とツイートしていたのでしつこく異論。
「根も葉もない噂の正体」って
こういうことからなんだと思ったからなんですよ。
だって2食でわかるわけがないじゃーん。
このことばをそのまま信じたらその人の仲間には
「香港の中国料理、たいしたことないんだって」
「東京のほうが、おいしいんだって」
と伝わっちゃったりするでしょう。
そもそも比較すべきではない。
東京の旨い中国料理店は、
東京の旨い中国料理店であって、
香港の中国料理店と別のもの。
素材も違うし値段も違う。
文化が違う。持っているものの深さが違う。
環境ごと料理だ。値段も料理だ。
断言するが、香港の中国料理は
香港に行かなければ食べられない。
そして、値段にかかわらずたいへん旨いとぼくは思う。
いやはやこういうことになると頭に血が上る。
このノリで旅行ガイドブック書いてたんだから、
さぞや暑苦しい本だったことだろうなあ。
すべて絶版ですけどねえ。
それはそうと『利寶閣』はものすごくおいしかったらしいよー。
尖沙咀のiSquare(そんなのできたんだ)の24階、だそうだよー。
行きたいよー。
●
「個人的な写真に写っているのは被写体ではなく、
撮影者の視線。
そして撮影者と被写体の関係性。
その写真が撮られたところを想像するところから
写真の鑑賞が始まる。
そしてこんどは鑑賞者に対し、発表者の意図が重なる。
そこを読み取るのが写真鑑賞の愉楽。」
──というツイートをした理由は、
「とても個人的で、幸福な写真」を見たから。
被写体の幸福は、
それを撮ったひとがいるということのほうに、
すごく大きな比重があると思ったからです。
●
朝焼き肉、昼天丼、夜ケンタッキー。
なにをどう間違ってこんな世界に
ぼくは入り込んでしまったのだろう。
あの世界で僕の胃袋は16歳なのかもしれないが
この世界の僕の腹はすっかり中年だ。
そうだ空に月はふたつある(偽1Q84)。
●
朝焼き肉、ですが、
焼き肉用の牛肉がたまたまあって、
ご飯はきのう炊いたおひやがあって、
じゃあ焼いて食うかというだけの話です。
長ねぎを細かく刻んで、
ショウガも細かく刻んで、
ごま油で和えて、塩を加えて、
それをのっけて食べたせいで、
なんだか夜っぽい味になった。
キムチがあったら最高なんだけど。
あと、ちくわ、それからミョウガの糠漬け。
にっぽんの標準的な朝ご飯、
じゃないのはわかっちゃいますが、
じつは、実家はそんな感じでした。
●
それに黒烏龍茶飲んでるから大丈夫。
●
長寿の老人は肉食が多いという。
晩年の森繁久彌も外でゴハンというときは
「で、いつ肉が出るの?」と訊いたというし
現役の大滝秀治は野菜食わず肉ばっかりだというし
白洲正子は死ぬ直前まででっかいステーキ2枚、
ぺろり、だったそうだと聞く。
そういう胃袋の人に私はなりたい。
「わしが死んだら、ごま油でこんがり揚げとくれ!」
そう言って困らせてみたい。
夏が終わる前にと品川まで出かける。
10時半くらいから3時半くらいまで
そんなに混んでない(でもチェア満席)水辺で、
日なたでのんびりできてよかった。
本を読んで、ときどき泳いで、水飲んで、
うとうとして、また本読んで、ってやってたら
あっという間に夕方になっちゃった。
このプール、一部の客層がものすごくヘン!
監視員たちとたいへん親しげにしている幾人かがいて、
どうやらその人たちどうしは、顔見知りらしいと、
数時間の滞在で、おぼろげながら、わかってきた。
つまり常連? ホテルのプールに常連っているの?
それが、だいたい二人組なんだけど、
「痩せてて真っ黒のおじさん」+「痩せてて真っ黒のおばさん」、
あるいは「小さくて真っ黒のおじいさん」×2、
または「鍛えてない真っ黒のおじいさん」+「妙に若いむちむちした女」。
その、目立つひとびとは、ほとんど高齢者ってことです。
そしてその真っ黒なひとびとに共通するのが
「ものすごく妙な水着をつけている」ことだ。
なに、あれ、ヒモ?! みたいなのが、
しかも、ずれてて、ほとんど「ひっかかってる」だけみたいとか。
尻、まるだしとか(Tバックってやつにしては、ゆるい)。
おじいさんなのに、そんなだよ! ふんどしじゃないよ!
しかも黒さが尋常じゃない。
ウオーターサーバーの近くに陣取ってた
「よぼよぼの体の真っ黒なおじいさん」が、
膝を折って天を仰ぎ口を開けて眠っていたので
「はっ、ミイラ?!」かと思ったよマジで!
死んでるよ! たぶん去年の夏からだよ!
焼いてるというより焼かれてるよ!
プールがガンジス川に見えてきたよ!
沐浴!
いったいあのひとびとはなんなんだろうと考えたんだけど
ナルシストにしては、ちっとも美しくないし、
ナルシストがああいうふうにつるむとは思えない。
そもそもぜんぜん鍛えてないし、ひけらかすような肉体美ではない。
妙な水着の目的が
「なるべく面積をちいさく」ということだとすると、
えーっと、「日焼けマニア」、の高齢者?
そんなのいるの?
あるいはたまたま東京に住んでるけど、
ほんとはヌーディストとか?
ああわからない。
東京ってこわいところですね。
●
廣州出張の帰りに香港に寄った同僚が
香港で2食しか食べてないのに
「東京でもいいかな」とツイートしていたのでしつこく異論。
「根も葉もない噂の正体」って
こういうことからなんだと思ったからなんですよ。
だって2食でわかるわけがないじゃーん。
このことばをそのまま信じたらその人の仲間には
「香港の中国料理、たいしたことないんだって」
「東京のほうが、おいしいんだって」
と伝わっちゃったりするでしょう。
そもそも比較すべきではない。
東京の旨い中国料理店は、
東京の旨い中国料理店であって、
香港の中国料理店と別のもの。
素材も違うし値段も違う。
文化が違う。持っているものの深さが違う。
環境ごと料理だ。値段も料理だ。
断言するが、香港の中国料理は
香港に行かなければ食べられない。
そして、値段にかかわらずたいへん旨いとぼくは思う。
いやはやこういうことになると頭に血が上る。
このノリで旅行ガイドブック書いてたんだから、
さぞや暑苦しい本だったことだろうなあ。
すべて絶版ですけどねえ。
それはそうと『利寶閣』はものすごくおいしかったらしいよー。
尖沙咀のiSquare(そんなのできたんだ)の24階、だそうだよー。
行きたいよー。
●
「個人的な写真に写っているのは被写体ではなく、
撮影者の視線。
そして撮影者と被写体の関係性。
その写真が撮られたところを想像するところから
写真の鑑賞が始まる。
そしてこんどは鑑賞者に対し、発表者の意図が重なる。
そこを読み取るのが写真鑑賞の愉楽。」
──というツイートをした理由は、
「とても個人的で、幸福な写真」を見たから。
被写体の幸福は、
それを撮ったひとがいるということのほうに、
すごく大きな比重があると思ったからです。
●
朝焼き肉、昼天丼、夜ケンタッキー。
なにをどう間違ってこんな世界に
ぼくは入り込んでしまったのだろう。
あの世界で僕の胃袋は16歳なのかもしれないが
この世界の僕の腹はすっかり中年だ。
そうだ空に月はふたつある(偽1Q84)。
●
朝焼き肉、ですが、
焼き肉用の牛肉がたまたまあって、
ご飯はきのう炊いたおひやがあって、
じゃあ焼いて食うかというだけの話です。
長ねぎを細かく刻んで、
ショウガも細かく刻んで、
ごま油で和えて、塩を加えて、
それをのっけて食べたせいで、
なんだか夜っぽい味になった。
キムチがあったら最高なんだけど。
あと、ちくわ、それからミョウガの糠漬け。
にっぽんの標準的な朝ご飯、
じゃないのはわかっちゃいますが、
じつは、実家はそんな感じでした。
●
それに黒烏龍茶飲んでるから大丈夫。
●
長寿の老人は肉食が多いという。
晩年の森繁久彌も外でゴハンというときは
「で、いつ肉が出るの?」と訊いたというし
現役の大滝秀治は野菜食わず肉ばっかりだというし
白洲正子は死ぬ直前まででっかいステーキ2枚、
ぺろり、だったそうだと聞く。
そういう胃袋の人に私はなりたい。
「わしが死んだら、ごま油でこんがり揚げとくれ!」
そう言って困らせてみたい。