時々夢の中で歩く知らない街がある。
ヨーロッパ的な場所だがちょっとごみごみしていて
人気の観光地と言うよりふつうの都会。
南米? ポルトガル? なんだかそんな感じ。
坂があって、鉄道とトラムとバスが発達していて、
郊外に飛行場もある。
街中に古いホテルも多い。
海岸沿いには立派で新しい巨大なホテルもあるらしいが
どうやらぼくには縁がないらしい。
英語は通じない。
その国の言葉を母国語としていない人も大勢居る。
夢のなかでぼくはいつもひとりでその街を歩いている。
このごろ、夢じたいをあまり見ない
(不眠っぽくなってからとりわけ覚えていない)んだけど
ぼくは夕べ久しぶりにその街にいて、
2番の電車に乗ろうとしてちょっと迷い、
どこかでワンデイチケットを買わなくちゃとうろうろしていた。
なかなか売っていない。
2番の電車がどこから出るのかもわからない。
裏道を歩いていたら日本人のこどもたちがいた。
歩けるようになったばかりくらいの幼児の集団。
「ぼくをおぼえている?」
と、そのなかのひとりが言う。
ぼくのことをまっすぐ見つめている。
保育士なのか父親なのかわからない不細工な男がそばにいる。
覚えていない、と答える。
「ほんとうにおぼえていない?」
と、こどもはにこにこしている。
しゃがんで、なんとなくだきしめると、
自分のからだにすんなりなじむ。
頭がぼくの首のところにぴったりおさまって
すいつくようにあたたかなからだが寄り添う。
坊主頭をなでる。こどもはにこにこしている。
でも誰だかわからない。
わからないけれどとてもなつかしい感じがする。
見覚えはまったくない。
こどもはにこにこしている。
そこで夢はF.O.
きみはだれだったんだ。
ヨーロッパ的な場所だがちょっとごみごみしていて
人気の観光地と言うよりふつうの都会。
南米? ポルトガル? なんだかそんな感じ。
坂があって、鉄道とトラムとバスが発達していて、
郊外に飛行場もある。
街中に古いホテルも多い。
海岸沿いには立派で新しい巨大なホテルもあるらしいが
どうやらぼくには縁がないらしい。
英語は通じない。
その国の言葉を母国語としていない人も大勢居る。
夢のなかでぼくはいつもひとりでその街を歩いている。
このごろ、夢じたいをあまり見ない
(不眠っぽくなってからとりわけ覚えていない)んだけど
ぼくは夕べ久しぶりにその街にいて、
2番の電車に乗ろうとしてちょっと迷い、
どこかでワンデイチケットを買わなくちゃとうろうろしていた。
なかなか売っていない。
2番の電車がどこから出るのかもわからない。
裏道を歩いていたら日本人のこどもたちがいた。
歩けるようになったばかりくらいの幼児の集団。
「ぼくをおぼえている?」
と、そのなかのひとりが言う。
ぼくのことをまっすぐ見つめている。
保育士なのか父親なのかわからない不細工な男がそばにいる。
覚えていない、と答える。
「ほんとうにおぼえていない?」
と、こどもはにこにこしている。
しゃがんで、なんとなくだきしめると、
自分のからだにすんなりなじむ。
頭がぼくの首のところにぴったりおさまって
すいつくようにあたたかなからだが寄り添う。
坊主頭をなでる。こどもはにこにこしている。
でも誰だかわからない。
わからないけれどとてもなつかしい感じがする。
見覚えはまったくない。
こどもはにこにこしている。
そこで夢はF.O.
きみはだれだったんだ。