伊賀の土楽の四女で、
みずからもろくろをあやつる道歩さんが書いた本。
彼女、父・福森雅武さんの、
ある意味食と日本文化の「英才教育」を受けて育ったうえ、
料理家をめざして家を出て5年ほど修業をしていた時代がある。
審美眼、審美味口(なんて言葉はないが)にかけては
ヨーロッパの貴族の子弟がサザビーズで
アンティークの真贋を見極める仕事をしているがごとく、
この私の泥縄&ままごと人生から見たら、ほんと、
「かなわないよなあ」という人なんですよ。
本人はまるで野猿のようなタイプなんだけど、
その野猿にそんな底力があるんだからなおさら凄い。
で、この本は、土楽で作られている鉄釉の土鍋だけでしか
つくることができないレシピ本。
「ほぼ日」で売ってる「ベア1号」「ベア2号」ならできる。
ふつうの土鍋じゃできないところが、またとんでもないんだけど、
炒めるにしてもオーブンで焼くにしても、
「じゃあフライパンでやれば?」
ってところが、これがまた違うんですよ。
ぜーんぜん違う!
「焚き火で沸かしたコーヒー」がおいしい、
というと、それは気分だろうという人には薦めない。
でも「焼き鳥、炭火で焼くとおいしいんだ!」
というのは、みんなわかるんじゃないかなあ。
つまり、土鍋があると、電気オーブンの熱源も、
炭の火に近づくというおいしさなんです。
そう、火と土の料理、になる。
この土鍋を入手するという手間のぶん、
レシピはじつにシンプルです。
応用もかんたん。
トップの画像は、
ローストポークの応用のローストチキン。
う・ま・かっ・た・ー!!!
「ベア1号」「ベア2号」を持ってる人は、ぜひー!