プラハも4度目になると
宿泊先というか居候先もなじみの温泉旅館みたいなもので
とくになにをするわけでもなく日が暮れてゆきますのう。
雪がふったり。
急に晴れたり。
散歩はしますが観光地に行くことはなく、
あいかわらずのBAZAR(古道具屋)まわりです。
で‥‥
こんなの見つけましたよ。
ヨゼフ・チャペックの額装。
絵‥‥といっても、むかしの印刷物です。
ただ、活版の時代のものだから、
アミ点の四色分解じゃなくって、とても版画っぽい感じ。
発色がきれいです。そしてすごくかわいい!
額がはあまりにでっかいので持ち帰りは断念。
中身だけ持ち帰ります。
ちなみにここはKolbenova(コルベノヴァ)の蚤の市です。
それから古道具屋で見つけた、
イジー・シュベンスビールというひとの、
とてもちいさな版画。
チェコの切手をデザインした画家なんだそうです。
たしかにこのものすごく細かく細い線は、切手ぽい!
ぼくはこのかたを存じ上げなかったのですが
たまたまそのあとお会いした
チェコ人の建築家(夫)・彫刻家(妻)夫妻に訊いたら
「ああ、シュベンスビール!」と即答だったので、
どうやら名の知れた人みたいです。
これは、1921年生まれの彼が、1971年を祝って送った版画。
サインも、シリアル番号も入ってます。
額装されてなくてよければ、ほかにもあるよと
古道具屋のおっちゃんが奥から探してくれたのも含めて、
まとめて買いました。
さらに、その彫刻家のかた
(イヴァナ・シュラムコヴァーさんです。
居候先のおかみが親しいのです)が
ギャラリーに展示する(個展ではなく四人展)
初日だというのでオープニングにお邪魔。
犬と遊びました。
や、それは本題ではなかった。
ここの画廊主でもあるパヴラ・ソウクポヴァーさんの絵が
すばらしかったので、ちいさい作品をひとつ買いました。
かようにアートざんまいなようですが、
量としては古道具が圧倒しております。
こんなのとか。
これは「くるくるおたま」と勝手に呼んでいる、
たぶんクネードリキとかを熱湯からあげる用じゃないか。
ぼくはゆで卵をあげる用にしようと思います。
それからこんなのとか。チェコではわりとポピュラーなかたち。
あと、こんなの。アルパカ(合金)の紅茶ポット。
こんなのも。ほうろうの、キッチン容器。
それからこれも。
ほこりをかぶってたフォークです。
カトラリーは前回もすごいのを掘り当ててるんですよ。
クリストフルの48ピースセット。
「そんなもの、もう、ないだろう」と思っていたら、
ひょっこり見つけちゃいました。
フォーク4本だけですけど。
味をしめて「なら、まだあるだろう」と
ほかの古道具屋でも必死に探すんだけど、
もう、ないんですよねえ。絶対に出てこない。不思議だ。
でも4本見つかったんだから、
手を真っ黒にした甲斐があったってもんです。
で──、あとは食べてばっかり。
豚肉ばっかり。
フィンランドで痩せた(締まった)のが
すっかり戻っちゃった気がする。
東京に戻ったらダイエットしないとなー。
そうだ、あと映画館で
イジー・バルタの新作みてきましたよー。
Na půdě aneb Kdo má dneska narozeniny?
というタイトルでした。人形アニメーションですが、
そこに制約されすぎず、とても自由なつくり。
いい加減という意味じゃなくて、かなり緻密なんだけど、
でも、のびのびと自由。一瞬一瞬すべてがアイデアに満ちてる!
たいへんすばらしかったです。