日本からヨーロッパの都市を往復するのに
BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)を使っているのだけれど、
この航空会社は「ロストバゲージがすごく多い」というのが
どうも、定評になってるみたいです。
ほんとなのかなあと調べてみたら、
こんなページがありました。
ヨーロッパの航空会社の業界団体のホームページで、
ここで四半期ごとのロストバゲージ数が確認できます。
これによるとBAは、
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2006
第1四半期‥‥16/1000
第2四半期‥‥16.9/1000
第3四半期‥‥30.7/1000
第4四半期‥‥23/1000
*2006年の平均‥‥15.7/1000
2007
第1四半期‥‥24.7/1000
第2四半期‥‥28/1000
第3四半期‥‥30/1000
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
となっている。
ほかの航空会社に比べて、高め。
ふうむ、たしかに
「ロストバゲージが多い航空会社」
と言われちゃう理由はあるんだな、と思います。
けれども、同様にロストバゲージは
他航空会社でも多かれ少なかれ起きている。
BAより多いところも、時期によってはありました。
航空会社を選ぶにあたって、
「データ的に(平均的に)ロストバゲージが少ない航空会社」
に変更したところで、
ロストバゲージそのものを万全に回避できるとは
言えないわけですね。
起きるときは起きる。
で。
BAのロストバゲージの多さの原因はなんなのかというと、
ハブ空港であるヒースロー空港にあると言われているみたいです。
空港職員の質の低さと、
巨大になりすぎた空港の、
バックヤードの使い勝手が悪いためであると。
どちらも「そんなもんかなあ」としか言えないんですが、
ヒースローには現在ターミナルが4つあって、
5つめのオープンを待っているところなわけなので、
「でっかい空港」には間違いない。
乗り継ぎがターミナルを異にし、
その時間が短いと、ロストバゲージになりやすい‥‥
という仮説が立つかもしれません。
たとえば、成田からパリに、ヒースロー経由で行くと、
ターミナルの4に着いて、1へと乗り継ぐことになります。
この所要時間が、「最低でも75分」とBAが言ってるくらいで、
徒歩、階段、徒歩、階段、バス、徒歩、階段、徒歩、階段、
ときどきエスカレータと動く歩道があって、
また徒歩、徒歩、徒歩。
くたびれます。
バスで移動する途中、
複雑で煩雑そうなバックヤードがちらちらと見えて、
「バックヤードの使い勝手が悪い」という噂は
なるほどほんとうかもと思わされます。
バスのなかから、
はたしてじぶんの荷物はこの短い乗り継ぎ時間で
この複雑なシステムのなかを
無事に届くんだろうかとたいへん不安になる。
あ、でも、質の低い空港職員というのは見たことがないです。
どの人もこつこつとまじめそうに働いてるし、
サービススタッフにしても、
ヒースローでいやな思いはしたことがない。
むしろパリのほうがひどいんじゃないかと思う。
で、人の移動は、75分は「多く見積もって」の
ぜひ確保してくださいねという意味らしく、
急げば30分ですみました。
あちこち工事中ながら、
表示などにわかりにくいことはありませんでした。
さてその工事っていうのは、
巨大になりすぎて使い勝手が悪くなった空港を
なんとかすべく行われているわけで、
2008年3月に完成予定の第5ターミナルには、
すべてのBA便を集める計画なのだそうです。
そうなれば、BAのみを使うヨーロッパ各地への
乗り継ぎ旅行はうんと楽になり、
ロストバゲージ数は減る‥‥と期待してもよさそうです。
さて。ロストバゲージ。
さいわい、いちども遭ったことがないんだけれど、
航空事故によらず、なにごとも、
牡蛎や宝くじとおなじで
「数をふやせば当たる確率は高くなる」と
思うようにしています。
旅をするときは、すると決めた以上、
何か起きるときは起きると腹をくくっているという感じ。
自分なりのロストバゲージの予防策は、
乗り継ぎ時間に余裕がなさすぎる旅程は組まないとか、
預けるトランクは「まぁ、なくなっても覚悟しよう」と
思う内容にすることとか、
せめて割れ物が入ってるので丁寧に扱ってくれと言い
取扱注意のタグをつけてもらうとか、
あとは、もう迷信のようなことですけど、
荷物にお守りを入れておきます。
どこにも行くなよ、また、ちゃんと会おう、と。
ところでなぜぼくがBAを使ってるかというと
「広い席が安いから」です。
エコノミークラスの上席というか、
「やや大きめ・広め」の席があって、
(サービスはエコノミー。でも先にサービスされる)
いちど乗ってみると、かなり快適。
アテンダントのみなさんも物腰がチャーミングだし
食事がエコノミーなことと、
「べつに、フルフラットにならなくてもいい」
と、睡眠のことをちょっと覚悟すれば
(フルフラットだからといって眠れるとは限らないし)、
かなりコストパフォーマンスの高い席だと思う。
たとえばエールフランスのエコノミークラスの
パリへのノンストップ便と
あまり変わらない値段だったりしますから。
一円でも安く行きたい、という人には
ぜんぜん向いてないけど。
ことしはJLも、そういう席をつくるらしいので、
乗ってみようかなあ。
ロストバゲージが起きたときに
日本語で交渉できるというのは楽、だものねえ。