朝、ちかくのFRANPRIXというスーパーへ。
たいへん庶民的なチェーンらしく
思ったようなものは、なかなかないものの、
洗剤やティッシュや、
牛乳やトマトジュースや水や、
パスタや調味料や、
ハムや肉や野菜やたまごなどを買う。
でも、考えてみたら、
明日は宿の目の前でマルシェが立つのだから
こんなに買わなくてもよかったんじゃ‥‥
まあ、一週間あるから、いいか。
あ、トイレットペーパーと歯磨き粉、買い忘れた。
いったん、部屋に食料品を置いて、
ちょっと休憩。
リコさんと1時に待ち合わせをしている、
マレの本屋さんまで歩く。
リシャール・ルノワール通りから
シュマン・ヴェール通りを抜けて
ボーマルシェ通りを横切って
フラン・ブルジョワ通りを西へ西へ。
ああ、パリに来ました。
彼らの日常が、旅行者の非日常なので、
なんでもないものが、ぼくは、面白くてしょうがない。
レストランの、表で、牡蛎剥いてるもんなあ。
「写真撮ってもいいですか」だけは
2年前に丸暗記したフランス語がすらすら出てくる‥‥が、
fruits de merを運ぼうとしているウエイター氏に
「ここで写真撮ってもいいですか」
「いいよ」
「ぱしゃ」
「おれか! わはははは」
と、「ここ」と「あなた」を間違えたりして。
でもまぁ、フランス語で挨拶さえすれば、
ここのひとびとはほんとうに気がいい。
だんだんとにぎやかになっていく町並み。
ウインドウディスプレイがきれいで、
どうしようもなくわくわくする。
たまらん。
写真をばしゃぱしゃ撮りつつ、
目的の本屋さんへ。
入ってすぐリコさんがいた。
わぁ、ひさしぶり!!!
けれど、あまりひさしぶり感がしない、
毎日会ってる感じがするのはなぜだ。
よくわからないけど、
ともだちというのはそういうものなんだろうなと思う。
なんか食べよう食べよう、ということで、
「お肉やさん(と、呼んでいるビストロ)!」
ということになり、
Robert et Louiseという
2人とも大好きな肉料理の店へ。
かまどで、薪で焼いてくれるお肉が
もうなんでもかんでもおいしくておいしくて、
前回は泣きながら食べたんでした。
たいへん地味で、目立たないうえに、
ドアが段ボールになっていて
(割れちゃったのを応急処置したんでしょう)、
とんでもなく入りにくいムードになってたけれど、
だいじょうぶ、ちゃんと営業してました。
豚のリエットと、牛の直火焼きを2人前。
(ひとり400グラムくらいあるみたい。)
ボルドーの赤をハーフボトルで、
しかしすぐなくなっちゃったので2本。
最初から大きい瓶にすればよかった。
リエット、うま!
牛、うま!
おかしな日本語だなあ。
デザートはレモンタルト。
リコさんとぶらぶらして、
マリアージュ・フレールでアールグレイを
各種においをかがせてもらって、
200グラム購入。部屋で飲む用。
さらにpain de sucreという、ケーキ屋さんへ。
大晦日に教授宅に招かれたので
おみやげのマカロンを買う。
リコさんが払うと、なじみのパティシエ氏が、
にこにこしながら、なんだかものすごい割引をしてくれた。
リコさん、町で愛されてるなあ!
いったん部屋に戻り、1時間ほど昼寝。
こんどは地下鉄でリピュブリックまで出て、
ジャンマルクさん(教授)と待ち合わせ、
北駅前の劇場Théâtre des Bouffes du Nordで
マリナ・ヴラディを観るのです。
「その前に、劇場の食堂で食事しましょう」
ということで、まだ腹はすかないけど、
遠慮なくご馳走になることに。
きょうの定食はラムかソーセージか豚。
そうですね、豚のコンフィにします。
根セロリのピューレが大量についてました。
デザートは、フロマージュ・ブラン。これも大量。
満腹になり(そりゃそうだ)、マリナ・ヴラディ。
亡き亭主・ヴラジーミル・ヴィソツキーに捧げる、
独り芝居っぽいコンサート。
フランス語とロシア語のまざるシャンソン。
ぼくは内容がよくわからないけれど、短くて楽しめました。
地下鉄で戻る。明日はマルシェ。
それにしても腹がいっぱいだ。
自炊はどこへ行ったんだ。