パーティの苦手なわたくしですが
勇気をふりしぼって行ってきました。
青山のちょっと裏側にある大好きなショップ、
ディエチ・コルソコモ・コム デ ギャルソンの
開店5周年記念パーティ。
入り口ちかくで川久保さんが背筋をのばしてお出迎え、
そして、ともに歩んで30年、みたいな感じの
独特の魔力をもった古株スタッフのかたがたがおもてなし。
もうそれだけでなんだかすごく見ていておもしろい。
お客さまと、そうではない人の区別はすぐにつく。
コム デ ギャルソンにかぎらず、
共同体の住人は同じような顔、ムードになるものなんですね。
ムーミン谷のひとびとが、ひとめでそれとわかるように。
それからするどい目つきをした、
つねに頭を働かせて考えている顔をした、
たぶん営業であるとか企画であるとかの
スタッフの男の子たちがいる。
店内ではいつものショップのみんながにこにこ迎えてくれる。
見目麗しいプロのサービス係が
シャンパン、きれいな色のソフトドリンク、
そしていちごやブルーベリーなんかを「どうぞ」と配る。
徹夜でセッティングしたという店内は
ディスプレイが一新されていて、華やか。
きもちがいいです。
さてお客さんはどうかというと、
女性たちは、共同体と外の世界を行き来する自由さがあり
その行き来のための翼としてここの洋服を着ている。
自由のための翼としての服。
パーティである今日とて、
ここぞ、という感じではなく、
いつもそうよ、の感じでいる。
勝負じゃない、自分のために着ている。
素敵でした。
(ちなみに、ドレスコードは、もちろん、ありません。
そういうことは自分で考えることなんでしょうね)
では男性はどうかというと、
ちょっとがんばりすぎちゃった人が多かったみたい。
男のデザイン服、作り手と着る側のギャップ、大だ。
パーティ用に「とびぬけて」着飾っている人達は
それはそれでおもしろくていいんだけど、
それはそうとう才能と度胸が要るし、
たぶんそういう人は場数がちがうんだと思う。
女性たちのように、
さらりと上手にデザイン服を着るということについて、
若い男の子は上手。おじさんは、まだまだ。
おじさんとして、気をつけよう!
いいフィールドワークになりました。
無地を着てってよかった。ほっ。
この日はミラノからカルラ・ソッツァーニさんや、
英国人デザイナーのクリストファー・ケインさんが
いらっしゃるということだったんだけれど、
そのあたりはもうまったくわからないので
「そういうものか」と遠くから眺める。
モデルとして、会場を歩いている、
パリコレ級の白人女性さんたちがすごくて、
生まれて初めてああいう「からだ」を間近で見ました。
青山あたりを歩いている、日本で活躍しているモデルさん、
というのもすごいけど、その人々ともちがう、
ほんとうに「別の世界の生き物」。
きっとむこうから連れてきたんですね。
ぼくの胸くらいの位置に腰がありました。
あんな足の長い人間いるのか! びっくり!
あとほんとに「顔が、グー」。ちっちゃい!
そして無表情! それも、「これが無表情というものだ」
の見本ともいうべき、なんの感情も表現しない、
じつにニュートラルなもの。
これぞマネキン。人生しょってない。
なので「ああいうスタイルのひとが似合うのよね」
みたいな感じには、ならないのです。人じゃないから。
さて、会場をひとまわりしてオモテに出たら、
ぼくが好きなラインの服をつくっているあの方、
そう渡辺さんがはじっこのほうでもじもじと
(たぶんこういう場が苦手なんでしょう)
所在なげにしていたので勇気をふりしぼって御挨拶。
5周年おめでとうございます。
と冷静に言えばいいものを、緊張してどもる。
「おおおおおおおおおめでとうございましゅ!」
「‥‥ありがとうございます」
‥‥。
何か続けて言わねば言わねば言わなくちゃ。
「こ、こ、このジーンズ、ぼろぼろになってきたので、
またつくってほしいです!」
と、開いたズボンの穴に指を入れながら言ってしまった。
はぁ‥‥だめなぼく。
おみやげはお香、カエルのシールの貼ってあるペリエ。
それから5周年記念Tシャツが発売されてたので1枚買いました。
そうそう、山崎店長、おめでとうございます。
これからもよろしくおねがいします。