ダイアローグ・イン・ザ・ダーク。
面白かった! というか途中で感動して泣きました。
「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」というのは
完全に光を遮った、真の暗闇に入る体験型イベント。
外苑前の梅窓院祖師堂ホールで、いま、開かれております。
そこには、牧場、田舎の民家、丸太橋、つり橋、池、竹やぶ、
縁日、茶店、バス停、などが作り込まれているんだけれど、
もう「ほんとうにまったく見えない」。
ガイドさんは盲人のかたで、
ぼくらは白杖(盲人用の杖)を持ち、
聴覚、触覚、嗅覚、味覚など、視覚以外の感覚をたよりに、
ガイドさんの声をたよりに、8人ひとくみが声をかけあいつつ、
進んでいくのです。
靴は脱ぎ、厚手の靴下を買って、
足下の感覚もたよりになりました。
人工物のほうが怖いんですね。
土とかワラとかの上はじつに安心する。
ぼくは「閉所恐怖症」の気配があるので、
その「まったく見えない空間」を、
もしかしたら怖いと思うのかもしれない、と考えていて、
パニックにでもなったらどうしよう、と思っていたのだけれど、
それは逆で、「広い」と感じました。
なんにもこわい感じではなかった。
閉ざされた空間なんだけど、
その世界はものすごく広く、そして、なんというか、自由。
いや、不自由なんだけれど、可能性に満ちているというのか、
うーむうまく言えないな。
盲人のかたは、海の中のイルカのように
じつにのびのびと動き回っておられて、
「こっちですよ〜!」と導いてくれる。
ああ、彼女(女性だったので)は、それこそ、
ここではほんとうに自由なんだと思いました。
ぼくらの知らない自由な空間を、
彼女達は持っているんだと。
泣いた、というのは、感覚が鋭敏になっていくなかで、
あるものを口にして、それがものすごくおいしかったから。
いい体験しました。
も一回いきたいなあ。
http://www.dialoginthedark.com/
あ、このときのもようは
同行した大貫妙子さんが雑誌『考える人』で
エッセイになさっていますのでぜひどうぞ。