「観る人によって、フック(ひっかかりポイント)が違う」
と言われる(@アンディーさん)映画
「嫌われ松子の一生」を観る。
いやぁ‥‥終映後、首、がちがち。
緊張性頭痛がしたくらい。
松子という人をぼくは知ってるなあ。
ていうかもう、これは「俺」ですよ。松子は俺だ。
というのは言いすぎかもしれないけれど、
「もうひとりの俺」が「現実の俺」に
「ダメだ、そっち行っちゃダメだ!」と言うような場面が
現実の人生にはあるでしょう。
ずっとそんな感じで松子を見ていました。
かねてから、「俺は最後はホームレスになって
ひとりぽっちでのたれ死ぬんじゃないか」
という思いがあるものだから、
こういうふうに、人生がどうにもならない方向に
どんどんどんどん進んでいく話って、
まばたきできないくらいに、ものすごく引き込まれつつも、
ほんとうに、つらい。
でも面白かった‥‥。
この映画、ジョン・アービング好きは好きだと思います。
「アメリカン・ビューティ」好きも好きだと思います。
それから柴田理恵さん主演の「砂犬」。
こっちは舞台です。
とっても面白く観たけれど、軽かったかも。
というのは、いままで喰さん(演出)の演劇には
喰さんの持っている暗さを最大限に活かした
松子的などうしようもない重さと笑いがあったんだけれど
(「神風お笑い特攻隊」「だいこんの花道」は最高です。
「ゴーストライフ」と「冬の幽霊たち」も、いいです)
これは、それをちょっと薄めた感じだったので。
軽くしたのには理由があるとは思うけれど、
「もっと、徹底的にやっちゃって! 喰さん!」
な気分でした。
「神風お笑い特攻隊」をもういちど、
オリジナルキャストで観たくなりました。