●ハハよ。
齢40になろうという息子に旅行前
「寒波で空港閉鎖になったらどうするの!」とか
「旅行のお金はあるの!」とか言った過保護なハハですが、
またふたつほどやらかしました。
ヘミングウェイの『移動祝祭日』が読みたくなり
でも絶版だしなあと思っていたとき
実家に岩波の全集があるのを思い出した。
『移動祝祭日』だけ送ってくれとお願いしたら
翌日すばやく届いたのはいいんだけど
7冊も入っている。ああ全部送ったんだな。
‥‥と思ったけど肝心の『移動祝祭日』がない。
メモがついていて
「第八巻は購入しなかったようです。ゴメンナサイ」
その第八巻こそが『移動祝祭日』なのだった。
「七巻の月報を読んでください」
そこには「第八回配本案内 移動祝祭日」という宣伝と、
いかにその内容がすばらしいかが、えんえんと書かれている。
ますます読みたくなる。
しかし、ない。
いったいどうしろというのだろうか。
別便で封筒。
毎年、神社でもらってくるお守りを送ってくれた。
それはとてもありがたいことなのだが、
なぜ封を「ジャイコ」シールでするのだ。
●立ち上がり。
東京での
COMME des GARCONS JUNYA WATANABE MANと
COMME des GARCONS HOMMEの
2006SS(春夏)立ち上がり。
ほかの川久保玲さん系のブランドはその前日から
青山本店で展開されていて、HOMME PLUSの
ローリング・ストーンズの"real rock 'n' roll"を
モティーフにしたシリーズは、
もしかしたらコム デ ギャルソンが始まって以来の
最高の売上になるのではないかというくらいの
人気となっていたようです。
でもぼくは「ジュンヤ教」なので(ヤマザキ店長命名)、
渡辺淳弥系のラインである
HOMMEとJW MANを待っておりました。
10 CORSO COMO のヤマザキ店長からの
1日はやい電話によって(信者への布教ダイアル)、
デニムがものすごいことになっていると知る。
JW MANの今期は「カスタマイズド」、
再構築が技術的なテーマで、
ワークウエアを「一度ほどいて、縫い直したり染めたり」
というようなとんでもなく面倒なことをやっているんだけど、
LEVI'Sのデニムを使って、
同じくそういうことをやっているという。
きゃあ。
ウエストも丈も36インチ(だったかな、34かな?)の
でかいデニムパンツを「素材」として使い、
これでもかと解体・再構築したシリーズは
もうそれはそれは面白いという。
さらにCORSO COMOにしか置かない
スペシャルバージョンもあるという。
しかも、上下のセットアップだという。
きゃあきゃあ。
毎シーズン1本ここのデニムを買うぼくのきもちは
「しゅかしゅかしゅか」と、ホイップされ、
心の物欲メレンゲはもう爆発しそう。
現実にはパリ=プラハ旅行で××万円飛び、
そのうちコム デ ギャルソン予算として
とっておこうとしたぶんも、
例のΩマークの1935年製の時計に変身しちゃった。
あとは生活費を削って捻出だ。
あとはクレジットカード様だ。
おかあさんごめんなさい、やっぱり心配される通りでした。
さて、まあ、そういうしょっぱい話はともかく、
買ったのは予定通りのデニムの上下。
パンツは、もう、形がいっぱいありすぎて
迷いに迷ったけれど、503を基本に
「ポケットを、前と後ろを逆にしたもの」。
ええとつまり、尻ポケットがありますよね、
あれが、前についていて、
前のポケットが、尻についているのです。
これ「!」な発想だけど、
穿いてみると、意外なことにスタイリッシュ。
たっぷりめのラインで、きれいなのでした。
そして、トップは、
リーバイスのいわゆるブルゾン‥‥の素材なんだけど、
その素材を使ってテーラードジャケットをつくっている。
テーラードジャケットではあるが、もちろんメンズサイズ。
ややこしいですね、紳士服の技法でつくった
婦人服のスタイルを、もういちど紳士服として、
デニムという素材で渡辺淳弥がリーバイスとつくった。
これ、ものすごく細かい製法で、
裏をひっくりかえしてみると、
パターンの細かさに驚かされる。
ウエストが絞ってあるたいへん美しいラインで
センターベントも入っている。
ボタンは、いわゆるジージャンの
金属のボタンがありますよね、
あれとともに、ジャケットのボタンもついている。
ややこしいけど「二重」にボタンがついている。
そのためボタンの位置がランダムに見える。
つなぎ目は袋にして縫ってあるし、
見れば見るほど、ほれぼれしてしまいました。
セットアップで着るかどうかはわからないけど、
セットアップで買うべきでしょう! と思って、
予算をかえりみず購入。
さてそれを着て事務所へ。
「おニューなんですよ」と
給湯室にいた弊社のマダムCに言ったら
「ぜーんぜんっ!」と
思わぬ返り討ちをくらいました。
まったく別のことを考えていて
てきとうに相づちを打ってしまったと
いいわけなさっておられました。
ほかにもこのかたは
スタッフが新作デニムを穿いてきたとき
それは最初から白いペンキでデストロイド加工してある
なかなかオシャレなものだったんだけど
「たいへん! 大福の粉が!」
と、自分が大福を食べているもんだから
言ったりする人です。
●中目黒方面へ。
写真家のSさんの事務所と音楽家のSさんの事務所は
山手通りをはさんで筋向かい、といってもいいくらい近い。
今週はそちら方面に何度か行きました。
写真家のSさんのところではモノクロフィルムの現像を。
‥‥自分でやるんじゃなくて
もうほぼすべてやっていただいたんですが
このかたすごくえらい先生じゃなかったっけ。
ここにアップしたものは
プリントではなく、ネガをスキャンしたものなので
こまかいニュアンスは別としても、
うーん、なんというか、雰囲気出すぎですね!
「だれでもカメラマン」みたいな写真になった。
というと言いすぎかな、
というのもカメラが借り物のGR-1という
28mm/F2.8のコンパクトカメラで、
ILFORDのHP5というフィルムという
はじめて使うもの。
撮ったのも1本きり。
ほんとうにいいコンパクトカメラだなあと思います。
つまりは、よく撮れすぎて、自分の写真じゃないみたい。
音楽家のSさんのところでは
ことしバンドデビュー30周年ということで
それにむけての壮行会のような新年会にお邪魔する。
こちらにはCONTAXに、50mm/F1.4の明るいレンズをつけ
FUJIのNATURA1600というフィルムを入れて。
それから恵比寿へ。
かつて、骨董通りにあった、かの、
パイド・パイパー・ハウスのスタッフだったかたがひらいた、
ロック・バー。
ジャズ・バーでもなくロック喫茶でもなく、ロック・バーです。
仙台にあるあの名ロック・カフェ(そちらは33周年の現役)とは
またちがう、居心地のよさ。
いい音を聞きながら深夜まで。
たのしかったなあ。
ちなみにぼくはパイド・パイパー・ハウスには
そんなに通い詰めたほうではないですが、
ある時代のみちしるべのような店だったと思います。
●もう次の秋冬。
そうこうしているうちにパリでは
もう次の秋冬コレクション。
まだ冬なのに‥‥。
さっそくフランスのVOGUEのサイトで
見ることが出来ました。
きゃああああああああああっ!!!
失神!!
YARARETA!!
TAXI DRIVER!!!
迷彩で「モード」をやってるのです。
あれはおととしだったか、
「軍服のカスタマイズ」をやった渡辺氏ですけれど、
つまりそれは世界中のあらゆる軍服を
研究するところから始まったといいます。
思えばJUNYA MANが立ち上がったときに
「まだジャケットには手が出せません」
と言っていた渡辺氏。
紳士服はある意味、完成された世界であり、
技術というものがものすごく大事で、
とくに紳士服のジャケットというのは
とんでもなくむずかしいものなんだそうですね。
それがこんどは迷彩でテーラード!!
ぼくはこの人は本気で紳士服の新しいスタンダードを
つくる気でいると思っているんだけど、
さらに一歩進める自信がついたんだろうと思います。
‥‥ついていきます。どこまでも。
それにしても、ふは〜。かっこいい‥‥。
アウトドア、アーミー、そしてテーラード。
幾度となく繰り返されるテーマだけど、
コンセプト優先ではないはず。
追究すべきことが、そこにあるのだと思います。
この人は迷っているのではない、
ただただ、模索しながら前進しているのだと思います。
それにしても、シルエットが、
ちょっとタイトなような気がするんだけど。
やはり「ああいうデブが、着られないようにしよう」
と、すれちがったときに思われていたんじゃないか。
●汚れた尻2006。
19時に到着、翌朝8時に宿を出るという強行軍で
一泊二日のワハハ本舗新年会@箱根、に行ってきました。
公演ではなくて身内の新年会‥‥なんだけど、
宴会場のステージでは
総勢25組の若手・裏ネタモノマネ大会。
見る人は1枚500円のチップ券を買って、
「よし!」と思うだしもので、演者に直接渡すシステム。
つまり若手救済? というか本気が出てよい。
ぼくは6枚買って、えーっと、
村本、清水&星川、太田、光野、勝栄、
(と、ここで顔が浮かぶ人は相当毒が回っております)
あとさすがの芸達者ポカスカジャン、に、進呈。
トリをつとめたポカスカの「梅ちゃんの冬の蛍」のモノマネは
やはりそうなるだろうなと思ったけど
若手男子全員のきたない尻(煙草を挟んでる)を
拝むことに‥‥
猫ちゃんおねがいだからこっち来ないで。ニャーッ!
チップあげられなかったけど
てるやくんの「喰さんのマネ」おもしろかったなあ。
正源の「タマちゃんのマネ」もすばらしかった。
すまん矢原。こんどおごる。
鼻からワインを飲む川島なお美面白かったです。
でもやっぱりきみはYOUに似ていると思うよ。
一時会終了後、大浴場でのんびりしてたら
「お約束お約束」と、全裸の久本さん乱入。
不本意にも混浴に。
いいけど、タイでも見てるし‥‥でも見られるの初めてか。
ま、チューもしたことのある(酔って、ですよ!)
仲なのでいいですけど‥‥。
久本さんは意外とグラマラス・ビューティです。
でものんちん、男風呂に入ってこようとする久本さんに
「大丈夫ですワハハしかいません、ねえさん!」
って、ぼくはワハハじゃありません!!
プンスカ。
そして朝まで続く、テーマ・バー。
「よいしょバー」だの「熊バー」だの
「メイドバー」だの「フォークバー」だの
「セクシーパブ」だのが、
あちこちの客室で開かれている。
柴田さんが泣いている。久本さんが歌っている。
喰さんがダメ出しを始めた。
梅ちゃんはどこだ佐藤さんは寝たのか
すずまささんはなんきんさんは‥‥
あ、タスクさんお久しぶりです、
下田のスズキくんやあやあやあ!
というような夜は更けて、
ぼくはてきとうにひっこんで、
「どうぶつの森」をやって(ここでもやる)から、
ちゃんと眠って出勤しました。
あの人たち飲みすぎです。
ぼくは一滴も飲んでません(ほんと)。
あんなのと飲んだら潰されます。