きょうは写真いっぱいで行くよー。
近くに泊まっているAさんとOさんが
朝食を食べに来るというので、
昨晩の宴会の残り物を使って、
スペシャル・ポモドーロのリングイネ。
カポナータやタコの酢の物や新鮮なトマトなんかを
手当たり次第入れてみたら、
‥‥あらら、なにこの超絶な旨味は!
わがパスタ史にのこる最高傑作? というものができました。
でも再現不可。
みごとな引きこもりっぷりを心配してくれたのか、
「チェントロに行きましょう」と、
Oさんが誘ってくださった。
ローマからやってきたBさんという
料理人のかたといっしょにランチと散歩。
自分ではぜったいにアンテナにひっかからないだろう、
美術館の最上階にある、ドゥオモを借景にした高級レストラン
「ENRICO BARTOLINI MUDEC」へ。
イタリアンとフレンチのMIXのような料理で、
生牡蛎、カルパッチョ、フォアグラ、
まぐろのたたき(すみませんそうとしか思えない)、
そして魚介のパスタを頂き、ワインはロゼを1本。
うまかった。
食後、ドゥオモの中を見ましょうということに。
自分ひとりだったら行かないコース、楽しい。
そして散歩。ガレリアを抜けてスカラ広場から
モンテナポレオーネ通りをずっと歩くという
かなり正統派の観光コース。
アップルストア発見。ちょっとすごい。
外壁を水の流れる細長いガラスの建築は「地下への入り口」で、
地下2階に世界共通のあのアップルストアが広がっていました。
Oさんたちと「なぜここに来るとなにか買いたくなるのか」について
しばし考えるも、結論はでず。
モンテナポレオーネ通りは、パリでいうと
フォーブルサントノレですね。ハイブランドの街で、
さすがミラノ! という感じのウィンドウが楽しい。
ゴリラはドルチェ&ガッバーナ。
アルマーニホテルの1Fが本屋とか
お菓子屋になっているのをひやかしつつ、
なるほど「これこそがミラノ」だとすると、
部屋を借りたロレートはなんなんだろうと思うが、
あれもミラノでこれもミラノ。
先にロレートを知っていてよかった。
キッチン屋さんのウィンドウに超絶うつくしいガス台。
タクシーでロレートに戻り、
ちょいと野暮用をすませ(来年春までナイショ)、
部屋に戻る。
腹はかなりいっぱいだが、
きょうは20時半から集まりがあるのだった。
Aさん主催で、関係各位と肉を食べる会である。
そこは肉屋なのだけれどオステリアでもあるのだそうで、
ロレートの住宅地にある、
観光的には有名じゃないけど地元に愛されている店らしい。
ここはもちろん地元民のYさんのおすすめ。
ローマから来た若き料理人や、
地元ミラノで30年和食に携わり
ミシュランを獲得している板長、
日本の調味料会社の欧州社員のかた、
食品輸入業者のかたなどなど、
総勢9人でテーブルを囲みました。
突き出しにブルスケッタ。
ハムやサラミの盛り合わせ。
タルタル。
ワインはマグナム。
そして肉を焼いてもらう。
じゃんじゃん焼いてもらう。
そして食べる。
いやはや、うまかった。
パリにもこういう店はあるけれど
あちらはもうちょっと職人さんに
「スター性」があるように思う。
その人、店を目指してあちこちから人が集まるようなイメージ。
でもミラノはもっと職人的で、この店なんかは
近所のひとがこぞって食べに来る村のうまい肉屋という感じがする。
イタリア人の「地元感覚」は半径100メートルだという話を聞いたけど、
そのなかにこういう店があるってとてもいいよなあ。
こういうお店を知ると、
親しい仲間を連れてきたくなる。
それが叶うかどうか、
人生というものがさっぱり計画が立たず、
自分以外の人生についてはもっとわからないわけで、
どんどんなくなってゆく時間にも
ちょっとだけ絶望もするのだが、
また来よう、そう思っているだけでも、
ちょっとは幸福でいられるのだ。
夜のエレベータ前でそんなことを思いつつ帰宅。
明日はまるっと使える最終日。
でもそんなにたいしたことはしないです。